こんにちは。占星術家のいけだ笑みです。
昨今の空模様から連想される徒然について、今回も発信します。
風が吹かない凪の状態という緊張感
「大会合」だ「イングレス」だとにぎやかな空模様だった年末年始でしたが、2月は大きなイングレスも食(日食月食)もなく、穏やかな空模様です。
・・・と、みーせーかーけーてぇー!
そんなことを言えるのは、大海原で「凪」の恐ろしさを経験したことのないインドア派の都会人だけです(自分もそうやけど)。
私が凪が恐ろしいものだと知ったのは、2008年~2011年にかけて間寛平氏(太陽・蟹座/月・牡牛座)が行っていた、アースマラソンと言われる世界一周プロジェクトの中継を夢中で見ていた頃です。
動力源の無いヨットでは、風の吹かない凪の日にはできることは何もないのです。それが何日続こうと・・・。
見渡す限り海原しかない太平洋の真ん中で、身動きが取れない状態で過ごすことを想像すると、クラクラするほどに恐ろしいです。
間寛平氏も、「何日嵐が続こうと、どんな高波に翻弄されようと、弱音を吐きたくなるのは凪が続いたときや」のようなことを言っていたと思います(記憶があいまいなので、間違ってたらごめんやで!)。
「凪」という表現を使ったのは、現在、風の不動宮である水瓶座の季節だからですが、天体の運行が次の6つの星座に位置する時は、元素(エレメント)と原質(クオリティー)との組み合わせから、以下のよう状態となります。
活動の風(天秤座)→ 突風
柔軟の風(双子座)→ そよ風
不動の風(水瓶座)→ 凪
活動の土(山羊座)→ 建造、土石流、砂嵐
柔軟の土(乙女座)→ 粘土
不動の土(牡牛座)→ 山
2月は“ある種の風穴”があく状況に
1月7日に牡牛座入りした火星は、牡牛座に留まる天王星と合流する形で、水瓶座の天体たち(土星・木星)と90度の緊張した角度を取り、それに太陽が合流するのが、2月の空模様のメイン。
不動宮同士の“ガチ・スクエア”です。
トランシットの基本は、外惑星同士の主要な配置に、太陽や月などが合流して初めて、現実世界での物事の変化が実感として落とし込まれると考えます。
外惑星同士の配置は、世相としては「社会を動かすムーブメント」を担い、それが各々の生活に侵食してくるのは、
●月(日常)
●水星(思考)
●金星(楽しみ)
●太陽(仕事や進路)
がその配置に合流してから、と考えるとわかりやすいですね。
不動宮スクエアで張り詰めたテンションは、天王星という突破口を求めて打開策をあれこれ出さざるを得なくなるのが、今回の配置のかっこいいところでして。
単に不動宮がスクエアになっているだけであれば、「山・凪」チーン!みたいな水墨画で終わってしまうところに「改革」が加わっているので、“動かし難きを動かす力”を生むんですね。
不測の事態でも歓迎すべき「圧力鍋のピー現象」
このような不動宮の「緊張した配置」は、現在、全世界的に降り注ぐムードとして現れています。
このような中、特に不動宮に「アセンダント」「太陽」「月」「アセンルーラー」の四大要素を持つ人は、強い影響を受けることになります。
不動宮の葛藤の基本は、「あっちもこっちも手放せない」「どこも妥協できない」「自分さえがんばればなんとかなる(予定)」なので、基本、周囲からはじっとしているようにしか見えないのですが、内部圧は相当なもので、今回の天体配置は圧力鍋の蓋についている空気口がピーーーー!!した時のような状態でしょうか。
例えば、大学生が「単位」と「バイト」と「夜遊び」、どれも手放せずに全部やりたいという葛藤を抱えていたとして、「寝なければできるかも(天才)」みたいなところに、ピーーー!! 夜のバイトはコロナでできませんみたいな。
不動宮本人からしたら、「計算外」「そんなはずじゃなかった」「できると思ってた」になるが、それ強行すると体がピーーー!するやん?という点を忘れないでほしい。
何を言いたいかというと、2月の「ピーーーー!」はある意味歓迎すべきピーーー!であって、ここでピーーー!しといたほうが、大きな目で見るとよかったですね、になるということです。
不動宮が求める完璧さは解体されるのが吉
ところで実は、不動宮の「自分さえがんばればなんとかなる」という考えは、逆説的に「環境依存的思考」なのです。
猶予の無い完璧スケジューリングというのは、周囲が定刻通り滞りなく動いてくれる前提で成立するものであって、不確定要素に対して全く対応できないという落とし穴が。
電話をかける前に、言わなきゃいけないこと箇条書きにしていると、逆にちゃんと喋れない現象ですね。相手が想定外のリアクションをすると、フリーズしますよね。
不動宮の緊張はある意味、「完璧というファンタジー」に挑んでいるのであって、不確定要素(天王星)が入ることで、いったん解体されるたほうがいいのかもしれないですね。
すみません・・・。これ書いている私も、月が水瓶座にあったりしてピーーーー!しそうなので、今回はこのへんで。
いけだ笑み
宇宙のからくりと人間存在の謎について、物心ついたころから考え続け、古代占星術と錬金術思想にたどりつく。1999年からプロの占星術家としての活動を開始。主にホラリー占星術の研究と実践に取り組みながら、東京、大阪、仙台、福岡などで講師活動やイベントを主催。著書は、『基本の「き」目からウロコの占星術入門①』『基本の「き」目からウロコの占星術入門②』『ホラリー占星術』(説話社)、『フレンドリータロット』(太玄社)など。
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いけだ笑み著/ 太玄社
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