こんにちは、思考と感情を快適化する専門家、ヒプノセラピストのはらゆうこです。
今回が最後の投稿となりました。短い間でしたが、私の夢が叶った出来事でもあったので、文字どおり夢のような時間でしたし、夢中で書かせていただくことができ、幸せな11回の連載でした。
最後のお話は、私がずーっとテーマとしている「固定観念や既成概念を外して生きよう」ということを、決意を新たにした出来事をシェアしようと思います。
片腕がないのに、なぜトラックドライバーに?
ある日の夕方、大手町の交差点に駐まっていた一台のトラックの荷台から、男性が台車を抱えて降りてきました。
慣れた手つきでテキパキと荷下ろしをしているのを、信号待ちをしている間、なぜだか目が離せずに眺めていました。
ふと気づくと、彼は右腕の肘から下がありませんでした。
そう、片腕で彼は荷下ろしをしていたんです。
あまりにもごくごく当たり前に作業をしているので、初めは全く気づきもしませんでした。
いくつかの重そうな段ボールを台車に乗せ、慣れた様子で小走りにビルの中に消えて行った男性の後ろ姿を目で追っていると、信号が青になり、私は地下鉄の駅へと向かって歩き出しました。
ハイヒールの音をカツカツと鳴らしながら夕陽に向かって歩き、頭の中ではあの男性の姿がずーっとグルグルと巡っていたのを覚えています。
もし、私の片腕がなかったとしたら、トラックのドライバーという仕事を選ぶだろうか?
運転するだけじゃない。荷物を載せたり下ろしたり、それを配達に行く仕事を選ぶだろうか・・・?
そんなことを考えていました。
自分じゃなくても、たとえば息子が腕を失って社会人になったとして、トラックのドライバーという仕事をすると言ったら、果たしてそれを受け入れ、歓迎し、見送ることができただろうか?
障がいがあってもできることを見出したブレイクスルー
あなたも想像してみてください。どんなふうに感じましたか?
私が感じたのは、彼には「片腕がないからドライバーの仕事は無理だ」という考えはとっくにないのだ、ということです。
きっと親しい人は、「そんな仕事できるのか? 無理だろ。周りに迷惑をかけるんじゃないか? もし、荷物を落して破損でもしたら大変なことになるぞ」など、心配していろんなことを言ったんじゃないかと思うのです。
けれども、彼はその仕事を選択したのです。
思えばパラリンピック選手を見ても、私たちがとうてい敵うことのできない偉業を成し遂げていますよね。
彼らの中には十分すぎるほどの「不可能」が、最初はあったはずです。けれども、それを乗り越え、極め、私たちに感動を与えてくれます。
そこには、「障がいがあるから無理だ」という概念を飛び越えて、「何かできることはある」と完全なるブレイクスルーをしている、という前提があることがわかりますよね。
できると思えばできるを叶えていく心の力
そう考えると、片腕のない男性がトラックドライバーとして立派に仕事をしていることは、特別なことでもなんでもなく、それを特別視していたのは私のほうだった、ということに気づき、愕然とし、恥ずかしくなりました。
そして改めて、心の力ってすごいな、と思ったのです。できると思えば、なんだってできる。反対に、無理だと思えばどんなに小さなことだってできなくなる。だとすれば、「できる!」 と思う方向に心の力を使いたいですよね!
実は私の座右の銘は、やってやれないことは、ひとっつもない!です。
これまで、「今の自分では難しいな」と思うことにチャレンジせざるを得ないことが何度もあって、その度に「やってみるしかないよね。ダメ元だ」と開き直ってチャレンジして、結果、ほとんどのことはクリアできているのです。
その体験から、「やってやれないことはない」以上の、「ひとっつもない!」というのが座右の銘になりました。
もっともっとハードルの高い出来事に見舞われても、「大丈夫。やってやれないことはひとっつもないんだから」と思うと、心の器が一気にブワッと拡張するような感覚があるのです。
良くも悪くも、できるできないを決めているのは、自分たちの心。辛い時は諦めることのほうが簡単だったりもします。でも、私たちの心の力には計り知れない可能性があることも確かです。
片腕のない男性が限界を突破する勇気を与えてくれる
片腕のない男性を見かけたあの日の金色の夕陽を、私は今でもありありと思い出せます。思い出すたびに、自分が今直面していることをブレイクスルーできそうな気がして、勇気が湧いてきます。
生きていると本当にいろんなことが起きますし、心が折れそうになることもありますよね。そんな時に、このお話を思い出してくれたらうれしいです。
あなたの心の力がどんどんみなぎり、既成概念も固定観念もあっさりとブレイクスルーできて、あなたが思い描いた夢がどんどん叶っていくことを、いつもここから願っています。
またいつかお会いできることを楽しみにしています。
愛と感謝を込めて。
はらゆうこ
ヒプノセラピスト、メンタルトレーナー、セールスコーチ、企業研修講師。ブライアン・L・ワイス博士の『前世療法』という本に出会い、ワイス博士の日本人初の直弟子からヒプノセラピーを学ぶ。ヒプノセラピストとしてだけでなく、私立高校野球部のメンタルトレーナーとして高校球児と一緒に甲子園を目指しており、また、起業家のためのセールスコーチ、企業研修講師として、思考と感情を快適化するというテーマでセッションやワークショップを提供している。
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