みなさん、こんにちは。
『バタ足ノンデュアリティ』『ノンデュアリティって、心のお話じゃないんですよ』(ナチュラルスピリット)をはじめ、ノンデュアリティについて語っています、金森将です。
今回は、ノンデュアリティに触れた多くの人がぶつかる、大きな壁のお話をしましょう。

ノンデュアリティに対する皆さんからの疑問

このようなご質問をいただくことがあります。

 

●この世は、実は何も起きていなくて、あちこちで戦争が起きていようと、悲惨な事件が起きても、誰かが自殺をしても、「思考」の中でのことであり、瞬間瞬間に「全体」から現れただけの実体のないもので、その全体の現れに対して、私たちは圧倒的に無力なんですよね?

●すべてが自動で起こっていて、誰かが何かをする、ということではないんですよね?

●人に親切にするとか、思いやりを持つということでさえ、そこに何らかの意思は存在しないんですよね?

●殺される人とか殺す人とかいう、分離した個人もないわけですよね? そういうことなんですよね?

 

また、このようにおっしゃる方もいらっしゃいます。

 

●自分がないって言っても、やっぱり自分が幸せになりたいし、人に優しくもありたいし、戦争とかがなくなって、世界が平和になればいいと思うし、苦しんでいる人に何かできることがあるのならしてあげたいし、そういう生き方がしたい。
ノンデュアリティの考え方は、私には「自分だけが良ければいい」みたいに感じてしまいます。

 

というようなものです。
本やブログなどで読んだり、何かで聞いたノンデュアリティのメッセージが、自分の「考え」では到底受け入れない内容であるにもかかわらず、それが真実であると言われて、理解できずに困惑し、また、苦しんでいたりするわけです。

どう捉えたらいいのか? どう解釈したらいいのか? どうしたらそれがわかるのか?
という「考え」の中で、「理解したい、納得したい、でも、できない」、そんな状態になっています。

自分を納得させてくれるような理屈探しの罠

声には出さなくても、同じように思われている方は多くいらっしゃると思います。
この疑問は、気づきのようなものが少し現れてきた方にとっても大きな壁になりますし、ここでひっかかって、ノンデュアリティから離れていく方も多くいらっしゃると思います。

また、皆さんがよく口にする言葉に、「どの本にもブログなどにも、答えが書いていないので教えてほしい」というものもあります。
私はいつもこうお答えしています。
「本質を語っている本には、どの本にもちゃんと書いてありますよ」と。

私はそれほどたくさんの本は読んでいませんが、それでも、私が読んだ本には、どの本にも書いてありました。
“しかも、明確に!”です。

先にも言いましたが、多くの皆さんが、この解けない疑問を「どのように捉えたらいいのか?」「どう考えたらいいのか?」と問います。
自分を納得させてくれるような“理屈”を探しているんです。
ですが、残念ながら、そのような理屈はありません。

理由は簡単です。
「事実は、これこれこのようになっています」ということを言葉でどれだけ聞いても、多くの人の反応は、ほぼ決まっています。
「そんなことは到底受け入れられません」
「悪もないなんて!」
「そんなことを言ったって、自分の身に降りかかってきたら」
「家族にそんなこと起きたら」
というものです。

仮に、どれだけ素晴らしい理屈に出会ったとしても、「そうか! そういうことだったんですね!」「なーるほど、その理屈なら私も納得できます、ありがとうございました!」などということには絶対にならないんです。

「理屈ではそうかもしれないけど、現実には目の前で問題が起きているわけで・・・」という反応にしかならないんです。
となると、どこまで行っても平行線のままだと思いませんか?

