ナチュラルスピリットで11月上旬に発売された新刊『究極の呼吸法』。多くの方から注目されているこの本の注目ポイントや読みどころを、編集者の高山渦(うず)さんにご紹介いただきました。

時代を経ても読み継がれている色あせない名著

以前、実はこの本の著者である「ヨギ・ラマチャラカ」の本名、ウィリアム・W・アトキンソンが別のペンネームで書いた本の翻訳に関わったことがありました。
弁護士や実業家として活躍していた彼が、なぜ複数のペンネームで作家になったのか……興味が湧いて調べてみると、生前に100冊も本を書いているなど、この人物のユニークさに気づいたのです(詳しくは『究極の呼吸法』内にある「著者について」をご覧ください)。

19世紀後半から20世紀の前半に、こんな不思議な作家がいたのかとびっくり。彼が作家として活躍した時代、欧米には「ニューソート」という思想が生まれていました。これは、キリスト教内の新しい潮流ですね。
「人間の意識は宇宙とつながっている」と考え、あまり「罪」という意識は持たない。ポジティブシンキングや引き寄せの法則など、今の成功哲学や自己啓発の源流といっても過言ではありません。
アメリカではアトキンソンが、イギリスでは『As a man thinketh』(邦題:『「原因」と「結果」の法則』)を書いて一躍有名になったジェームズ・アレンがいました。

アメリカのオンライン書店、たとえばamazonのレビューを見てみても、『究極の呼吸法』(原題:『SCIENCE OF BREATH』)が今でも読み継がれている理由がわかります。医者もいれば、呼吸法を教えているプロフェッショナルな人たちも読後の感想を熱く書いています。
何度も読んだ、自分の知識が広がった、子どもにプレゼントした……などなど。時代を経ても読み継がれていることが、読者の感想からも容易に想像できます。

どんなジャンルでもそうだと思いますが、古典作品には時代性を内在した「懐かしさ」という観点から読めるものと、時代を経ても色あせないどころか、逆に「今」だからこそ学びが深くなるエッセンスを秘めたものがあります。
ラマチャラカ=アトキンソンが書き残した作品は、全世界で2000万部も読まれたロンダ・バーン著『ザ・シークレット』の土台となりましたし、その他の作品も(翻訳本も)、軒並みベストセラーとなっている点を見れば、今読むことでさらに学びが深くなる内容なのでしょう。

『究極の呼吸法』は、明治時代に活躍した思想家・中村天風や谷口雅春をはじめ愛読していたと言われています。そのような気持ちで本書も手に取っていただけると、新たな発見がたくさんあると思います。

意識の向け方次第で呼吸法効果が高まる

呼吸法がどれくらい効果があるかは、人によって違うと思います。しかし、「呼吸をすること」「食べること」「睡眠をとること」など、基本的な人間の営みは何百年、何千年と時代を経ても変わるものではありません。
たとえば、今回の編集作業をしながら、本文内で推進している「鼻呼吸」と「完全呼吸」を実践しました。私のような編集者は、職業柄デスクワークが多いので、ついつい前傾姿勢ぎみで呼吸が浅くなる傾向があります。

そこで「完全呼吸」で肺すべてを意識するように、そして無意識でやっていた口呼吸をあらためて「鼻呼吸」に変えてみたところ、鼻づまりが軽減されただけでなく、直観力も冴えたような気がしました。
個人差はあると思いますが、私にとっては役に立ったので、今も実践を続けています。

『究極の呼吸法』には、プラーナ呼吸のことが紹介されています。それもあり、この本に書いてあることを実践すれば、誰でもプラーナ呼吸と普通の呼吸との違いを体感できるかと言えば、それは難しい(笑)。
というのも、実践する人の「意識」が影響してくるでしょうね。プラーナそのものに対する理解というか、気持ちが今ひとつしっくりこない人が実践しても、効果がないとは言いませんが、深い部分で実感することができない可能性もあります。

これは呼吸に限らず、自分がどのような「意識」で向き合うかが、とても大切なのではないでしょうか? 特に現代のようなSNSなどで人の思いがあからさまに表現される時代においては、様々な「意識」がむき出しになっていますからね。

量子力学でも、目に見えない「意識」の世界の謎解きはかなり進みましたが、まだまだ受け止める私たち側が追いついていないことも少なくありません。そこが、これからの時代のポイントになるでしょう。
なので、本書を手に取ってくださった読者自身が、どんな「意識」でラマチャラカの呼吸法と向き合うのか。どうぞ、客観視してみてほしいと思います。

精神力や霊性も育む呼吸のパワー

本書の「一番の読みどころ」は、やっぱり100年以上も読み継がれている内容から表現される「呼吸」そのものの真実と、「呼吸」の実践法が味わえる点が、一番の魅力であり面白さだと思います。
「お婆ちゃんの知恵袋」じゃないですけれど「ああー、なるほど。こうすれば良かったんだ!」みたいな発見を本書からたくさん見出せます。
それに100年前にですよ、「なぜ文明人は呼吸が乱れているのか?」とか「呼吸とは、肉体だけのためではなく、精神力や霊性を育てるためにも必要だ」を力説する本が登場していること自体、ユニークな背景を感じさせます。

実際に書かれた内容を実践してみると「おっ!」と発見できることも大きい。先ほど、個人差はあると言いましたが、まずは書かれている呼吸法を実践してみていただきたいですね。それが「おっ!」になるか「う〜む」になるかは人それぞれ(笑)。
でも、私は編集という形で関わった人間として実践してみて、個人的には超オススメです。「こんな呼吸法の本を待っていたのよ〜」という感じです。実践するほどに、良さが深まります。

数年前よりヨガがブームにもなっていますが、本格的にヨガをやられている方々はもちろんのこと、自分の身体としっかり向き合いたい人、身体を整えたい人、自分に合った呼吸法を探していた人など、そのような人たちにこそ、ぜひ『究極の呼吸法』を読んで、できることを実践してみていただきたいと思います。
そして、もっとご自分の人生に自信を持ち、楽しみながら生きる人が増えてくれることを心から願っています。

この記事を書いた人/高山渦(たかやまうず)
スピリチュアルや自己啓発本を得意とする編集者。趣味は散歩と料理。水辺の近くで好きなものに囲まれながら静かに暮らしている。

『究極の呼吸法』
ヨギ・ラマチャラカ著/柏木栄里子訳/ナチュラルスピリット

 

 

 



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