こんにちは。占星術家のいけだ笑みです。
昨今の空模様から連想される徒然について、今回も発信します。

約218年ごとに繰り返されるエレメントシフト

さすがに今月は、「あのこと」について書かねばなるまい。
説明が長くなるうえにスケールのデカい話題なので、目先の編み物と晩御飯のおかずに一喜一憂する蟹座の私としてはあまり触れたくはなかったのだが、今月それについて書かなければ「占星術師として毎月コラムをお願いします」と言われて引き受けた意味が無くなってはいけないので、書きますね。

はい、グレートコンジャンクションのエレメントシフトについてです。

グレートコンジャンクションって何?

古典七天体の最遠にあたる、二大惑星である「木星と土星の会合(コンジャンクション)」のことです。

エレメントシフトって何?

木星と土星の「合」はおおよそ20年のサイクルで繰り返されるのですが、毎回同じエレメント(元素)でしばらく繰り返されて、次のエレメントに移動します。
同じ元素で会合が繰り返される期間は、なんとおおよそ218年!
詳しくは、以下の表をごらんください。

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1500年代〜2040年までの木星と土星の「合」とエレメント
■色/水のエレメント ■色/火のエレメント ■色/土のエレメント ■色/風のエレメント

1504年  6月  4日 蟹座土星 合 蟹座木星
1524年  2月10日 魚座土星 合 魚座木星
1544年  9月28日 蠍座土星 合 蠍座木星

1563年  9月  5日 蟹座土星 合 蟹座木星
1583年  5月  3日 魚座土星 合 魚座木星
1603年12月18日 射手座土星 合 射手座木星
1623年  7月17日 獅子座土星 合 獅子座木星
1643年  2月25日 魚座土星 合 魚座木星
1663年10月17日 射手座土星 合 射手座木星
1682年10月24日 獅子座土星 合 獅子座木星
1683年  2月  9日 獅子座土星 合 獅子座木星
1683年  5月18日 獅子座土星 合 獅子座木星
1702年  5月22日 牡羊座土星 合 牡羊座木星

1723年  1月  6日 射手座土星 合 射手座木星
1742年  8月31日 獅子座土星 合 獅子座木星
1762年  3月19日 牡羊座土星 合 牡羊座木星
1782年11月  5日 射手座土星 合 射手座木星
1802年  7月18日 乙女座土星 合 乙女座木星
1821年  6月20日 牡羊座土星 合 牡羊座木星
1842年  1月26日 山羊座土星 合 山羊座木星
1861年10月21日 乙女座土星 合 乙女座木星
1881年  4月18日 牡牛座土星 合 牡牛座木星
1901年11月29日 山羊座土星 合 山羊座木星

1921年  9月10日 乙女座土星 合 乙女座木星
1940年  8月  8日 牡牛座土星 合 牡牛座木星
1940年10月20日 牡牛座土星 合 牡牛座木星
1941年  2月25日 牡牛座土星 合 牡牛座木星
1961年  2月19日 山羊座土星 合 山羊座木星
1981年  1月  1日 天秤座土星 合 天秤座木星
1981年  3月  5日 天秤座土星 合 天秤座木星
1981年  7月24日 天秤座土星 合 天秤座木星
2000年  5月29日 牡牛座土星 合 牡牛座木星

2020年12月22日 水瓶座土星 合 水瓶座木星
2040年10月31日 天秤座土星 合 天秤座木星
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どんなふうに切り替わるの?

エレメントはある時にピタッと入れ替わるわけではなく、いったん次の元素へと移行し、しばらくして元の元素へと戻り、最終的に本格的に入れ替わるという切り替わり方をします。
例えば、土の元素から風の元素へ切り替わるまでに、いったん「プレ(pure)ー イン(in)」のような形で「風(天秤座)」に入ったのが1981年です。

これは、真位置(true)を使った計算と平均値(mean)を使った計算で切りかわる時期が前後するため、正確にいつから風の時代と区切ることは難しく、また集団や社会構造を巻き込んだパラダイムシフトを“ソフトランディングさせる方法を模索する猶予のようなもの”はあったほうがよいので、好都合と言えるでしょう。

時代が変わるときというのは、ある程度強制力を持ったカタストロフィーが起こることが最も速やかではあるものの、我々には選択の余地が常にあることを忘れてはいけないのだ、とも思います。

時代が切り替わると私たちの生活はどう変わるの?

例えば、火の時代から土の時代へのシフトの時期に関わる要素の一つとして、「工業化とエネルギー資源の切り替わり」が大きな役割を担います。
人々のライフスタイルを機械のように切り替えるには、まず季節や気候に関わらず同じような時間に起床する必要があり、工業化のプロセスでそれを定着させることに大変な努力と時間を要したと言われます。

「失われた夜の歴史」の著者ロジャー・イーカーチ氏によると、産業革命以前のヨーロッパでは、睡眠は夕食後暗くなってからの数時間と明け方最も気温が低い時間の二度に分けてとられており、深夜の覚醒時間に実に様々な夜の営みが行われたことを膨大な資料から説明しています。