思考で解決することから離れ、五感に目を向ける

これを、いきなりドッカーンとひっくり返す、誰もが心から納得するような説得力のある素晴らしい理屈が世界のどこかにあると思われますか?
もし、あるのなら、とっくの昔に世界中に広まっているでしょう。でも、そうはなっていませんね。

そんな魔法のような「理屈」はないんです。
どれだけ探してもありません。
これが「理屈」の限界です。

では、答えはどこにあるのか?
それはひとつです。
「全体/静寂/根源」に戻った時に、すべてがわかる、それしかないんです。

「戻る」ということ。
これが、この質問に対する唯一の答えです。そういう意味で、「どの本にも書いてありますよ」と申し上げたわけです。

これは「事実」から目をそらすことではありません。
逆です。
これ以上ないほどに「確かな事実」に触れていくことで、答えが見えてくるんです。なぜなら、「全体/静寂/根源」こそが、事実の中の事実だからです。

それは、あなたの中にあるんです。五感の活動がそれを教えてくれるんです。
そこに向き合うこと、それが「戻る」ということなんです。
どれだけ「頭で考えて」も、絶対に答えは見つかりません。

ですから、「考え」で解決しようとすることから離れてください。
「善悪はない」ということに、「頭」が納得できるはずがないんです。どこまで行っても「でも・・・」が消えることはありません。

多くの方がとらわれているこの疑問から解放されるために必要なことは、自分が生きている生(なま)の様子に触れることだけです。それがすべてを教えてくれます。そこに任せるだけでいいんです。

やがて、自分が生きている様子の中に、ちらっ、ちらっと、静けさのようなものを感じるはずです。ずっと感じていることはできなくても、「あれ? 今の何?」というふうに姿を現すでしょう。
この感覚が開かれてくると、より敏感に感じられるようになります。あせらず、ゆっくり、自分の生の様子に触れていってください。

すると、ある時、あなたは、この疑問そのものが「本質」の話ではなかったことを知ります。
「自分だけがよければいいのか」と考えていたことが、「自分は違う場所を見ていたのだ」と知るんです。

もう一度、言います。
どれだけ「頭で考えて」も、絶対に答えは見つかりません。

全てが満ち足りていて全てが自分なら・・・

ノンデュアリティの気づきは、人や社会に無責任になることでも、無関心になることでもありません。ただただ「本質」のお話をしています。

おそらく、いろいろなお勉強をしてきたであろうあなたが、多少なりともノンデュアリティに関心を持ったということは、「本質」に触れる準備ができている証なのかもしれないんです。
せっかくの出会いです。こんな(と言っては語弊があるかもしれませんが)「本質ではないところ」でつまずいて離れてしまっては、ちょっともったいない気がします。

こんなご質問をお受けすることもあります。

 

●ノンデュアリティに目覚める人が増えたら、世の中はもっと平和になりますか?

 

ひとつ言える確かなことは、「事実」がはっきり見えた時、「根源」では、全てがもうすでに満ち足りていることを知ります。それ以上、求めるものがないことを知ります。
それを知った人が、他人から何かを奪おうとするでしょうか?
そのような思考や行動が現れるでしょうか?

もうひとつ。
根源では、「全てが自分」。
このことを本当の意味で知った人が、他人を攻撃したり、傷つけたりしようとするでしょうか?
そのような思考や行動が現れるでしょうか?

これが答えです。

それでは、また。

 

金森将
かなもりしょう/東京都練馬区出身。30歳を過ぎて願望実現にはまり、40歳を過ぎてケーキ店を持つ。50歳を過ぎて生き方に行き詰まり、あらゆる願望を投げ捨てたある日起きた突然の空白。その後、波のように押し寄せる“気づき”の中身を書きはじめたブログが人気となる。その8ヵ月後の2020年1月、『バタ足ノンデュアリティ』(ナチュラルスピリット)が発売されると、「わかりやすい」「今までにない」と多くの声を集める。ケーキ店の仕事をしつつ、セッションや講演をスタートさせるなど、ノンデュアリティライター、スピーカーとしての活動の幅を広げている。世田谷在住。愛妻家。元サーファー。
https://kanasho.amebaownd.com/

『ノンデュアリティって、心のお話じゃないんですよ!』
金森将著/ナチュラルスピリット

 

『バタ足ノンデュアリティ』
金森将著/ナチュラルスピリット

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