最近、久しぶりに性格分析をテーマにした本を読んだ。
思い返せば、小学生の頃から大学生までの間は占いにかなり興味があって、野末陳平さんの姓名判断や能見正比古さんの血液型判断などにも、ずいぶんとはまったりもしたもんだ。
社会人となって勤めた会社の社長が姓名判断に凝る人で、会社のスタッフは誰もがビジネス・ネームを与えられた。ちなみに、自分のビジネス・ネームはミッシェル(笑)。
どう見ても、醤油顔の日本人の手渡す名刺が洋風の名前なので、インパクトがある! 印象付ける効果は抜群なので、営業するには効果覿面だったな〜、ワハハハ。

幾何学図形に描かれた9つのタイプと相互関係

その後、性格診断分析の方法は、世界中に実はたくさんあることを知るようになった。
今回は『新版 エニアグラム【基礎篇】』(角川書店)という、古代ギリシャから伝わる性格分析法についてお伝えしたい。
ところで、本の帯には「〜驚異の性格分析法!」と書かれている。著者は、ドン・リチャード・リソ&ラス・ハドソン。数多い類書の中でも、両氏の書かれている内容の精緻さは飛び抜けているらしい。かつてのブームが去った現在でも、両氏の旧翻訳が出版されていることからも、それは頷ける。

さて、まず始めにエニアグラムとは何ぞや? ということだけど・・・。
9つの基本的性格的タイプと、それらの複雑な相互関係を描いた幾何学図形であるということ。名称はギリシャ語に由来し、「9」という意味の「エネア」、図形という意味の「グラモス」が合体。つまり、「9個のポイントをもつ図形」ということ。
“人間は誰でも、9つある性格タイプのうちのどれかひとつに分類されて生まれてくる”とされ、2000年もの間、イスラム教のスーフィー派の人たちの間で守られてきた、人間の本質に迫る、普遍的で非常に奥深い教えだ。
20世紀に入ってからヨーロッパに伝えられ、今では世界中の人々が自分の本質を見つめ、心を成長させるために、この奥深い人間判断の智恵を日々の生活に役立てているらしい。

エニアグラムで9つに分類される性格タイプは、次の通り。

改革する人/助ける人/達成する人/個性的な人/調べる人/忠実な人/熱中する人/挑戦する人/平和をもたらす人。

海外の幅広い分野で採用され、結果を出し続ける分析法

エニアグラムでは、性別、国籍、遺伝などは一切関係なし。生まれ持った資質を9つのタイプに分け、それぞれの思考や行動、強みや苦手なことを教えてもらえる。
自分がどのタイプかを知ることができると、自分がどんな状況でどんなことを考えるかとか、どんな行動をとるかとかを、あらかじめ知ることができる。自分本来のタイプを知ることで、問題が起きたときにどう対処すればいいのか、不安を感じたときにどんな思考になるのかなどもわかり、スムーズに対応ができるようになる。

アメリカでは、Google、Amazon、Apple、Disneyなどの有名大企業を始めてとして、エニアグラムが導入されているケースが多く、その理由は多国籍の人たちが同じ職場で働いているからだ。
エニアグラムを使うことで、文化や言語や慣習の異なる多国籍の人たちが同じ会社で働いていても、誰がどんな性格で、得意なことや苦手なことは何かが判断でき、どんな仕事を任せるか、誰と同じチームにするかなどを決めることができる。

一方、日本は島国で、日本の企業で働く大多数は日本人。考えることも、ほとんど同じ。日本の企業では、日本人は同じ思考や行動をとると考えられているため、エニアグラムが企業研修などにほぼ導入されていないのも、そこに理由があるらしい。
エニアグラムを使って、一人ひとりの持っている資質を明確にでき、その人が得意なことや苦手なこと、誰とチームを組めば成長できるかがわかる。一人ひとりが資質を生かして働けるようになれば、社内の雰囲気も自然と良くなり、業績もUPすることだろう。

今こそ活用したい、人類普遍の智慧の凝縮

読み終わった感想としては、「目から鱗」だったと申し上げたい。この本のお陰で、エニアグラムに興味が湧き、この手法で急成長した中小企業の実話物語をテーマにした本も読んでみた。
社員100人の中小企業が、10年で2000人超の上場企業に成長したレポートだったが、その秘密が、実はエニアグラムにあるのだという。

1970年代、著名な精神科医がエニアグラムを使い始めたことから、精神科医や心理学者の間でエニアグラムが広がり、アメリカでは一般的に知られるようになった。
エニアグラムとは、古代からの伝統的な知恵に現代の心理学が結びついたもの。人類普遍の智慧の凝縮であり、「永遠の哲学」だとも言える。
自分をより深く知ることで、より充実した人生を送ることができる。エニアグラムは、そのための頼りがいのある強力なツールと言えるだろう!

 

新版 エニアグラム【基礎編】
自分を知る9つのタイプ
ドン・リチャード・リソ、ラス・ハドソン著/高岡 よし子、ティム・マクリーン訳

(この記事を書いた人)
丹波-浪速 道(たんばなにわどう)/元ナチュラルスピリット社の関西支局担当者として、営業・取材・編集などに6年間従事。丹波~浪速の(京都~大阪を主軸とした)近畿圏の霊ラインを活性化させて、伊勢~白山の霊ラインにからませた霊ラインの十字架をつくることで、日本人の意識の目醒めを促進。現在は活動拠点を東京に移し、日本の未来を牽引していく'Star People'の発掘に余念がない。1986年、アメリカ大陸を101日かけて自転車横断達成。生まれながらの冒険野郎。次なる夢は、地球の地底世界に移住すること(笑)。