こんにちは、思考と感情を快適化する専門家、ヒプノセラピストのはらゆうこです。
今回も、様々な出来事や出会った人たちから得た気づきを、皆さんの「幸せの未知案内役」としてお伝えします。

いら立ちを爆発させていた男性を目にして

4月はこれまでにないくらい多忙を極め、少々のことではギブアップしない体力の持ち主の私でも、「ダメかも」と思うくらいしんどい1ヵ月でした。

時間に追われるとグラウンディングが揺らぐので、いろいろなことが悪循環に突入します。改めて、グラウンディング(地に足をつけること)を意識して、いい循環を作っていきたいなと思っています。
 
今回は、そんな「循環」、さらには「幸せの循環」にフォーカスしてみたいと思います。
 
先日、こんな光景を目にしました。
ボロボロの荷物用カートにボロボロの荷物をくくりつけて、ボロボロの靴と服を身に着けた男性が、通勤ラッシュの駅のホームをイライラしながらカートを乱暴に引きずって、こちらの方にやってきました。
カートはまるで、煽り運転のように、あるいは暴走車のように他人に当たりながら、乱暴に引きずられていました。

その男性は、「邪魔なんだよ。どけよ!」という乱暴な言葉を吐きながら、私より少し遅れて車両に乗り込みました。
そして、私が腰掛けた目の前の席に、今まさに座ろうとしていた女性を押しのけ、奪う形で座ったのです。カートは足元に置かれ、そこには誰も近づくことができません。

カートには工事現場で使うであろう警備員の制服が、これまたボロボロの状態でくくりつけられていて、これから現場なのか、それとも夜勤明けなのかはわからなかったけれども、ともかく、彼の心模様を映し出しているかのよう・・・。

その男性を、反対側の座席に座っていた私は、しばらく観察していました。
じっと見ながら感じたのは、「豊かさの循環の真逆」を生きている人なんだな、ということでした。

どんなにがんばっても、きっと、報われない人生を送ってきたのでしょう。だから、自分とは反対側の世界にいるであろう人たちが、自分の行く道を邪魔しているように感じているのかもしれません。

オレは、がんばってがんばって、クタクタなんだよ。
ちんたら歩いてんじゃねーよ。
そこ、どけよ。
座らせろよ。

なんだか、そんな心の声が聞こえてきそうでした。

何かのせいにしない生き方に切り替えたら人生が激変

実は私も、昔は似たような人間だったのです。
学歴コンプレックスがあり、一流企業には履歴書さえ送ることもできず、時間給の派遣社員として何年も過ごしました。
私が働いていた先の一流企業の正社員はというと、大卒というだけでアドバンテージを手に入れれていました。

「私の方が仕事ができるのに!」「どうして、こんな待遇しか受けられないんだろう?」、そんなふうに、ずっと苦々しく思って生きていました。
心や頭の中は常に不平不満が渦巻いていて、今振り返ると、とても体調が悪かったのを思い出します。

その男性を見ていて、過去の自分を思い出しながらも、こんなふうに思いました。
「がんばっても報われないいら立ちを、毎日他人にぶつけて生きるなら、どんなにがんばって働いていたとしても、同情は得られても、共感は得られないだろうなぁ・・・」

かわいそうに、という哀れみを受けたとしても、「私があなたを助けましょう」という事態にはならないのです。

幸い、私にはそれを指摘してくれる人がいて、幸いにも私にはそれを受け止める心境にありました。
「辛いことも理不尽なこともあるけれど、誰かや何かのせいにして生きるのはもうやめよう」と思えた瞬間があったのです。

そう決めた瞬間、モヤがかかったようにいつもズキズキして苦しかった頭痛が、すーっと晴れ渡って軽くなっていきました。そして、長年あちこち不調だったのが、嘘のように健康になったのです。
と同時に、取り巻く人間関係も環境もいい方向にガラリと変わって好循環が生まれ始め、それはそれは、びっくりするくらい人生が変わっていきました。

良かった探しが人生を好転させていく

あの男性は、貧しいから心がすさんで、すさむから他人に愛情を与えるのが難しくなって、与えられないから受け取れなくなってしまう、という悪循環の中にいるのでしょう。

貧しくても、その中から爪の先ほどでも他者に愛情を示すことができれば、そこから愛の循環は始まる。
腐らず、すさまず、期待せず、小さな小さな、誰も気づかないくらい小さな何かに感謝する。
それができればいいのでしょうが、貧しい状態で心を広く持つことは難しいかもしれません。

だけど、心を広げるんじゃなくて、少しだけ縦に掘り下げてみてはどうでしょう?
「自分は、誰にどう扱われたい?」と問いかけることが、自分の感情を掘り下げることになります。

きっと、大切にされたいはずですよね。
愛されたいはずですよね。
運を掴みたいはずですよね。

ちょっとでいい、1週間に1回でもいい。
あの男性が、「ああ、ありがてぇなぁ」ってつぶやいたら、それだけで、案外いろんなことがいい方向に転がっていくんじゃないかと思います。
その日いいことがなくて、いら立って当たり散らすより、そのことをちょっと横に置いて、「良かったことを見つけてほしいな~」と、1時間電車に揺られながら思った私でした。

この話を読んで、あなたはどう思いましたか?
では、また!

 

はらゆうこ 
ヒプノセラピスト、メンタルトレーナー、セールスコーチ、企業研修講師。ブライアン・L・ワイス博士の『前世療法』という本に出会い、ワイス博士の日本人初の直弟子からヒプノセラピーを学ぶ。ヒプノセラピストとしてだけでなく、私立高校野球部のメンタルトレーナーとして高校球児と一緒に甲子園を目指しており、また、起業家のためのセールスコーチ、企業研修講師として、思考と感情を快適化するというテーマでセッションやワークショップを提供している。
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