こんにちは、占術家のいくらです。
今年も残すところ、あとわずかとなりました。街にはクリスマスツリー、お店の中ではクリスマスグッズや正月グッズが目立つようになり、いよいよ年の瀬も押し迫ってきました。
2021年の新年には「疫病退散」を願い、初詣に足を運びたいところですが、新型コロナウイルスの影響で、参拝するのを躊躇している方も多いかもしれません。
そんな方たちも含め、今回から数回にわたり、「美」をテーマにご利益のある寺社仏閣をリポートしてご紹介しましょう。
※イラストは私が描きました。
江戸時代に生まれた美肌成就の伝説「おしろい地蔵」
日本の神社は「除災招福」「家族繁栄」「学業成就」など、様々なご利益を授けてくれます。中には、「顔に関する病気を治す」「美容面で美しさが増す)」など、顔に関してご利益のあるものも。
人相を長年探究する私にとって、顔は外せないテーマです。今回、シリーズ最初にリポートするのは、東京都港区三田にある由緒正しきお寺の「玉鳳寺(ぎょくほうじ)」。
このお寺の山門脇には、なんと全身におしろいを塗られた珍しいお地蔵様が祀られているのです。正式名称は「御化粧延命地蔵尊」。
平成4年に港区の有形民俗文化財に指定されています。
お顔やお身体が白粉(おしろい)で真っ白になっているのが特徴で、特に「美肌」のご利益があります。
なお、参拝するときは、この真言を唱えると、お地蔵様が参拝者に気づいて、願いを聞き入れてくれるのだとか。
「おん か か か びさんまえい そわか」
その後、願いが成就したら再度参拝し、お礼としてお地蔵様の全身に白粉を塗り、ご利益を授けてくれたことに感謝します。
「おしろい地蔵」の由来
寛永年間(1624年〜1645年)に玉鳳寺が江戸の京橋八丁堀にあった頃、街なかにある地蔵橋のほとりに、無惨にも捨てられていたお地蔵様を、たまたま見つけた格翁宗逸和尚が不憫に思い、玉鳳寺に持ち帰りました。水でていねいに洗い清め、壊れた箇所を修復してみたものの、あまりの痛わしさにお顔に白粉を塗り、その後、お堂を建立して祀ったところ、長年和尚を悩まし続けた顔のアザがキレイに消えたのだとか。
この話が江戸中に広がり、それからというもの、参拝者が自分の身体で調子が悪い部分と同じところに白粉を塗って祈願するようになり、「御化粧地蔵」と呼ばれるようになったそうです。
その後、京橋八丁堀に同心町(江戸時代の下級役人が配置された町)が置かれることになり、玉鳳寺は芝三田に移転。地蔵尊は元禄末期までそのまま置かれていたようですが、その後は玉鳳寺に移転しました。
その他の情報
玉鳳寺の山門は、第20代総理大臣・高橋是清(たかはしこれきよ)が明治39年(1906年)7月10日に寄進したものです。境内には、六地蔵様が祀られています。
また、境内の南東には、「美遥観音」が鎮座しています。この観音様は、昭和60年(1985年)の日航ジャンボ機墜落事故により、24歳という若さで亡くなった、宝塚歌劇団出身で女優の北原遥子さんがモデルになっています。
当時の化粧事情
当時は、1600年の関ヶ原の戦いにより徳川家康が勝利したことで、長い戦国の世から、江戸の栄華が反映する時代の切り替わりの時期でした。
民衆の化粧事情としては、平安時代から色白の肌がよしとされていて、白粉を肌にはたくのが一般だったようです。
眉を剃り、額の高い位置に黛を入れました。歯を黒くする「お歯黒」の習慣もこの頃にはすでに存在していたようです。
ちなみに戦国時代の美人としては、織田信長の妹「お市の方」、その長女「茶々」、明智光秀の娘「玉(細川ガラシャ)」が挙げられます。
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いかがでしたか?
次回も、顔にまつわる神社仏閣の情報をお届けしましょう。
今回、ご紹介したのは・・・
曹洞宗梧棲山 玉鳳寺「御化粧延命地蔵尊(おしろい地蔵)」
●ご利益/美肌成就・無病息災・延命長寿
東京都港区三田4-11-19
TEL. 03-3451-7214
*アクセス/東京メトロ南北線「白金高輪」駅2番出口より徒歩5分。都営地下鉄浅草線「泉岳寺」駅より徒歩15分。
いくら
人相研究・占術家。セツモードセミナー修了。顔学会会員。観相術(人相・手相など)四柱推命を主に扱う。喫茶店やファミレスなどで対面鑑定を行う傍ら、セミナー講師、Web・雑誌の記事の執筆・監修など、多岐に渡り活動している。
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