17世紀のイギリスの大占星術師による名著『クリスチャン・アストロロジー』(ウィリアム・リリー著、太玄社)の翻訳を手がけ、ご自身も占い師と風水師としての顔を持つ田中要一郎さん(写真右)。
そんな田中さんが、占い界の重鎮クラスのゲストを招いてスペシャルトークするのが、この企画。
8回目のゲストは、国際占星術研究協会(ISAR)のグローバルディレクターであり、心理占星術や翻訳で活躍する石塚隆一さん。一般的な西洋占星術とは一線を画す、心理占星術の醍醐味とは? 田中さんが興味津々に掘り下げていきます。
2人の占術の専門家による、ディープな世界をお届けしましょう。

日本人がほとんど参加しない「UAC」に参加

田中 石塚さんとは、2018年に米国シカゴで大々的に開催された「UAC」(*)でお会いしましたね。ご夫妻で来られていて。
*United Astrology Conference:占星術連合会議

石塚 そうでしたね。妻のチャンドラ・ケイと一緒に参加しました。

田中 僕は初めての参加で、渡米自体も初めてだったんですが、UACには日本人がほとんど来ていないので驚きました。
石塚さんがいてくれて、ほんと心強かったです。でも会場が広くて、2000名規模の人が集まっていたので、ほとんど会わなかったですが(笑)。数回すれ違っただけでしたよね。

石塚 私は2012年にも参加しましたが、残念ながら、日本人と出会ったのはわずか数人だけでした。

田中 あのイベントは、マリオットホテルのような大きなホテルを借り切って、占星術やインド占星術の研究発表や講義が5日にわたり、1時間15分の講座が1日に4限あって、同時に15講座も開催されます。すごく面白いですけど、内容はもちろんすべて英語です。
石塚さんは翻訳もされているから、言葉の面では問題ないですよね?

石塚 かつて、アメリカにいる「心理占星術」の師であるノエル・ティルさんのところに通ったことで、ずいぶんと鍛えられました。

田中 そうでしたか。英語と言えば、「ISAR」(国際占星術研究協会)のグローバルディレクターにも就任されたそうで、おめでとうございます!

石塚 ありがとうございます。ISARとはご縁がありまして。

田中 グローバルディレクターって、何をされるんですか?

石塚 要するに、ISARのことを日本で広めるための宣伝担当です。まずは、フェイスブックのページ作りとか、ISARのホームページを日本語対応にする、といったことから始めたいと思っています。

田中 そうですか。ところでISARの本部はどこの国にあるんですか?

石塚 現在の会長さんはセルビア人ですが、本部がどこなのか、不確かなんです(笑)。

田中 占星術人口は、世界中に拡がっていますけど、最近はアジアでも占星術の人気が高まっていますよね。

石塚 特に勢いがあるのは中国です。積極的に占星術の学校を作ったりしています。

田中 中国は経済的にも余裕があるからなのか、UACにも積極的に参加していましたよね。

松村潔さんの占星術本を皮切りに専門本の情報収集へ

田中 ところで、占星術の勉強を始めたのはいつ頃からですか?

石塚 30歳間近だったので、1992年か93年あたりです。

田中 何がきっかけですか?

石塚 最初は科学雑誌の『ニュートン』とかを読んでいました。カオスやシンクロニシティなどにも興味がありましたが、そこからなぜか占星術の方に向かって行ったんです。「宇宙の真理」みたいなものに興味があったんでしょうね。

田中 その頃のお仕事は?

石塚 当時は、アマチュアバンドの練習スタジオの運営の仕事をしていて、録音したいというバンドのレコーディングエンジニアもやっていました。アマチュア時代のラルク・アン・シェルの録音をしたこともあります。

田中 その仕事と並行して占星術を学ばれたんですね。最初はどんなジャンルから入ったんですか?

石塚 最初に読んだ本は松村潔先生の『ハーモニクス占星術』(学研)でした。

田中 えー、最初から『ハーモニクス占星術』を?

石塚 はい、音楽をやっていたので。ハーモニクス(倍音)という、音楽用語でもある言葉に惹かれたんです。「これは音楽の世界に近い占星術なのかもしれない」と。結局、音楽とは全然関係なかったですけど(笑)。

田中 松村先生の本を読んでみて、どうでしたか?

石塚 なかなか面白くて。物事がどうやって動いているかに興味があったので。

田中 でも、最初にハーモニックスというのは、かなり尖った部分から入られましたね。

石塚 確かにそうですね。天体同士のアスペクトを学んでいくうえで、『ハーモニクス占星術』に書かれたイメージがわかりやすくて、すごく参考になったんです。松村潔さんには、のちに師事することにもなりましたけど。

田中 そういうご縁があったんですね。ハーモニクスの本を読んでから、一般的なベーシックな占星術の本も読まれるようになったわけですね?

石塚 一通り読んでいきました。中でも、石川源晃(げんこう)先生の本に影響を受けました。その本のデータをコンピュータに取り込んで、それを使って身内や音楽スタジオに来るお客さんを鑑定の練習に使って、実践的に占星術を学んでいったんです。

田中 へぇー、そんな早くからパソコンを駆使していたなんて、理系なんですね。

石塚 いえいえ、それほどでも。そのうち、英語の本の方がたくさんの占星術情報があることに気づいてからは、日本語ではなく英語文献を探して、勉強し始めたんです。
その頃だと、「魔女の家BOOKS」の後ろの方に原書の宣伝が載っていたじゃないですか。それを見て「これを読んでいけばいいじゃないか」と思ったんです。

田中 そこから広げていったんですね。

石塚 私は英語の専門学校を出ていて、音楽用機材のマニュアルの翻訳なども手掛けていたので、英語を読むのはなんとかなりました。

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