部屋を見れば、その人に起きていることがわかるーー。
このことは、風水探偵の事例を通じてお伝えしているのですが、それは、裏を返すと「その人が選択して、その人生を引き寄せている」ということでもあります。

でも、ちょっとピンとこないと思います。というのも、自分の部屋を作り上げている「私」というのは、「私の潜在意識」であるから。
潜在意識が全て見えたらいいのですが、見えなくさせているのにはきっと理由があるのでしょう。でも、無意識に私たちを動かしている潜在意識の存在を垣間見せてくれるのが、お部屋の空間だということを知っておくと、より豊かな人生に近づけるのではないかと思います。
皆さんのお部屋は、深い底に眠る自らの「潜在意識」に気付かせてくれる一番身近な存在なのです。

今回ご紹介する事例は、ある女性がお部屋に置きたいと選択した絵にまつわるお話です。自分の潜在意識が選択しているものがどのような内容であるか、多くの気づきをもたらしてくれたエピソードをお話したいと思います。

家族も仕事も才能も手に入れた女性

都内の高級住宅街にそのクライアント女性のお宅はありました。ご主人とまだ小さいお子さんとの3人暮らし。
広々とした玄関には大変個性的な上がり框(かまち)があり、建築家に依頼して建てられたその家の各所には、こだわりのデザインが施されていました。
仕事柄、海外と縁のあるご夫婦の好みで、世界の美しい調度品や国内の伝統工芸品が共有スペースに美しく飾られ、風水のバグアの一つである「財」のエネルギーに好まれる空間がすでにそこにありました。

「なんと豊かな家!」という印象どおり、実際に財のエネルギーが流れる大変裕福なお宅でした。

この女性は、独身時代から大手企業でビジネスの才能を開花させていた人で、有能なパートナーと結婚後、勤めていた会社を退社し、お父様の会社を継承。その後一児の母となり、今は社長として活躍されていました
一般的に、いわゆる「持っている女性」というのはこういう人のことを言うのかもしれません。でも、それだけの現状を築き上げるには、大変な努力があることを後半で実感することになったのです。

今後への警鐘を鳴らしていた寝室

リビングやダイニング、お子さんのスペースは大変整えられていましたし、地下にあるご主人のお部屋には、立派なオーディオと趣味のアイテムのディスプレイ、加えて最新のトレーニングマシーンが設置されていました。
このお宅に訪れた誰もが、「すご〜い!」「素敵!」と称賛している様子が浮かんできます。
なんとも完璧な波動を放っているお部屋が広がっていました。一方で、いつも褒められる側の人にとって、完璧を保つのは大変なことですから、疲れないかなと少し心配にもなりました。

そして上の階へ。そこには寝室がありました。私はコンサルティングをお受けする際、玄関と寝室は特に重要な空間であるため必ず拝見させていただくのですが、「寝室は..、今回は大丈夫なので・・・」とおっしゃるのです。

寝室は非常にプライベートな空間ですから、第三者に見せることを躊躇するのはもっともです。「どうしようか・・・」と思いつつ、普段は無理強いしない私でしたが、勘が働くものがありました。
「重要な空間なので、少しだけ見せてアドバイスをさせてください」。そうお願いし、ちらっと覗かせていただきました。

広く充実した寝室でしたが、寝具を整えている暇がない、という感じがありました。
「失礼ですが、ただ寝て起きるだけの空間になっていませんか?」と尋ねると、「そうなんです。2人とも忙しくて」とのことでした。
風水探偵が空間から感じとったものは、忙しくて夫婦が対話する時間がないということと、それが彼女が進む道のりに影を落としているかもしれないということでした。

良き母、優秀なビジネスマンである彼女は、物理的にパートナーシップを温める余裕がないのも無理もありません。でも、寝室は睡眠をとるだけの機能空間にしてしまっては、人生の大事な豊かさを失ってしまいます。
夫妻が寝室で会話したり、何気ない時間を過ごせるようにするために今からするとよいことを、詳細にお話させていただきました。
この寝室が整うことは、このあと彼女が一番願っていることの実現のための、大きなサポートになることは間違いありません。

人生を後押ししてくれるアートを玄関に

彼女が風水の力を借りたいと考えた一番の理由は、実は仕事面にありました。
父親から引き継いだ会社で、新社長である彼女は新たな事業を手掛けようとしていて、それを軌道にのせたいということでした。

