未来の占い師は希少価値になる可能性が

田中 占い業界の未来について、どう思われますか?

伊泉 今、占い師がすごく増えているけれど、僕が死ぬ頃には、占い師が減るのかなって思います。
なぜなら、若い子は占いにあまり興味がなさそうだと思いませんか?

田中 それ、講師をされる多くの占い師の皆さんがおっしゃいます。「下の世代は、興味がないのか勉強しない」と。

伊泉 今の30代後半から50代までの人って、子どもの頃に豊富に占い雑誌があって、しょっちゅう目にする機会があったし、昔は雑誌とを読んでいること自体、占いを学んでいるようなものでした。
今の20代の人たちって、それがないから。小学校レベルで占いの刷り込みがないまま、育ってきたから、占いに関心がないし、学ぼうなんて考えもしないと思います。だから、占い師は減っていくんじゃないでしょうか。

田中 現在は、電話占い会社とかたくさんあって、鑑定士はたくさんいますが。

伊泉 たぶん、今は一時的に占い師が増えすぎているだけだと思います。でも、今後減って行くと、逆に希少価値が出てくるから、それはそれでいいんじゃないかな。昔の時代みたいに。
だから、占いはなくならずに細々と生き延びるでしょうね。「先のことが見えない」というのは、誰でも気になりますからね。

占いの神髄が伝わる質の高い本を世に出したい

田中 最近、『タロットの宇宙』(国書刊行会)という、ぶ厚い本の監修を手がけられましたよね?依頼されて書かれたんですか?

伊泉 そうなんです。編集者の方が、ホドロフスキー監督のファンでした。僕も20代のときに、彼の映画は見てましたし。800ページくらいあるので、2年くらいかかって完成しました。

『タロットの宇宙』
アレハンドロ・ホドロフスキー、マリアンヌ・コスタ著
伊泉龍一監修/黒岩卓翻訳/国書刊行会

田中 2年もかけて大変でしたね。同業者としてわかります。監修って、そうなっちゃうんですよね。ところで、次の本の予定は?

伊泉 今年は、『ホリスティックタロット』の翻訳本を出します。

田中 その本、知ってますよ。ぶ厚いですよね? 僕もちょっと興味があったので、「誰が訳してくれないかな?」って思っていたら、伊泉さんとは。

伊泉 原著が上下巻で800ページくらいあるので、翻訳するのに2年半かかりました。2人で手分けをしましたけど。

田中 2年半でよく完成しましたね。いや〜、すごいですね。翻訳って地味な作業で、大変ですよね。ずっと座り仕事ですしね。

伊泉 僕は一人でコツコツやるのが好きな性格だからいいけど、そうじゃないと、できないでしょうね。
ところで、田中さんが監修を手がけられた『クリスチャン・アストロロジー』(太玄社)は続きはどうなっているんですか?

田中 もう発売しました。全て完成しまして。

伊泉 すみません。存じ上げなくて。しかし、よくやり遂げましたね。これはもう快挙ですよ。出された出版社も素晴らしい。みんなが待ち望んでいましたから。

田中 ありがとうございます。反響が大きかったのが良かったです。
夕方6時くらいにツイッターをしたら、誰かが常にリツイートしてくれていて、その際のベルの音が、朝方までずっと鳴り止まなかったんです。ものすごいリツイートの数で、今まで経験したことのない出来事でした。

伊泉 それだけ待ち望まれていたなら、もっと古典の講座に生徒が集まればいいのにな。

田中 古典は参加者が集まりづらいんですよ(笑)。

伊泉 僕は、現代占星術も古典の占星術も講座をするんですけど、関西はだいぶ浸透してきたみたいで「古典の方がいい」という人が増えたんです。

田中 (笑)。でも、東京はまだまだですよね?

伊泉 東京はやはり、現代占星術の方が、参加者がドン!と来ます。「心理占星術」とか開催すると、たくさんの参加者がいらっしゃいますよね。
僕としては、「占星術は古典も面白いのになぁ」と思いますけど。

おまけのQA 教えて、伊泉さん

──自分でタロット占いをして、同じカードが何回も出たとしたら、その都度、絵柄に感じるインスピレーションで解釈すればいいんですか?

