願望実現系にハマった結果、運との関連性に気づく

田中 話は戻りますが、「奇門遁甲」をその本で知って、どうされたんですか?

黒門 最初は読んだだけで、奇門遁甲は他に専門書もないので、そこから気学の本をたくさん読むようになりました。
当時、初代の田口二州先生の気学。大学行くようになってから香草社や、武田考玄先生の本、中村文聰先生の『奇門遁甲 原理口訣』くらいしか本がなくて。そういう国内の先生方の本をずっと読んでいて、20代の後半くらいに、いったん占いをやめたんです。

その代わりに、潜在意識を活用した様々な願望実現法に傾倒しました。いわゆるサブリミナル的な「願望実現系」を、車でずっと聞いて通勤したりしていたんです。
昔、「21日間願望達成法」があったのを、知ってます? 願い事を書いた紙を枕に入れて寝ると、21日で叶うっていう。

田中 で、どうでした?

黒門 叶わないんですよね(笑)。そのあと、「続・21日間願望達成法」が発売されたので、それも買って、また21日間ずっと試して寝ました。さらに「新・21日間願望実現法」が出て結局、合計63日間実行したけど、結局、叶わなかった(笑)。僕には合わなかったんでしょうね。
それでも、20代の後半くらいからいろんなことがうまくいくようになったので、しばらくは願望実現系をやっていました。
ところが、30歳の時に家を建てて引っ越したら、そこからめちゃくちゃ運が悪くなったんです。それまでは、寝る前に瞑想していろんなイメージをしていたけど、それさえうまくいかない。
後で調べると、引っ越した方角と、四柱推命のタイミングがものすごく悪かったんです。

田中 なるほど。

黒門 それでわかったのは、運がいいときは、願望をイメージすると実現する。でも、落ち込んでるときはいくらやってもダメということでした。

田中 ということは、運が優先?

黒門 両方ですね。開運と願望実現には、それぞれの思考法が必要なんです。だから僕は、自己催眠法を教えているんです。占いだけじゃ、運が良くならないから。
人って、金運にしろ、恋愛にしろ、潜在意識にいろんなブロックが入っているんです。例えば、恋愛運が良くなりたいという男性がいたとして、「じゃあ、いろんな人に声かけた?」と聞くと、「いや、それはできません」と返ってくる。
これがブロックです。やはり積極的にならないと、運は変わらないです。

田中 そうですよね。

根本的に必要なのはメンタルブロックの改善

黒門 行動が変わらないと運気は変わらない。行動を変えるには、思考を変えないといけない。
でも、思考を変えるのは簡単にはいかない。なぜなら、思考ってほとんど潜在意識で決めているから。
みんな、思考によっていろんな行動を取っていると思っているけれど、実はそうじゃなくって、潜在意識に動かされているんです。これは催眠をやってみると、すごくよくわかります。

結局、僕らは潜在意識にいろんな影響を受けていて、それを顕在意識で理由付けしているだけなんです。例えば、風水など、いろんなアドバイスをしても、実行しない人いるでしょう?
それは、本人の潜在意識がブロックしているんです。
お金に困っているクライアントにいろいろと風水的な処方して、「わかりました。すぐ、やります」って言われたけど、3ヵ月後に「なかなか忙しくて・・・」って言われました。
結局、占いだけじゃ、どうしようもないです。言っても実行してくれないと。

田中 そういう方、いっぱいいます。やらないのに文句を言ってくる方も(笑)。

黒門 そうなんです(笑)。だから、占いとメンタルの部分の両方からアプローチしないと。催眠療法がなぜいいかというと、メンタルのブロックを改善できるからです。

田中 でも、ブロックを取ってもまた元に戻ってしまわないですか?

