こんにちは。悟りをテーマに活動している、ドルフィニスト篤です。
今回も、私の師匠であるマスター・ゲート氏の教えを交えながら、日常の中で目覚めていくためのポイントを、悟りの観点から綴っていきます。

肥大化したプライドは際限なく自分を苦しめる

自我は、周りから認められ、愛され、信頼され、許されることを常に期待しています。
なぜなら、それが得られれば、居場所を確保できて、安心できると信じているからです。
逆に言うと、誰からも見向きもされず、それらを得られないとき、不安になり、疎外感、孤独感、心もとなさ、さらには羞恥心さえも感じます。
それだけ自分のことを弱い存在だと信じていて、外側の状況に簡単に左右されてしまうのです。

ですから、周りから常に認められ、愛され、信頼され、許されることが最優先になります。
ときには、周りが認めてくれて、愛してくれて、信頼してくれて、許してくれるのであれば、周りに迎合して、やりたくないことでもやります。やりたくない気持ちを心の中に隠しながら・・・。
そうやって自分に嘘をついてでも、周囲からの承認、愛、信頼、許可に依存し、自分を守ろうとします。
これが、自尊心(プライド)です。

「一番大切に扱われたい」「誰よりも優先されたい」「いい人と思われたい」「価値ある人と思われたい」「有能だと思われたい」「常識ある人と思われたい」・・・
このように、自尊心(プライド)は、どんどん肥大化します。

自分を犠牲にして、嘘をついてまでがんばっていると、それ相応の見返りの形としての承認、愛、信頼、許可がますます欲しくなります。
「こんなふうに認められたい」「あんなふうに扱われるのはイヤだ」と理想の認められ方、愛され方、信頼のされ方、許され方にこだわるのです。
そして、その自尊心(プライド)を満足させるために周りをコントロールしようとして、際限のない不毛な努力を続けることになり、苦しむのです。

強くなるには、単に自分の弱さを取り除くこと

マスター・ゲート氏は、次のようにおっしゃいます。

輪廻から卒業し、解脱するためには、皆さんは強くならないといけません。
精神的に強くなるには、どうすればいいでしょうか。
自分自身を弱くしているもの、それを自分自身が除去しないといけません。
皆さんが強くなれずにいるのは、あまりにもあまりにも、自分自身を弱くしているものから影響を受けているからなのです。
皆さんを弱く、軟弱にしているものはなんでしょうか?

それは、何でもない自尊心です。
その自尊心のために、皆さんがとても弱くなるのです。

人間関係において、「あの人がこうだから、私はとても気分が悪い」「あの人がこのように私に言うから、とても気分が悪い」
そんな出来事がいろいろあると思います。
それもすべては、自尊心があるがゆえに、皆さんが弱くなるということです。

では、自尊心とは何でしょうか?
ただの「私の考え」です。
「私のこだわり」に過ぎません。
大したことのない考えのために、自分自身を脆弱に作り出すので、強くなることができないのです。

悟っていくということは、まさにそういった考えを果敢に捨てていくことなのです。

何でもないものですから、果敢に捨てる必要すらありません。
でも、そういったものが皆さんの足首を掴んで、飛ばないようにしているのです。

それは本当に大したことがない、小さなものです。
皆さんはそういったものを整理して、捨てていくのです。

強くなるのは、努力してなるものではなく、脆弱さを投げ捨てれば、強くなるのです。
強くなるために努力するのではありません。
強い意志を出して、精神的に誓いをする必要もありません。
それを投げ捨てて、そこから自由を得るとき、皆さんは知恵深くなるようになっています。
とても賢明になるようになっているのです。
以前には全く思い浮かぶことができなかった考えが浮かんで、以前には全くすることができなかった判断ができて、以前には全く発揮することができなかった知恵が湧くのです。

何か特別な瞑想をして、修練をするから、前に進むのではありません。

それは、「まだまだ私は脆弱で、弱いので、私は強くならないといけない」
という考えが敷き詰められているので、そのようにするのです。
実は、そのようにする必要はないのです。

