2012年に、私は『近未来サイクル』(徳間書店)という本を出版した。これは、さまざまな「サイクル理論」をもとに未来がどうなるのかを検証した本であり、内容の一部に、フランスの占星術師が発見した「ボーボルドサイクル」を紹介していた。

最近、この本の編集者から「ボーボルドサイクルの2020年の予測は、的中したのではないでしょうか?」との連絡があった。そこで改めて「ボーボルドサイクル」を見てみると、確かに当たっていた
さらに「ボーボルドサイクル」には、2020年以降の状況も示されていた。
非常に興味深かったので、今回は占星術の「ボーボルドサイクル」から見た未来を紹介しよう。

※この記事と偶然にも同日、「ナチュスピ代表・今井と高島さんの対談」がスタピチャンネルで公開となりました。ぜひ、ごらんください!

Tスクエアに着目した「ボーボルドサイクル」

まず、「ボーボルドサイクル」を理解するためには、占星術の基礎を若干知っていなければならない。
西洋占星術やインド(ヴェーダ)占星術などさまざまな手法があるが、どれも複雑な体系である。十分に理解するには、それなりの時間と真剣な勉強が必要になる。

残念ながら、私には占星術の知識はまったくない。そのため、今回は「ボーボルドサイクル」の理解に必要となる、最低限の範囲で解説することにした。

占星術では、星の配置を示す「アスペクト」が重要だと考えられている。ウィキペディアでは、次のように解説されている。

アスペクト(aspect)または相(そう)とは、占星術や天文学で、天体(惑星、太陽、月、恒星、占星点など)どうしの間の黄経差のこと。
0度~180度の角度で表される(右回りか左回りかは問題にしないため、最大は360度ではなく180度となる)。


アスペクトの中でも、最も否定的な意味合いを持つのが「Tスクエア」と呼ばれる配置である。
それは、ホロスコープ上で「3つ以上の惑星がT字型の位置関係で配列しているもの」を指す。困難なアスペクトとされ、強力な否定的作用をもたらすが、うまく乗り切れば、逆にプラスの効果を与えるとされる。

このような「Tスクエア」のアスペクトをいっそう詳しく解析し、「上昇」と「下降」の動きを描くグラフへと反映させることに成功したのが、フランスの著名な占星術師、アンドレ・ボーボルトである。

もともと第二次大戦中、グーションという占星術師が、木星から冥王星までの5つの外惑星が形成する「10通りのサイクルの黄道上の距離」を計算した。
その計算は毎年3月21日に行われ、距離を合計したものをグラフに表した。
この方法は、60年代半ばにアンドレ・ボーボルトによってさらに体系化され、「ボーボルドサイクル」として発表されたのだ。

グラフでは、上昇と下降を繰り返す変動の波が出現した。

●下降局面/惑星同士が180度から0度に接近する「収縮局面」を表し、谷は惑星が最も集中し、0度で一列に並ぶ時期を示す。

●上昇局面/0度から180度に向かって惑星が相互に離れる「拡大局面」を表す。

サイクルの波形が歴史的な出来事とほぼ一致

この180度から0度に向かう収縮と、0度から180度に向かう拡大を交互に繰り返す動きが「ボーボルドサイクル」である。
このサイクルは、ソルボンヌ大学パリ校のスーゼル・フューズ・ブランチ博士らによって研究され、サイクルの波形と実際に起きた歴史的な出来事が、かなりの確率で一致していることが確認された。