アニマルケアカウンセラーの高野縁(たかのゆかり)です。
今回は、最近セッションを受けてくださったウサギと、その飼い主・Mさんのお話しです。
アニマルコミュニケーションは、主に家庭動物がクライアントです。それは、いわゆるペットと呼ばれる動物たち。犬、猫、ウサギ、ハムスター、フェレット、鳥、少数ですが馬のクライアントもいます。
私のクライアントは、犬の次にウサギが多いのですが、私自身はウサギを飼育したことがないため、彼らの生態はセッションを通じて知ることがほとんどです。
哲学的な発言や生活のアドバイスをするウサギ
先日、リピーターであるウサギの飼い主・Mさんから、「以前飼っていたウサギのセッションをお願いしたい」という連絡が入りました。
ちょうど良いタイミングで時間が取れたので、その一週間後にセッションを予定しましたが、その前日に「実は明日話してもらいたいのは、数年前にほんの数ヵ月だけ一緒に暮らし、その後、手放した子なのです」というメールをいただいたのです。
アニマルコミュニケーションの依頼は、オーナーからいただくのが大原則です。〝オーナー替わり〟をしているのであれば、今回のセッションをするのは難しくなります。その旨をお伝えすると、「せっかくの機会なので、今いるウサギと先代の子の話を聞きたい」ということで、セッションをすることになりました。
「ずっと気にはなっていたけれど、突然〝一緒に最後までいられなくてごめんね〟と言う気持ちが、強く大きく湧き上がってきた理由も自分なりに知りたい」とのことでした。
セッション当日。私は、今年3月に亡くなった先代ウサギの「うにちゃん」にあいさつして、うにちゃんも会ったことがないという、さらに先代のウサギさんのことを聞いてみることに。
すると、待ち構えていたように 「まただよー! 何でもかんでも聞けば良いと思ってんでしょー!」 と、最初から痛烈な言葉が飛び出しました。
実は、うにちゃんは哲学的な発言や生活のアドバイスをする〝辛口ウサギ〟なのです。
そうは言っても、Mさんが聞きたいということを、ひとまず聞いてみます。
まず、その子は「もう生きてはいない」とのこと。「身体が弱かったかも」ということを教えてくれました。
そして、その子はMさんの意識をシフトチェンジさせるために、「最初から数ヵ月だけ、一緒に暮らすことになっていたのよ」と言うのです。
「すぐ、かわいそうとか、ごめんなさいとか人間は言うけど、私たちにも都合とか予定っていうものがあるの」。
うにが教えてくれた過去生の悲しい出来事
うにちゃんは、彼女がまだ存命中の5年前に、初めてのセッションを受けてくれています。その時も、彼女は名言をいくつも残しています。
ウサギの生活にほとんど知識や情報がない私は、アニマルコミュニケーションで彼女から受け取ったことを、感じたまま、見えたまま、伝わったままをお伝えしていきました。
「どんな食べ物が好き?」との質問に、「シソやセロリといった緑色の濃いもの、みずみずしいものが好き」と言い、「食べることは生きることよ」と語っていました。
食材のことや食欲の旺盛さをお伝えすると、それがまさにうにちゃんにぴったりだったそうで、初めてのアニマルコミュニケーションに少しいぶかしがっていたMさんも、「驚きました!」と後日話してくださいました。
最後に、「足が悪いかもしれないので気をつけてください」とお伝えすると、確かに当時、ウサギ特有のソアホックという症状に、Mさんは悩んでいたそうです。
このエピソードが、Mさんにとって「本当にすべてがうにちゃんからの言葉なんだ」と確信に変わった瞬間だったと言います。それまでの約1時間のセッション中、「これ、ほんと…?」と心の片隅で疑っていたとのこと。
この初めてのセッションで、うにちゃんは自分とMさんの前世についても教えてくれました。
その時代、宗教の指導者的役割もしていたMさんは、軍隊を率いて戦場に赴きます。その時、Mさんを乗せて、戦場で共に戦っていた馬がうにちゃんでした。
その時代、馬は「道具」であったけれど、彼(Mさん)は馬をとても大切に思い、愛していました。ところが戦いの最中、弓矢で射られて落馬し、戦死したのです。
馬だったうにちゃんは「自分がうまく走れていたら、死なせずにすんだ……」と激しく後悔したそうです。
「再び、お互いのために生きたい。今度は平和な世界で……」と、いう気持ちがあり、今世で出会ったということでした。
飼い主のガイド役としてハッキリ道を指し示す
この話をお伝えした後、何と、Mさんは今世でも馬術を始めました。馬を愛し、今も競技会などに積極的に参加しているのです。
馬に乗るようになったこと、馬術が生活の中でとても大切なものになっていることは、かなり後にお聞きました。
うにちゃんが亡くなった後のセッションでは、「馬の身体を借りて一緒に走ったり、競技会や練習場に付き添い、Mさんを見守ったりしてる」と話していました。
本当に深い魂の結びつきを感じます。
そして今回、その馬術についてのアドバイスが飛び出しました。
「所属しているクラブを今が辞めどき。これ以上いると身体がしんどくなる。離れた方が良い」「今のままいると、怪我をすることになる」と言うのです。
そのままお伝えすると、「確かに今のままでは怪我をすることになるかも。そのクラブは馬の管理面でも問題があるように思う」とのことでした。
「うにちゃんが『馬も怪我をしているはず』と言ってますけど?」とお伝えすると、確かにそういう事件が最近あったそうです。
より高いレベルを目指すには限界があるという点などから、 「他のクラブに移動しようか?」と悩んでいたそうで、うにちゃんの発言で、Mさんは決断することになったのです。
唯一、思いとどまらせていたのは、かわいがっている馬と離れるのが辛いこと。
それに対し、「大きな決断をする時は、何かを手離す時」 「両方持つことはできない」 と、今伝えるために、分かってもらうために、かつて数ヵ月過ごしたウサギとうにちゃんが、このタイミングでメッセージを送ってきたのです。
「だから! 大切なものを手放さないと先に進めないのよ!!」。
正直、アニマルコミュニケーターとしては、動物の言いなりになることは、諸手を挙げて賛成とは言えません。
生活スタイルやどう生きていくかを決めるのは、飼い主の役目だと思うからです。そうでないと、動物たちは色々なことを自分が決めなくてはと考えてしまいますし、不要な責任感や苦労を背負うことになります。
飼い主が絶対的に安心して頼れるリーダーであるほうが、動物たちは安心して穏やかに生きていくことができるのです。それがあってこそ、お互いが意見を交換したり、相手に要望を伝えたり、それはできる・できないといった会話が成立すると思うのです。
でも、うにちゃんのような役割の動物は、少数ですが存在します。
このように〝飼い主のガイド役を担ってくれる動物〟と暮らしている方は、アニマルコミュニケーションとは無関係に暮らしていても、動物からのメッセージを自然に受け取っているケースが多いようです。
もちろん、気づかない場合もあるでしょうが、テレパシーに敏感な方は、ご自分の受け取っている内容を確認したくてセッションにお越しになります。
一般的には、それは「直感」と言われるような感覚です。
直感を信じてアニマルコミュニケーションを受け、それから人生が変わった方を何名も知っています。
だから、もし何かのきっかけで「自分のペットの声を聞いてみたい」と思ったら、ぜひその直感に従ってください。そういう時は、彼らの方からあなたに伝えたいことが、きっとあるはずですから。