インスピレーションというよりも、“絵柄のイメージに、その人の状況を重ね合わせていく感覚”なんです。“その人の状況を絵柄のイメージに変えてしまうイメージ化”というか。
これ、講座になっちゃうね(笑)。

──ということは、その人の状況と絵柄のイメージをひも付けるんですね?

そうです。「あなたの状況は、この絵みたいになっているんじゃないですか?」という、“みたい”という感覚です。
例えば「愚者」のカードが出たとします。「愚者」の絵柄は自由を表しているように見えます。
相談者が、彼や仕事のことで悩んでいたとしても、「でもね、あなたの状況をカードで見ると、この絵みたいなものなんだよ。そう言ってるけど、本当は自由にできるんじゃないの?」というふうに、カードの絵から、自分の現実を改めて見つめ直してもらいます
すると、「そうかぁ。私、とらわれていたのかなぁ。もう少し、自由にしていいのかなぁ」みたいになっていきます。

絵のイメージに質問者の状況を重ね合わせていく感覚になると、あまり疲れなくなります
と言うのも、タロット占いをやっていて「疲れる」と言う人が多いんです。そういう人は、キーワードの意味を考えすぎています。
そうではなく、逆に、“絵柄のイメージを元に、相手の状況を遠くから眺め見る感覚”です。誰かを占ってあげる時は、自分の視野が広がっていく感覚になるといいんですよ。

──そういう感覚で取り組めば、カード占いが断然、楽しくなりそうですね。やはり、「カードの意味を覚えなきゃいけない」と思っている人が多いでしょうから。

覚えなくても、大丈夫なんです。

 

伊泉龍一
いずみりゅういち/占い・精神世界研究家。 タロット・カード、ヌメロロジー(数秘術)、占星術、手相術、ルーンなどをはじめとして欧米の多数の占いを紹介している。朝日カルチャーセンター、NHK文化センターなどで講師としても活躍中。
著書は『タロット大全 歴史から図像まで』(紀伊國屋書店)、『数秘術の世界』(共著、駒草出版)、『西洋手相術の世界』(共著、同)、『完全マスタータロット占術大全』(説話社)。訳書に、レイチェル・ポラック著『タロットの書―叡智の78の段階』(株式会社フォーチュナ)、 ジョアン・バニング著『ラーニング・ザ・タロット』(駒草出版)、ジリアン・ケンプ著『ラブ・マジック・ブック』、『フォーチュン・テリング・ブック』(同)がある。
http://www.unmeinosekai.com/contents/profile.html

『ラーニング・ルノルマン』
マーカス・カッツ、 タリ・グッドウィン著
伊泉龍一訳/フォーテュナ

田中要一郎
たなかよういちろう/占術研究家。芸人。1974年和歌山県生まれ。早稲田大学卒。高校時代より占いに興味を持ち、研究を始める。西洋伝統占星術、インド占星術、七政四余など古典をベースとした東西の占星術を比較研究する。五術研究家の阿藤大昇の門下で「三式、三典」を伝授され、香港の世界五大風水師の筆頭であるレイモンド・ローからは風水を伝授される。レイモンド・ロー公認風水師。占術は日本のみならず中国、インド、欧米の諸師にも学ぶ。主な占術は、「西洋伝統占星術」「子平」「インド占星術」「風水」「易」「タロット」「人相・手相」「姓名判断」など多岐にわたる。
翻訳書籍は『子平推命基礎大全』(梁湘潤著、太玄社)、『クリスチャン・アストロロジー第1&第2書』『クリスチャン・アストロロジー第3書』(いずれもウィリアム・リリー著、太玄社)。

田中要一郎の占術世界
http://uranaigeinin.com/

ブログ
https://ameblo.jp/uranaigeinin/
http://gree.jp/tanaka_yoichiro/blog

『クリスチャン・アストロロジー第1&第2書』
ウィリアム・リリー著/田中要一郎訳/太玄社

 

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