恐れを克服し、内なる幸せを見つける本『願いはすべてホーリースピリットが叶えてくれる』

カラフルでポップ感あふれる見た目とは違い、実は、心の闇を解放するためのディープなレクチャー満載の本『願いはすべてホーリースピリットが叶えてくれる』(フォレスト出版)。
「こういう本なら簡単にスイスイ読めそう」「スピリチュアルの初心者向けなのかな?」と思った方は、大きく予想を裏切られること間違いなしです。

自らの体験で実証した幸せになる方法

著者のマリア・フェリーペさんは、かの有名な教え『ア・コース・イン・ミラクル』の教師。本書の中で自身のことを引き合いに出し、心の傷や無意識の恐れを解放し、自分の中に宿る神聖なスピリットに導かれながら前進していく方法を詳しく教えています。

各章ごとに、日常で役立つ考え方や困った局面への対処法など、合計13のレッスンが添えられているのもポイント。身につけたら、世界を見る目が変わりそうな、かなりの手応えが感じられそうな内容です。

キューバ系アメリカ人の著者は、テレビ番組の司会やプロレスのライブ放送をしたり、モデルや女優さんとしても活躍していました。今は牧師の肩書きも持ち、あちこちで講話やセミナーをしているようです。
こんなにも才能に恵まれた彼女ですが、その実、いつも自信がなく不安で、鬱になるほどネガティブだったそう。また、パートナーとの間にもいろいろなトラブルが起こったらしく、自分自身を深く内観していくうちに、数々の気づきを得たのです。

例えば、世界の不幸の一つは人々の持つ“罪悪感”だと言います。
「嘘をついた」「ズルをした」「もう自分は他の人とは違う」等々、過去の行いに対する罪悪感。それを、自分の中だけに抱えるのはつらいので、つい外にぶつけてしまう・・・。
要するに、無意識に社会や人のせいにして、怒りや鬱屈を外に吐き出してしまうということですね。

読み進めながら、この本で書かれていることの深さゆえの“日本との意識文化の違い”も感じました。そこで思い出したのは、昔、この国の文化人たちがしきりに口にしていた「罪の文化と恥の文化」のことです。
平たく言えば、西洋は「罪」に重きをおく文化で、日本は「恥」に重きをおく文化だということ。

その意味で、本書が説く“罪悪感が深層意識にある”というのはとても西欧的だなあと思い、「日本人だったらどうなるかな?」と考えてみました。
やはり同じ過去の過ちを後悔するにしても、その後ろめたさや悔恨の基準を、社会や家族など、周りの人間との比較に求めるのだろうなあと思うのです。
それでも、西欧の意識文化と変わらない共通点は“自分に対する自信のなさ”ではないでしょうか。学歴・職位・外見等の社会評価からくる自信ではなく、自分の中を自然に満たしている自信です。

自らに宿るスピリットが揺るぎのない自信を与えてくれる

この本は、「壁にぶつかった時、悩んだ時、外に問いかけるのではなく、自分の中のホーリースピリットに問いかけましょう。ホーリースピリットは答えてくれます」ということを、優しく具体的に説明しています。

エゴはどんな感情で、自分を支配しているのか?
それをエゴと気づいたら、どう立ち回ればいいのか?
ホーリースピリットは、どう答えてくれるのか?

といった本質的なことが一つ一つ、とても深い視点でサラッと書かれているのです。
例えば、“エゴ”と呼ぶものは、実は「自分は特別なんだという観念」のことだそう。
それを長々と説明するでもなく、一般的な言説を並べたてるでもなく、著者ならではの言葉で端的に表現しています。
それがまた、かゆいところに手が届くかのように言い得て心地よいのです。

人は、自分に自信がないことの裏返しとして「自分は特別なんだ」と思いたかったり、大小さまざまなコンプレックス(無意識的なものがわりと多い)の裏返しに「自分は人とは違う」と思ってみたり、逆に、自分の存在が他の存在に埋もれてしまうことに不安を感じたりするものです。
いずれもその形はさまざまですが、「特別」と表現することの妙味に、思わず「的を得たり」と苦笑してしまいました。

奇しくもあとがきで、訳者がこう書いています。
「マリアがこの本でわたしたちに教えてくれているのは、どうやって自分と自分の人生に揺るぎのない自信をもつようになったかということです。
わたしたちはみな、マリアが経験してきたような自信を持ちたいのですよね。何があっても自分は大丈夫という自信。何をしてもしなくても、自分は限りない愛に守れられているという自信。
・・・そのような確信がみなぎっている時、わたしたちはハッピーと感じるのでしょう」。

「罪の文化」「恥の文化」という洋の東西問わず、これからは自己の中に安寧を見つける時代で、人の幸せの着地点はみな同じなのだと思えた本でした。

(この記事を書いた人/東村山キヨ)

 

『願いはすべてホーリースピリットが叶えてくれる』
マリア・フェリーぺ著/香咲弥須子訳/伊藤由紀子訳
フォレスト出版

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。