コンテンポラリー風水コンサルタントのフジワラユカです。
実家を相続する人は、年間約24万人(2016年国税庁調べ)。40・50代の人たちにとっては、毎年10人に1人くらいの割合で「実家の相続」が、友人間で話題になってくるような数字です。
私のところにも、ご実家を引き継ぐステージでの風水のご相談が、時折寄せられます。

こうしたケースについて、
「家族が住んでいた家だから、特に困ることはないんじゃない?」。
「家を相続できてうらやましい・・・」。
などと思うかもしれませんが、良いことばかりとは限りません。
身近な家族ゆえに難しいこともあるのです。
今回は、ご両親が他界された実家に、新たに住み始めた女性のお話をしたいと思います。

亡くなってもなお住人がいるような空気を放つ家

お子さんが自立されたあと、長らくご両親だけで暮らしてきたというそのお宅は、ツヤのあるウォールナットの家具と革張りのソファーが印象的な、クラッシックなムードの一軒家でした。
お部屋には花や植物の水墨画がたくさん飾られていたので、「これはどのような絵ですか?」とお聞きすると、お母様が趣味で描いたものであることがわかりました。

私は、「お母様の描いたアートがお部屋にあるなんて素敵だなぁ」と思いました。
その花や植物のシンボルも、「バグアマップ」(古典の風水では「八卦」といい、人生の8つの幸せのテーマを表す)で観たときも、好ましいものであったので、「この絵は、誉のエネルギーのサポートになりますよ〜」と言いながら、一つひとつお部屋を観ていきました。

1階のリビングもキッチンもそのままの状態で、まるでお母様がまだいらっしゃるようだと感じられます。モノ入れの扉を開けると、トイレットペーパーなどの生活必需品や食料などの備蓄品がぴっちりと格納されていて、お母様の几帳面さや、何かに備える(備えすぎる)きっちりしたパーソナリティを感じ取りました。

「お母様はしっかり生活される方だったのですね」と言うと、「この荷物も、こんなにはいらないので、処分したいと思っているんです」とのことでした。

「確かに未来の備えは必要ですが、備えすぎるのは“未来への不安”の裏返しですから、適度のほうがよいですね〜」と言葉を返した私ですが、この時はまだ、彼女のつぶやきに隠された、深い意識を感じ取っていませんでした。

親が見つめるような寝室に大きな課題を発見

2階に上がる階段にも、お母様の作品が飾られていました。そして、階段を上った踊り場に、不自然な形で置かれた「姿見」を発見しました。
小さすぎる鏡も、障害物となっている鏡も、課題があります。その鏡は、何らかの違和感を私に知らせていました。

その先にある寝室を観たとき、私は息苦しさを覚えたのです。
その女性の寝室のベッド周りにあったのは、お母様の絵と、お母様が集められた骨董と、傍らにはお母様の古い衣類などの箱。それらが未整理のまま、積み重ねられていました。

寝室は休息と活力を養う役割の他に、ロマンスや豊かなパートナーシップを温める重要な役割を担っています。でも、その場所はお母様のエネルギーを強く感じてしまう空間になっていて、言葉は適切かわかりませんが「監視されている」感じが強くしました。
そして、やや「古い」エネルギーも感じました。それは言うまでもなく、「反ロマンティックな空間」が原因。すぐにでも、この住人である彼女に、好ましいフレッシュな環境を創る必要を感じたのです。

「この寝室にあるお母様の絵は外しませんか? このお部屋を、もっとフレッシュな空間に変えましょう!」と言ったところ、彼女の表情が明るくなりました。

大事な課題は最後の5分で見えてくる

「実は・・・」と彼女が語ってくれたのは、お母様との関係性について。その関係性が、あまりよくなかったということでした。
彼女にとって、しっかりもののお母様がプレッシャーになっていて、亡くなってもなお、そのプレッシャーが深いところにとどまっていたのです。

そう考えると、お部屋の各所に飾られた素敵な植物の水墨画が、違った意味合いに見えてきます。もうそのようなプレッシャーを味わいながら、日々過ごしていく必要はないのです。
「重荷を手放して、これから先の豊かなビジョンに向かいましょう。この絵を外しましょう。ない方がいいですね」と言ったことがきっかけで、彼女の心の重荷が何かが判明し、空間から重荷を取り払うことが可能になりました。

お母様の遺品は「思い出のクラウド」に格納し、モノとして保管する必要はないことを伝え、今の彼女のためになる風水のアドバイスに終始しました。

その後、「会社でプロジェクトリーダーを任され、周囲の人たちと関係性にも変化が起きています」という、うれしい報告がありました。およそ、1ヵ月間ほどの出来事です。

お部屋の空間に放たれた「母親の支配のエネルギー」。それは悪気のないものであったとしても、我が子の心に重しのように作用していたのかもしれません。
彼女の深いところにあった心のブロックが解けていった様子を確認し、今回の風水探偵は終了したのでした。

いかがでしたか。
次回も、現場から見えてきた課題と、その解決に至ったエピソードをご紹介しましょう。

フジワラユカ
コンテンポラリー風水コンサルタント。早稲田大学卒業後、大手出版社に勤務し、『こどもちゃれんじ』、『かいごのみかた』等の編集長を務める。仕事を通じ「家族関係」や「愛情問題」を深く見つめる中、コンテンポラリー風水の創設者であるMark Ainley氏と出会い、風水師に転身。「人生の流れを創るお部屋の風水」の実践は高い評価を得ている。著書に『幸せな子は、幸せな部屋で育つ。親子の日常をサポートする子育て風水』(麻布書院)。

「人生の流れを変えるお部屋の風水」ブログ
https://www.yukafujiwara-consulting.com/blog
http://fengshui-tokyo.com/

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