みなさん、こんにちは。
『バタ足ノンデュアリティ』『ノンデュアリティって、心のお話じゃないんですよ』(ナチュラルスピリット)をはじめ、ノンデュアリティについて語っています、金森将です。
今回から全6回にわたり、お話をしたいと思います。
私を「何者?」と思っている方もいらっしゃるでしょうから、「ノンデュアリティかなもり幼稚園」を覗いていただければと思います。
「どんな幼稚園?」「園長の金森です」「ご入園にあたって」の三つをお読みいただければ、大枠はつかんでいただけることでしょう。
問題を解決したり解消しようとする勘違い
ということで、始めさせていただきます。
まず、何より最初に皆さんにお伝えしたいことは、本に書いたり、ブログなどでお話ししていることや、これからこの連載でもお話しすることはすべて、「根源」に戻ることを手助けするためのものだということです。
根源に戻る──。
静寂に戻る、全体に戻る。言い方はなんでもかまいません。
最終的にはこの一点に尽きます。
このことを頭の隅に入れて読み進めていただければと思います。
さて、そもそもあなたは、ノンデュアリティというものに興味はあるでしょうか?
もし、興味があるのなら、なぜでしょう?
探求を終わらせたい。
過去の後悔が消えない。
将来への不安に悩まされている。
人間関係で悩んでいる。
生きていくのがつらい。
悟りに興味がある。
真理に出会いたい。
スピリチュアルや願望実現に違和感を持ち始めた。
など、さまざまでしょう。
状況の度合いや深刻度、問題の大きさ、人生における影響力などによって、関心の高さもまちまちでしょう。
中身はどうあれ、しぶとい苦しみから解放されたい、その苦しみを少しでも減らしたい、楽になりたいというのが一番の関心事かと思います。
そのためにたくさんの本を読んだり、セミナーやセッションなどに参加されている方も多いかと思います。
その中で、多くの皆さんが勘違いしていらっしゃる点があります。
それは、問題らしきものをひとつひとつ取りあげて、ノンデュアリティの「考え」(?)で処理しようとしてしまうことなんです。
「問題を解決する」とか「問題を消す」という方向に行くわけです。
大事なのは捉え方ではなく、事実に気づくこと
このように「考えて」いると、どうしても「こういう場合はどうなのか」「どう考えたらいいのか」「どう捉えたらいいのか」ということに、ずーっとつきまとわれることになります。
そして、そのつど、そのつど、そのことと戦っていくことになります。
これは、言ってみれば「思考」の中に埋没していくことなんです。この「思考の中に入っていく」というのは、「根源」から遠ざかること以外の何物でもありません。
自分が本当に求めているはずのことと、“真反対”のことをやってしまうことになるわけです。
大事なのは、「どう考えるか」「どう捉えるか」ではありません。問題を「考え」で取りあげて、どうこうするものではないんです。
そうではなくて、「問題というのは最初からないんだよ」ということに気づくことなんです。
ですから、極端な話をすれば、目の前で起きている「問題らしきもの」の中身は関係ありません。それがどれほど重要に見えることであろうと、関係ないということになります。
このあたりが、多くの皆さんがぶつかる大きな壁になります。
「事実」が見えてきて、小さな問題はやり過ごすことができるようになってきても、大きな問題に直面したときに、「問題がないとは思えない」ということが起きてくるわけです。
そこでまた、「問題を解決しよう」「問題を消そう」という方向に走り出してしまうわけですね。
あなたも、そんな繰り返しをなさっているのではないでしょうか?
そんなくり返しから抜け出したいと思っているのではないでしょうか?
「最初から問題なんてないよ」という視点が芽生えれば、人はあらゆる“起きている問題らしきもの”から解放されます。当然ですよね。
ただし、これは「最初からないんだ」と思い込んだり、信じようとすることではありません。現れた物事を無視するとか、見ないようにするとか、いい意味に捉えるということでもありません。
そうではなくて、「事実」はそうなっているということに気づくだけのことなんです。
それには、「事実」に触れるしか方法はありません。それは、「考え」や「知識」の中にあるのではないんです。
事実を実際に味わうのがノンデュアリティな生き方
ノンデュアリティを「頭」で知ろうとする人は、集めた「知識」をあれこれいじくりまわします。
これは言ってみれば、家の中にいたまま「食べログ」で、たとえば、お蕎麦屋さんのクチコミやらメニューやらを調べているのと同じだと思ってください。
どれだけたくさんの「情報」を集めても、「情報」は「情報」にすぎません。実際にお店に行って食べてみなくちゃ、何もわからないんです。
それは難しいことなんかではありませんよね。
店の所在地を調べたら、お財布を持って行ってみればいいんです。『バタ足ノンデュアリティ』の中身は、基本、そんなお話です。
実際に自分で味わってみること──。
これが、「事実」とつき合うということなんです。
最初はどうしても練習のようになってしまいますけど、「小さい事実」を発見する楽しみを知っていけば、それが苦痛になることはないはずです。
やがて「中くらいの事実」、そして、「大きい事実」へとつながっていくわけです。
ノンデュアリティでは、よく「学びさえも自我のしわざ」というようなことが言われます。自我がどうしたこうした、だとかね。
ゆえに、“何もしないことが正解”みたいなことを聞くことがあります。
でも、それは違います。
「事実」と仲良くなっていくことで、自然と学びから離れていくんです。自然と「求める」ことがなくなっていくんです。
大事なのは、学び方です。「知識」ではない学びです。
私は“お遊び”と言っています。
そもそも、自我などというものはどこにもありません。これ、大事なことですので、この連載の中で、またお話しさせていただきますね。
金森将
かなもりしょう/東京都練馬区出身。30歳を過ぎて願望実現にはまり、40歳を過ぎてケーキ店を持つ。50歳を過ぎて生き方に行き詰まり、あらゆる願望を投げ捨てたある日起きた突然の空白。その後、波のように押し寄せる“気づき”の中身を書きはじめたブログが人気となる。その8ヵ月後の2020年1月、『バタ足ノンデュアリティ』(ナチュラルスピリット)が発売されると、「わかりやすい」「今までにない」と多くの声を集める。ケーキ店の仕事をしつつ、セッションや講演をスタートさせるなど、ノンデュアリティライター、スピーカーとしての活動の幅を広げている。世田谷在住。愛妻家。元サーファー。
https://kanasho.amebaownd.com/
『ノンデュアリティって、心のお話じゃないんですよ!』
金森将著/ナチュラルスピリット
『バタ足ノンデュアリティ』
金森将著/ナチュラルスピリット