11月末に発売された、ティール・スワンさんの新刊『なぜ「孤独感」を感じてしまうのか』(徳間書店)。本書は世界的に人気のスピリチュアルリーダーであるティールさんの抱える切実な状況がきっかけとなり、1年以上にわたる自己探求によって生まれたそうです。この本の読みどころを、翻訳者の奥野節子さんにご紹介いただきました。

人と一緒にいても感じる深い孤独感

たくさんの人に囲まれながらも、友人や恋人と呼ぶ人と一緒にいるときでさえ、心の奥で「自分は一人ぼっちだ・・・」と痛切に感じたことはないでしょうか?
他人が近くにいるかどうかとは関係ない、この深い孤独感や寂しさこそが本書のテーマです。

著者のティール・スワンは、生まれながらに並外れた超感覚を持ち、子供の頃から10年以上もカルト集団から精神的・肉体的虐待を受けるという過酷な経験をしたことで知られています。
自由の身になってからの彼女は、自殺願望やパニック障害などの凄まじい苦しみと日々向き合い、自らのトラウマを乗り越えて、現在は自己愛について教えています。

そのティール・スワンがなぜ、「孤独」をテーマにした本を書いたのでしょうか?おそらく彼女の子供時代は、はたから見れば幸せでしたが、自身の内側はずっと孤独に苛まれていたのでしょう。
自分の持つ超感覚的な能力も、カルト集団からの虐待も、誰にも理解されず、一人ぼっちの世界で成長したのです。
そして、スピリチュアルリーダーとして有名になってからは、彼女が切実に望んでいた親密さはますます手の届かないものになりました。大勢の人が彼女を高く評価し、世間から望まれているように見えても、誰一人として本当の彼女を見ておらず、理解してくれてもいないという孤独感に苦しめられていたのです。

ティール・スワンは1年以上にもわたり、孤独そのものとじっくり向き合い、孤独というものの構造を分析しました。その結果として彼女が得たものは、孤独とは正反対のもの、つまり、つながりについての明白な理解だったのです。本書では、「分離」「恥」「恐れ」という三つの観点から孤独感を徹底的に分析し、その構造を理解し、孤独感をつながりへと変えていく方法を学びます。

自分とのつながりを取り戻す

ティール・スワンの教えを、一言で言えば、「自分のあらゆる感情を大切にすること」です。自分がどんな感情を感じたとしても、そこには十分な理由があることを認めて、決して無視したり、批判したりしてはいけないということです。

幼い頃に、親から自分の感情を認めてもらえなかった場合、大人になってからも自分や他人の感情への対処法がわからず、友情や恋愛関係は苦痛に満ちたものになってしまいます。
これは、感情的な機能不全が見られる人間関係ですが、その例を翻訳していたとき、私自身、驚くような経験をしました。

その例とは、「思うような昇進が叶わず、落ち込んでいた時、友人から”ネガティブにならず、明るく前を向いた方がいい” と言われた」というものでした。
この友人関係がどうして機能不全なのか、何が問題なのか、私にはまったく理解できませんでした。なぜなら、自分の人生でよく見かける場面だったからです。

「友人は、落ち込んでいる相手の気持ちにまったく寄り添っていないから機能不全の関係だ」というティール・スワンの答えが戻ってきた時、それがまさにトリガーとなって、私はものすごい恥ずかしさに襲われました。
なぜなら、「気にしすぎる」「敏感すぎる」「神経質すぎる」などという周囲の声に、自分の感情を拒絶し、心の奥深くにずっと隠していたことに気づいたからです。自分の拒絶した感情が再び浮かび上がってきたことは、私にとって、本当の自分に近づく大切な一歩となりました。

本書を翻訳中、いく度となく感情が揺さぶられ、子供時代の経験が蘇りました。ティール・スワンの言葉には、単なる理解を越えて、心あるいは魂レベルに働きかける力があるようです。
心の奥にある抑圧された感情や思い込みや信念を刺激して、表面へと浮上させ、ヒーリングを加速させてくれるように感じます。ただし、その過程で、自分自身が意識的に心理学的なワークを行うことが必要になるでしょう。
本書には、そのための様々なワークが紹介されています。それは、どれもティール・スワンが、自らの癒しに用いた非常に効果的なワークばかりです。

もし孤独感や寂しさを感じているなら、ぜひ本書を読んでいただきたいと思います。そして、自分の孤独感としっかり向き合い、その時に湧き上がってきた感情をすべて味わってみてください。
自分の中にあるものをありのまま感じることができるようになったとき、孤独に対する恐れはなくなり、本当のつながりを築く準備ができていることでしょう。

(この記事を書いた人/奥野節子)


『なぜ「孤独感」を感じてしまうのか』
あなたの魂を癒す自己カウンセリングとワーク

ティール・スワン著/奥野節子訳/徳間書店
本体2000円+税

 

 

 

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