火の時代に横行した残虐な犯罪や放火、呪術的リチュアルの数々は、土の時代に驚くほど減少したそうです。

今の我々も、200年以上続いた土の時代が担う「土地神話」「領土の拡大」「土地と土地を繋ぐ移動手段を担うエネルギー資源」「農業と産業の工業化から生まれた生活習慣やリズム」を、根底から覆されるような移行期にいるわけです。

1981年は天秤座で土星と木星の会合があった「プレ ー イン期」ですが、この年9月に開始されたInterface ManagerというプロジェクトからWindowsの歴史が始まったと言われ、81年のこのタイミングで、風のグローバリズムは徐々に我々の生活や睡眠パターンに侵食してきているはずです。

エレメントシフトで元素が担う役割と時代との関連性の因果関係は、古典的にそれほど重要視されてはいないものの、火の時代には信念体系を巡って人々が争い(宗教戦争)、土の時代は領土拡大と地下資源を巡って多くの侵略戦争が世界中で起きました)。
風の時代であれば、争いの元となるのは情報と流通と通信手段や移動手段、コミュニケーションの方法、などなど。

グレートコンジャンクションに対する日本の態度(こぼれ話)

こうして列挙してみると、日本という島国は、なぜかこの土星と木星のサイクルに対して特異なスタンスをとる傾向にあるように思えません?

●宗教戦争と言われても、神前と教会の両方で結婚式を挙げ、新婚旅行でハワイに行って火山の女神ペレにひれ伏し、家族が亡くなれば南無阿弥陀仏と手を合わせる日本人からすると、それによって人が死ぬことは想像しにくい。

●また、地下資源に乏しい国として、大きな侵略戦争にも巻き込まれずに済んできた(もしも日本の地下に油田があったらと考えると、ゾッとします)

●Windows発売から世界中が一気に加速したネットワーク戦争においても、当時日本では電電公社による1985年までの通信網の実質独占状態があったため、いつまでも通信料が下がらず、世界中で加速の一途をたどった通信戦争にも乗り遅れた。

●独自の検索エンジンもFacebookやLINEのような巨大プラットフォームも持たないままに、海外のアプリにビッグデータを吸収され放題のまま、放置。

私には時々、日本は争いが嫌いで自分の中にある「萌え」や「かわいい」だけを追求したいと願う魂たちが転生してきた、閉鎖的オタクの楽園に見えることがあります。

強制変容を促される分野

コロナウイルス大流行によってもたらされた、「リモートワーク」「ソーシャルディスタンス」「換気」「go to」は、すべて風のキーワード
三密の「密集」「密閉」「密接」は、12月22日に土星と木星の会合が起こる水瓶座から見て、90度に位置する蠍座のキーワードです。
大打撃を受けた飲食店や風俗店も、やはり水瓶座から見て90度に位置する牡牛座の管轄。コンサートやオリンピックなどの芸能スポーツ興行は、水瓶座の対抗サインである獅子座が担う分野です。

ここで一つ注目してほしいのは、エレメントシフトによって、「じゃあ、“風”以外のすべてが変わらなければならないのか?」という点ですが、そうではありません。
それまでメインストリームであった主権が、別の元素に切り替わるだけです。そうなった時、前時代的分野は、原理主義やカルト的位置付けに移行することになるでしょう。

例えば、火(信念の時代)から土(マテリアルな時代)への移行期にあたる1802~1842年の間にかけて、ダーウィンによる進化論が確立されたようですが、この時、それに賛成しない聖書の原理主義層というのは当然いて、当初優勢に見えたそのグループは、後にカルト化していったのではないでしょうか。

コロナに対しても、日本では比較的一斉にマスクを付けるなど“足並みのそろった大ヒット”(占う男ニシーくんの表現)となっていますが、海外ではコロナ陰謀論など、まだまだ様々なスタンスが争っており、防衛手段が一本化されているわけではない。

日本でも、頑なにマスクを付けないホリエモン氏は太陽蠍座/月獅子座(水瓶座に90度/180度)で、コロナ陰謀説を打ち出す窪塚洋介さんは太陽牡牛座/月乙女座(水瓶座に90度/150度)なのは偶然でしょうか?
(あとは、180度な獅子座の誰かが決定的行動をとってくれたら、占星術師の私としては幸せ)

はぁ・・。長かった。
だから嫌だったんだ。この話題にふれるのは。
もう、あちこちで有名占星術家たちが語りつくしてくれておるので、最後に希望に満ちた励ましの言葉や、新時代を生きるにあたって背中を押すキーワードなど、私からは特にありません。
お好きにどうぞ。←「風」的、突き放し方でピュ~と去る私!

 

いけだ笑み
宇宙のからくりと人間存在の謎について、物心ついたころから考え続け、古代占星術と錬金術思想にたどりつく。1999年からプロの占星術家としての活動を開始。主にホラリー占星術の研究と実践に取り組みながら、東京、大阪、仙台、福岡などで講師活動やイベントを主催。著書は、『基本の「き」目からウロコの占星術入門①』『基本の「き」目からウロコの占星術入門②』『ホラリー占星術』(説話社)、『フレンドリータロット』(太玄社)など。

http://astro.secret.jp/
https://twitter.com/emi0711

『いますぐ深読みできる フレンドリー・タロット』
いけだ笑み著/ 太玄社

 

 

 

 

『ホラリー占星術』
いけだ笑み著/説話社

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