世界的なスピリチュアルリーダーであり、「奇跡のコース(A Couse In Miracles)」のティーチャーとしても活躍する、アラン・コーエンさん。
スピリチュアルなコーチングの実力で、長年、大勢の人の人生を導いています。
今回からエッセイを発信していただきましょう。
不可能と思える状況での成功への決断
2015年3月9日、パイロットのアンドレ・ボーシュバーグはアブダビ国際空港の滑走路から、航空機「ソーラーインパルス2」で試験飛行を開始しました。
彼の大胆な計画としては、石油燃料を一切使用せずに、太陽エネルギーだけで地球を一周するというものでした。
「インポシブルフライト」という感動的なドキュメンタリー番組の中で、ソーラーインパルス2のこれまでの挑戦と勝利に満ちた壮大な物語が伝えられ、見ていた私とパートナーは、まるでジェットコースターに乗っているような気持ちにさせられました。
発明家たちが計画した「時速45マイルで12区間の飛行」に、機体は不安定になり、悪天候や装備の動作不良によって飛行が妨害され続けるのです。
その軽量の機体での飛行で、最も厳しい瞬間は、日本からハワイまで太平洋を渡って飛行する時でした(悪天候の中、5日間の疲労困憊に満ちた飛行だったのです)。
操縦士は20分間の仮眠をとる以外には、飛行中ほぼ一定した姿勢で座っていなければなりません。
帰還限界点近くまで飛行した時点で、地上で控えているチームの気象の専門家とエンジニアは「この先の天気があまりにも危険である」と結論を出し、パイロットに引き返すように強く促しました。
しかし、パイロットは断りました。そして、こう主張したのです。「成功できるような気が強くするんです」と。
嵐の真っただ中で、針に糸を通していくような過酷な飛行を2日間続けた後、ボーシュバーグはホノルルに無事着陸しました。ソーラーインパルス2はその後、帰路を辿り、スタート地点へと戻りました。最初の出発から、実に504日後のことでした。