こんにちは、人相見のいくらです。
世界には数多くの有名な絵画が存在します。具象画や抽象画、人物画や風景画など、ジャンルも様々。
中でもモデルの顔に焦点をあてた「肖像画」は、海外ではポートレートと呼ばれ、主に胸のあたりから上部にかけて精密に描かれています。
今回は、ルーブル美術館が所蔵している、世界一有名な女性の肖像画「モナリザ」の人相についてお届けしましょう。
※ここでご紹介するイラストは、全て私が描いたものです。
※今回行った、絵画をもとにした人相鑑定の結果は、絵画の経年劣化の傷みも含めたうえでのものとなりますので、ご了承ください。

モナリザの人相から観る知られざる性格

モナリザ独特の何もかも見通すような涼やかな眼差し、そして最大の魅力であり謎とされている「微笑み」は、見る者の心を掴んで離しません。

モナリザのモデルとして最有力視されているのが、イタリアの旧家の出身で、商人のもとに嫁いで中流階級の暮らしをしていたという、「リザ・デル・ジョコンド」です。

あまりに有名なオリジナルの絵画。見分けづらいですが、頭から上半身にかけて、黒く透けたごく薄いベールを被っているのが分かるでしょうか?

 

私が描くとこんな感じに。

 

そんな魅力あふれるモナリザの人相を鑑定したら、このような結果になりました。

1 顔の右半分と左半分が違う 

顔の右側と左側の印象が違います。半分ずつ隠してみると分かりますが、一方が笑っていて、もう一方は無表情です。
顔の左右の印象が違ったり、左右でズレがある人は、思考と行動にギャップを抱えている人が多いです。ズレが大きければ大きいほど、その傾向が強まります。

 

2 「三停」は均等で、やや額が広い 

顔を三つの領域に区切ったエリアを「三停」と言います。生え際から眉間までを「上停」、眉間から鼻先を「中停」、鼻下からあご先を「下停」といい、ここの間隔が均等な人は、晩年を通して安定的で幸せな日々を送れます
リザは若干、額が広いので、20歳頃までの若い時期に運気が開けるタイプです。

 

3 広い

額は広く円みを帯び、女性性が強い感覚タイプです。
ちなみに、当時の女性が目指す美の特徴の一つに「広い額」が挙げられます。
額が広く、前の方に張り出しているのは、女性に多い特徴です。

 

4 眉がない

モナリザには眉が見当たりません。これは当時、上流階級の婦人は眉を剃り、額を広く見せる習慣があったためと言われています。昔の日本にも女性には眉剃りの習慣があり、既婚者かどうかわかるようにしていました。
その後の調査で、実はモナリザにはうっすらと眉が描かれていた痕跡が見つかり、それを再現すると、細くて長い眉があることが分かりました。
その眉から見て、上品で気品のある人のようです。ただし、眉が細すぎるのは血縁関係に縁が薄いとも言えます。

 

5 茶色い瞳

人相学では、目の「瞳(どう)」と「睛(せい)」を合わせたものを「黒目」としています。リザの黒目の部分(特に「睛」の部分)は、やや黄色がかった茶色なので、人相学的にはやや攻撃的な所があり、剣難(刃物などで手傷を負う)に見舞われやすい相と見てとれます。
とはいえ、リザの目の雰囲気は涼やかな印象で、攻撃性は見受けられません。ですので、よほどのことがない限り、剣難などの災いが生じることはないでしょう。

6 左の目頭にある吹き出物

左の目頭に、吹き出物があります。人相の見方で、眉間を頭、鼻を胴体、眉を腕、法令線を足に見立てて健康状態を見る「顔面小人形法」があります。
それに当てはめると、左の吹き出物のある部分は「心臓」で、心臓になにかしらの障りがあると見ます。

現代では、目元の吹き出物は高脂血症の症状の一つとも言われ、原因の一つに妊娠による性ホルモンの異常によるものと言われます。
当初、リザが手でお腹をおおう仕草をしていることから、妊娠していたのでは、という説が流れましたが、近年の精密な調査により、そのような事実はなかったことがわかっています。
原因は現在でも分からないのですが、何かしらの原因で皮膚上にこぶができる「粉瘤(アテローム)」が挙げられます。

余談ですが、この吹き出物は、かつて絵がナポレオンの手に渡っていた時、絵を浴室に飾っていたために、湿気で色がはがれ落ちてできたという説があり、本来の絵にはなかったとされています。

 

7 涙堂(涙袋=ホルモンタンク)

盛り上がっているので、恋愛運、愛情運に恵まれる傾向にあります。

 

8 整った鼻

鼻は低く、小鼻は小振りですが整った形をしています。お金を浪費することなく、きちんと金銭管理ができるタイプです。

 

9 口角は上がっているのに目元の筋肉が動いていない

本来の笑顔は、口角が上がると同時に、頬や目元の筋肉も盛り上がるのですが、モナリザの微笑みはわずかに左の口角が上がるだけで、他の部分の筋肉の動きがありません。こういう口元だけの笑みは、愛想笑いです。
もっとも彼女は貴族階級の出身なので、ゲラゲラと笑うことはあまり好まれなかったのかもしれません。

この微笑みは、仏像の表情にも見られる特徴で、「アルカイックスマイル(古拙の微笑)」と呼ばれることがあります。

 
以上の結果から、モナリザことリザ・デル・ジョコンドの人相は、このような特徴が読み取れます。

1 思考と行動にギャップを抱えている
2 若い時期に運気が開ける
3 女性性が強い感覚タイプ
4 気品がある、血縁関係は薄い
5 時にやや攻撃的だが、普段は穏やか
6 心臓に何かしらの不調があるかも
7 愛情運に恵まれている
8 適度にお金が貯まる
9 モデルをしていた時の表情は、心からの笑顔ではなく、愛想笑い

もし、私がモナリザの人相を実際鑑定することになったら、ぱっと見の印象で、“顔立ちは整っていて、利発そうに見えるけど、なんか無理しているところあるし、爆発したら怖そうな顔をしている”と判断します。
そのあと、他の箇所も詳しく観ていきます。

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いかがでしたか?
世界の名画を人相でひも解くと、新たな解釈が生まれ、今までの印象が変わったのではないでしょうか。
とても面白いですよね。

 

いくら
人相研究・占術家。セツモードセミナー修了。顔学会会員。観相術(人相・手相など)四柱推命を主に扱う。喫茶店やファミレスなどで対面鑑定を行う傍ら、セミナー講師、Web・雑誌の記事の執筆・監修など、多岐に渡り活動している。

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