そのような取るに足りない自尊心に対して執着し、それが問題となるわけですが、
執着心が問題を大きく作っているのであって、
実際に問題というものは、「私」がはっきり見破ろうとすれば、何でもないものなのです。

単に、振り払ってしまえば良いと思えば、振り払えるものです。
問題に力があるのではなく、問題を掴み続けている「私」に力があるのです。
「私」が問題を手放したら、問題は消え去っていくのです。

これは、愛の関係においても言えますし、人生で起こる様々な出来事においても言えます。
「これは私にとっての限界だ」「私にとって、これはとても大きな障害だ」
これはすべて、言葉のうえでの弁解に過ぎません。

誰がそれに力を与えているかと言えば、私自身です。
「私」がそれに力を与えずに無視して、振り払ってしまえば、何でもないものたちなのです。
そうすると、どんな現象が起こるでしょうか?

本当にものすごいものだと感じていたものが、何でもないことのように感じるのです。
「私」を束縛して、押し潰していたもの、その束縛が消えるので、すぐに自由が訪れます。

その次をどうすればよいか、考える必要はありません。
自由が、自由へと導いていくのです。

 

自我は、自尊心(プライド)を満足させられれば、自分が大きくなり、強くいられると勘違いしがちです。
しかし、実は逆に自尊心(プライド)が大きくなることで、それに翻弄され、エネルギーを奪われて、弱くなってしまうのです。

魂のまま、抵抗せずに正直に生きると楽になる

外側から承認、愛、信頼、許可を一時的に得られたような気がしても、それは続かず、欲しい強さは得られず、永続的な安心はないでしょう。
不足を外側に求めるのではなく、「このありのままの自分でいい」と自分自身に承認、愛、信頼、許可を与えてあげる必要があります。
それは別の言い方をすれば、周りを気にせず、本性のまま、魂のまま、抵抗せずに正直に生きることで強くなるということです。

外側からの承認、愛、信頼、許可を得ようとして、何かを演じたり、誤魔化したり、フリをしたり、カモフラージュするのではなく、自分に嘘をつかずに真摯に生きるのです。
自我は、「こうしないと生きていけない」と巧妙に騙してきて、本当の自分を雲のように覆ってしまいますが、その声に騙されず、「これが自分だ」となりすまそうとする自我を振り落とすのです。
それは、外側からの承認、愛、信頼、許可を得られないことを怖れないということです。

外側からの承認、愛、信頼、許可を得られない状況は自我にとって安心できず、とても恐ろしいことです。でも、「本性のまま、魂のまま、正直に生きるんだ!」と心から決意すれば、少しずつでも手放すことができます。
外側からの承認、愛、信頼、許可を得ることにこだわらなくなってきたら、自分が強くなってきているのを感じるでしょう。

そのためには、「こんな自分でいたい」という理想を、少しずつ手放していきます。
「私がやっている」という自尊心・プライドにしがみついてきたかもしれませんが、それを手放すのです。

「私がやっている」という自我を振り落とすと、本当に楽で、シンプルで、安心できる人生が展開するようになってきます。

 

 

ドルフィニスト篤
ドルフィニストアカデミー主宰。京都大学理学部物理学科卒業。京都大学院理学研究科物理学専攻、修士課程修了。2001年より、イルカのスピリットをチャネリングする綾子夫人と共に、イルカのように生きる「ドルフィニスト」を提唱し、全国にて講演活動を行い、人々の目覚めやヒーリングに従事する。現在は悟りのコミュニティにおいて、鋭い論理と慧眼で悟りへと導いている。著書『悟りハンドブックー〈私〉を思い出すこと、それが悟りです!』(ナチュラルスピリット)。

 

 

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『悟りハンドブック』
ドルフィニスト篤著/ナチュラルスピリット

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『悟りの錬金術』
マスター・ゲート著/アン・テファン訳/ナチュラルスピリット