西洋風水で使う「バグアマップ」には、仕事に関係するテーマが2つあります。
1つは「誉=Fame & Reputation」で、2つ目は「道=Career」
どちらも仕事に関係しますが、「誉」は現在の仕事においての成果、評価、周囲の人からの尊敬や信頼を高めることをサポートし、「道」は新しい転機、転職、進路をサポートするものです。

皆さんのお宅にも、このエネルギーが流れています。
ちなみに、「誉」は玄関に入り、ドアを背にして家全体を見渡したとき、中央奥付近にあります。「道」は玄関に入りドアを背にして家全体を見渡したとき、中央手前付近です。

そして、こちらのお宅は玄関の上がり框が「道」のエリアにあたり、印象的なシンボルを待ち構えているようにぽっかりとした何もない空間がそこにありました。
「ここに、これから進んでみたい道の絵を飾りましょう!」と私たちは話し合いました。人生の道・キャリアをサポートするエネルギーが流れる玄関に、「道」に関連するアートを置くことで、新しい事業の背中を押すことができると直感したのです。

「これから歩む道」として選んだアートに戸惑う

コンサルティング後から1週間ほどたち、彼女から連絡が入りました。
「ピンとくる絵が見つかったので購入しようと思うのだけれど、事前に見てもらえませんか?」とのこと。
そして送っていただいた画像を見た私は、しばしその絵に釘付けになってしまうのでした。

この風景は、戦地???

そこには、道なき道と瓦礫のようなものが散乱する光景が描かれていました。どこの街なのでしょうか、過去というより、近未来の風景のようにも見えます。
色合いは全体的に茶色っぽく、空は暗く重苦しい感じの絵でした。立派な額装でサイズも大きなアートゆえ、なかなかのハードシップを感じさせるものでした。

私はその時、彼女の奥底にある潜在意識の存在を見たような気がしました。
彼女が進む道は、遠足気分の青空の広がる道なんかじゃなく、いつもハードな道のりだったのではないかと。だから、戦争や災害の直後のような激しい光景に無意識に共鳴してしまうのだと思ったのです。

私たちは絶えず空間のシンボルと共鳴している

私は、彼女にこう伝えました。
「普通の人以上にハードな道のりを乗り越える力をもっている人ゆえ、こうした険しい道のりのシンボルとも共存できるのだと思います。
でも、もう少し違う道のりもあることを想像してみてはどうでしょう? いつもハードでなければいけないことはありません。険しい道のシンボルをここに置けば、険しい道をいつも選んでしまうことでしょう。
楽な道である必要はありませんが、道の先に明るい空が見えているのもよいと思いませんか?」と。

彼女はとても思いあたるという感じで、自らの意識の傾向を深く味わいながら、私の提案を受け入れてくれました。新たな可能性へと意識をシフトさせてみるチャンスになってくれればいいなと、風水探偵は思いました。

悲しい、苦しい、辛いシンボルと共鳴しすぎていませんか? 今回のエピソードから、部屋にあるシンボル、これから飾ろうと思うシンボルには、非常に潜在意識に働きかけるということがわかっていただけたのではないかと思います。

「がんばらないといけない」という思想を意識の中に蓄積してきた人たちは、ついつい忍耐や我慢や努力を強いるようなシンボルを配置してしまいがちかもしれません。
そうしたシンボルによる恩恵がないわけではないですが、絶えず浴びているシンボルからの影響を考えると、はっとするものがあるかもしれません。

今の自分にはない要素であっても、これからなりたいイメージに合うものがあれば、それを空間に施してみるのも一考です。
風水は、私たちの潜在意識の織りなす働きとの真剣勝負。空間をどのように整えていくかは、いつも大変にロマンがあります。


フジワラユカ
コンテンポラリー風水コンサルタント。早稲田大学卒業後、大手出版社に勤務し、『こどもちゃれんじ』『かいごのみかた』等の編集長を務める。仕事を通じ「家族関係」や「愛情問題」を深く見つめる中、コンテンポラリー風水の創設者であるMark Ainley氏と出会い、風水師に転身。「人生の流れを創るお部屋の風水」の実践は高い評価を得ている。著書に『幸せな子は、幸せな部屋で育つ。親子の日常をサポートする子育て風水』(麻布書院)。

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