このご時世、世界からの批判をよそに東京オリンピックは閉幕した。
2016年のリオデジャネイロの夏季大会とは様相が異なるのも、いたし方のないことなのだろうが・・・。
毎日、暗い話題の報道が多い中、日本のメダル獲得が合計で55個だったことは、一服の清涼剤になったのではないだろうか・・・。

不安な時代に希望の光を灯す対談本

本書『風の時代を幸せに行き抜く方法』(きずな出版)は今年2月に開催されたオンラインセミナーでの講演と対談がもとになっている。
自己啓発関連書籍の累計売上が800万部を超えている投資家で作家の本田健さんと、ヒーラーでスピリチュアル系書籍のベストセラー作家として不動の地位を築いている並木良和さんとの、貴重な対談だ。

出版業界で引っ張りだこの両横綱の共著というだけでも、興味を魅かれるではないか。
しかも、出版社がきずな出版というのがなんとも氣になる!
なぜなら、社長の桜井秀勲さんは今年90歳の現役バリバリの御仁。何よりも昭和30年代、『週刊女性』を毎週100万部発行していたことで、つとに有名な出版業界の有名人。辣腕編集長としても名を馳せた人物だからだ。

それぞれが頂点を極めた御三方の共同作業でできた書籍だけに、どんな内容なのか興味津々に読ませていただいたのだが・・・。

第1部、本田さんのページでは「風の時代を楽しむために大切な6つのこと」と題して、
以下の6つのテーマで語られている。

(1)風の時代とはどういうものなのか
(2)世界をエネルギーの流れで見る自分の中に風を起こす
(3)自分のなかに風を起こす
(4)まわりに風を起こす
(5)スピリチュアル・クライシスと目醒め
(6)風の時代とお金

第2部、並木さんのページでは「あなたは風の時代に何を選択しますか」と題して、
以下の7つのテーマで語られている。

「地の時代」から「風の時代へ」
これから生きやすくなる人たち
直観を大切にして生きる
つながっていく世界
お金の概念も変わっていく 
あなたの現実をつくっているもの
自分の意識に何を入れるか

そもそも、この本のテーマは「地の時代」から「風の時代」への移行。この基本の部分に関しての理解が深まったので、ここでおさらいしたい。
占星術的には、地球から見て、20年周期で木星と土星がピッタリと重なる現象を「グレート・コンジャクション」と言う。

そして、これまでの240年間は、地の星座(牡牛座・乙女座・山羊座)のいずれかの位置でグレート・コンジャクションが起きる「地の時代」だった。
それが昨年12月、風の星座である「水瓶座」でグレート・コンジャクションが起こり、今後の240年はいずれかの風の星座(双子座・天秤座・水瓶座)で起きていくので、すでに「風の時代」へと移行している。

いずれも、グレート・コンジャクションがポイントとなるわけだが、なるほどと考えさせられたのは次のことだった。
グレート・コンジャクションが起きる際、木星には「発展、拡大のエネルギー」があり、土星にはその逆の「縮小、崩壊、衰退などのエネルギー」があるため、正反対のエネルギーがコンジャクションする(つながる)ことになる。
それにより、大きなカオス(混沌)が生み出されるが、カオスの中には創造のエネルギーが満ち満ちているという。

このような天体周期の変化の渦中で私たちは生きているわけで、世界的なコロナ禍はそれを見事に証明していると思える。

意識が変われば現実が変わる

第3部はお二人が「魂」「直観」「断捨離」「ハート」「浄化」などをテーマに語り合い、「風の時代」の追い風に乗って生きていく大切さで締めくくられている。
本書の中の、並木さんのこの言葉は、特に印象的だった。

朝起きたときというのは、潜在意識と呼ばれている深い意識の層がまだオープンになっている状態です。
そんなときにネガティブなニュースを見たり聞いたりしたら、この潜在意識に、そういったネガティブな情報が知らないあいだに刻み込まれます。
(中略)
それが、「最近ネガティブなことばっかりが起きている」とか「うまくいかないことばかりが人生に起こる」という残念な結果を招いてしまうのです。

 

読み進めながらなんだか心が明るくなっていき、読み終えた後、外の風景がガラッ!と変化して見えたのだから驚きだ。
1時間弱で読み終えたほど、読みやすくてわかりやすい。久しぶりに清々しい氣分になっている自分がいた。
全編を通して、幸せに生きるための有意義なヒントがちりばめられた本書は、心が前向きになり、勇氣と元氣をもらえることは間違いない!

(この記事を書いた人/丹波-浪速道)

『風の時代を幸せに生き抜く方法』
本田健、並木良和著/きずな出版
本体1,400円+税