最近ある人が自分の見た夢の内容をメールで送ってきたのだが、白鳥座のデネヴあたりで、姿の見えない人から「人類は振動が上昇する人としない人とが、今後の10年くらいではっきりとわかれてしまう」と言われたらしい。
そしてこの夢を見た人の体が重いので、「振動を上げると言われ、腰が燃えるように熱くなった」という内容だった。
記憶が正確ではないので、この内容の詳細は少し違うかもしれないが、別の人がこれに前後して「たくさんの白鳥が泥水の中に頭を突っ込んで、餌を探しているという夢を見ていた」とメールしてきた。
白鳥座のデネブには、“選別した人を育てる”という性質があり、このために学院と言ってもいいような特別エリアを作る傾向がある。
選別する役割は白鳥のくちばしのアルビレオで、そもそもわたしは地球のことを「泥が混じった水たまり」と説明していたので、白鳥たちは地球に頭を突っ込んで人を選んでいるのではないか。
最近こういうふうに人類の方向が二分化するような話が増えているとは感じるが、ここにはいくつかの星系の関与があり、星系によって具体的なやり方が違う。
振動が上昇するという話もわかりにくいが、人間の三分節、すなわち思考、感情、身体という三つの領域のすべてが調和して、三つが底上げされないと存在全体の振動は上がらない。
思考がいくら高度になっても、感情と身体がそれに合わせないことには意味がないし、やはり振動の上昇という点では、一番底の身体が変化することが大切だ。
それに肝心な話として、人間の側だけで自力で上昇することはできない。恒星から降りてくる力の関与、グルジェフ的に言うと「インターバルの負荷ショック」が上から降りてくることで、初めて上昇することができる。
自分の努力半分、上位の意識の関与が半分というところで可能になるのだ。
だから、多くの人は、自分が本来所属していた故郷めいた星からの接触を受ける。ほかの星系でなく、自分が属しているところからの関与でないと、軸がそろわない。
で、この夢の内容として「あと10年くらいという話」は、以前このコラムでも書いたが、羽咋市の高野さんとリンゴ農家の木村さんが対談した中で、木村さんがコンタクトしている宇宙人からの話として「地球は環境破壊そのほかのもろもろで、あと10数年しかもたない」という内容と比較的マッチしやすい。
あと10数年しか持たないという内容は、何か暗い話にも聞こえてくる。でも、これは否定的な意味だけではない。もっと積極的な意味が隠されていることを理解しなくてはならない。
破壊されていく地球を考えるとき、そもそもはこの地球に住んでいる人類が何か間違った考え方に走り、取り返しのつかない行為を繰り返すことで、後戻りできなくなったということが第一に考えられる。
しかし、人間は間違った行為をやめることはできない。
たとえば1950年くらいまで、子供の胸腺を手術で取り除くことが行われていたという。今では胸腺は免疫力の育成に大きな役割を果たすことがわかっているが、昔の医学にはその知識がなく、不要な組織だと思われていた。
人体には無駄に見える組織がまだまだたくさんあると思うが、実は重要な役割を持っていることが、後になって判明するものだ。
知識不足によって、よかれと思ってしていたことも、後で間違いだったと気がつくのは、今後も変わらない。
人間は間違いを犯さないで生きることはできない。思考は常に、何か間違うものなのだ。
こうした勘違いや間違いが起こるそもそもの元凶として、地球に住む人類の生き方が、より大きな宇宙との同調から切り離され、孤立していることにあるだろう。
目の前のことしか見えないと、本来進むべき進路は見えなくなる。
シュタイナーは、土星の作用は有機体とかシステムを特定のサイズに閉じ込めて、外界との関係を切り離し、孤立させる作用を持っていると説明した。
占星術でいう土星の役割も、昔からそのように言われていた。
たとえば、わたしたちは自分の住んでいる地球が自転と公転をしていることを体感できない。
朝が来て昼になり、夜になるということから推理はできるのだが、地球が回転しているので、思わず吹っ飛ばされてしまうということはない。地球はどっしりと安定しており、わたしたちはこの地上で静かに生きることもできる。
地球の回転は、地球の外の領域との関係で生じていることであり、土星の作用が働いて、地球を“地球よりも範囲の大きな外の領域から孤立させる”と、地球が回転している事実は消え去る。
ケプラーが主張するように、「木星と土星の間には、五つのプラトン立体の中での立方体の比率が成り立つ」ということから、わたしは土星が閉じ込めるこの形を「箱」と呼んでいる。
クロネコの宅配でも荷物は箱に入れないことには、中にあるものは破損する。土星の箱は、中にあるものを安全に守るために閉じ込め、外から孤立させるには必要なことなのだ。
本来、土星が立方体を象徴とする箱に、特定のコスモスを閉じ込めてしまう作用は太陽系の範囲にあるもので、ここで土星は太陽系を、母体のサイズの銀河から切り離している。
これが箱の本来のサイズだとして、小さな範囲では、地球も土星作用によって、ほかの惑星がある領域から閉鎖されるし、もっと小さな範囲でならば、西欧文明はある時期から周辺の文明圏をすべて無視して、閉鎖的に発展してきた。