黒門 それに関しては、ガンの心理療法「サイモントン療法」等の心理療法では、「今日、会社に行きたくないな」「面倒くさいな」とか思っていると、それを解決しようと潜在意識が働いて、その結果、ガンを作るということです。
それは「肯定的意図」と言われ、それがある限り、外科的に治療しても、またガンを作るか、違う病気を作ってしまいます。

その外科治療にあたるのが、僕らがやっている風水とかです。でも、そういう人の問題を解決してあげても、違う問題を作ってしまうから、結局、心の中に抱えている問題を一緒に解決してあげないとダメなんです。

田中 なるほど。そういう理由で、催眠も取り入れているんですね。

黒門 ご本人のオーラの状態も調べたりするから、わりとスピリチュアル系ですね。やっぱり総合的にやらないと、なかなかうまくいかないですから。
運が良くなることに対し、あまのじゃくみたいな傾向の人もいますし。

田中 かたくなな方、いますよね(笑)。

黒門 こんなことがありました。「もう、倒産するかもしれない」という相談者のお店に行って、「レジを置く場所は、ここがいいです」ってアドバイスしたら、相談者である奥さんに「そうでしょう? 昔、レジ、ここにあったんですよ」って言われました。
「でしょう? じゃあ、ここにしましょう」って僕が言ったら、旦那さんの社長がやって来て、なんだかんだとレジを移動できない理由を言い始めたんです。結局、そこは倒産しました。

田中 そういう結果になるのって、なんとも言い難いものがありますよね。
「日選び」にしても、「この日でお願いします」と伝えているのに、結局その日にやらない人っていますよね。
「その日無理だったので次の日にしました。大丈夫ですよね?」って。択日の意味がないじゃないですか。これも潜在意識のブロックなんでしょうか?

黒門 そういう方は、潜在意識と顕在意識が、別々の方向を向いちゃっているんです。

趙先生とのご縁で日本で唯一、韓国奇門遁甲を教えることに

田中 先ほどお話されていた、30代で引っ越してから運気が悪くなったというのは?

黒門 いろんなことが起きたんです。母親が仕事に失敗して借金を払わなきゃいけなかったり。それで、もう一度、占いをやり直そうと思い、復帰したんです。

田中 復帰するにあたってのきっかけは、何でしたか?

黒門 30代のとき、台湾で当時売られていた奇門遁甲の本を全部読んで、読むものがなくなり、明治、大正、江戸時代の頃の日本の古典をかき集めて、自分なりに探求しました。
でもいくつか以外は、「大したこと書いてないな」って思って。

そこで韓国に目を向けてみたら、奇門研究所に趙宰星(チョウサイセイ)先生がいらっしゃるのを知りました
彼が、奇門遁甲に関する記事をネットでいろいろ書いていたので、「奇門遁甲を教えてほしい」と書いたメールを送ってみたんです。

田中 メールですか? もうネットの時代だったんですね?

黒門 そうです。99年頃かな。メールを送ったら、一応、教えてもらう許可をもらえました。それ以来、週2回、講義用のメールが来て、お互い、翻訳ソフトを使ってその返事を書くみたいなことをしていました。
趙先生が「あなたはすでに中国の奇門遁甲を理解しているので、韓国独特の部分も理解できるでしょう」とおっしゃったんです。

韓国語って文法が日本語とまったく一緒なので、かなり精度高く翻訳できます。でも、来たメールの内容を日本語に翻訳して、その内容に対する考えを日本語で書いて送り、それを彼が韓国語に翻訳して……。
だから、お互い翻訳ソフトを使って送り合うのを、1年半ほど続けていました(笑)。
その後、韓国に行って、どうしてもわからない文章の意味を教わったりするうちに、趙先生から、「日本でも教えていい」という許可をもらえたんです。
今、日本で韓国奇門を教えている機関は、僕のところだけですね。

田中 そもそも、趙先生の存在をどうやって知ったんですか?

黒門 僕は1997年から自分のホームページを作っていて、当時、アクセス解析したら、3割が外国人だったんです。ほとんど中国人で、一部は韓国人でした。
どこを経由して僕のサイトに来てるかを調べたら、韓国のとあるポータルサイトの「奇門遁甲」のカテゴリーに僕のサイトが載っていたんです。

そのサイトの中に、他の奇門遁甲のサイトに飛ぶリンクがいくつかあって。クリックしてみたら、ハングル語の奇門遁甲だとわかりました。
そこで、翻訳ソフトを使って3人か4人くらいに「教えてほしい」とメールしたら、中には「日本人には教えるものか」みたいな返事もあって(笑)。
で、趙先生には何度もメールを出して、やっと教えてもらえることになりました。それが韓国奇門遁甲との出会いですね。

田中 そうだったんですね。

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