コロナウイルスの自粛が明けて、最近は営業で書店を訪れる日が多くなってきた。
書棚の前に立つと、各出版社の新刊が所狭しと平積みされている。
どの新刊からも、それぞれの出版社の「どうかたくさん売れますように!」というエネルギーが強く感じられる。
パンデミックでほとんどの書店が休業を余儀なくされたのだから、どこの出版社も一冊でも多く売りたいと考えるのも当然のことだろう。

優しく精妙なエネルギーを放つ一冊

いつものように棚の前でどんな新刊が出ているのか、全体を見回していた時のこと。
「売れたい」と自己主張している多くの新刊が貴重なスペースで陣取り合戦をしている中、黄色いカバーで真ん中に太陽を思わせるような絵が描かれている一冊が目に飛び込んできた!
なぜか氣になったその本からは、優しく精妙なエネルギーが放たれているようだった。周囲に大量に積まれている他の新刊とは、明らかに異なった波動だ。
そこで、何氣なく手に取ってみたのだが。

『愛まく人 次元を超えて』というタイトルに、“不食・不争の弁護士”はなぜ、どのように変身したか?と添えられた表紙の言葉。著者は、秋山佳胤さんだった。

秋山さんといえば、ブレサリアン(呼吸食者)、つまり「不食者」としてつとに有名な方だ。
私は2013年夏、『StarPeople 47号』のサブ特集「食べない究極の世界、不食」で、彼の弁護士事務所で取材させていただいたことを思い出し、懐かしくなった。

 

当時の秋山さん。

事務所には、ChieArtさんの光の絵が飾られていました。

 

『愛まく人』(風雲舎)は著者の第14作目に当たる。
2013年秋の処女作『誰とも争わない生き方』(PHP研究所)から本書まで、毎年、彼の著書は発売され続けていて、そのお蔭で「不食=人は食べなくても生きられる」という概念がかなり社会に浸透してきたのだと思う。

著者が振り返る人生の軌跡

14冊の著書の中で、著者の現在までの人生の旅路が描かれているのが、本作『愛まく人』。
日経新聞で64年もの長きにわたって連載中の「私の履歴書」という読み物があるが、その秋山佳胤さん版とでも言えばいいのだろうか(笑)。

私の記憶では、著者が世間から脚光を浴び始めた時期は2016年頃だったのではなかったかと思う。
普通なら「トンデモ」で片づけられてしまっていたであろう「不食」。
ところが、2016年に大手出版社の幻冬舎さんから『不食という生き方』が発売されたことで、流れが大きく変わったようだ。

それまでは普通の弁護士だった著者が、その頃を境にして大きくジャンプし始めていくのだ。

5年半にも及んだ司法試験の受験時代。
肉体的な強さに憧れ、牛殺しや劇画『空手バカ一代』で知られた故・大山倍達氏の極真空手への入門。
「争わない弁護士」への道。
最先端の波動医学「ホメオパシー」の学びと、スピリチュアリティへの目覚め。
聖地・グラストンベリーでの神秘体験。
「不食」の先人、ジャスムヒーンさんとの邂逅。
熱帯雨林保護活動、シンギング・リンのワーク、パレスチナ・イスラエルへの「平和の旅」、闇と光の世界についての学び、神聖幾何学と綿棒ワーク、ツインレイとの「魂約」・・・。

自分の軌跡を見てわかったのは、どれもこれも私にとって必然だったことです。
出会った人たち、精霊たち、ハプニング、もの・こと。すべて天から贈られたギフト、または試金石でした。
転ぶなら転べ、超えられるなら超えていけ、のようなお試しでした。(本文より)

 

このようにして、著者の「内なる神」が何者かに惹かれるように目覚めていく過程が克明に描かれている。

世界中がコロナウイルスのパンデミックで大変な状況に置かれているこのタイミングで本書が発売されたことには、何か大きな意味があるのではないだろうか。

コロナウイルス・パンデミックが意味するもの

このパンデミックにより、人間社会の経済や政治などの仕組みが大きな打撃を受け、グレイト・リセット(大変革)を迫られているように思わざるを得ない。
そうなれば、必然的に人間の生き方も変わらざるを得ないだろう。

世界各国のパンデミックへの対応を観ていて、「あまりにも日本行政の対応はお粗末だ」と感じたのは、私だけではないはずだ。
今後、コロナウイルス・パンデミックの第二波、第三波の可能性があるとの識者の声も多い。
「果たして、このままの生き方でいいのか?」
「自分を変えたい!」
そう感じている人たちが、かなり増えているのではないだろうか?

本書に描かれている著者の人生の旅路は、どんどんステージが変容していくのだが、「これからの自分の人生を変えたい!」と願う人たちにとって、とても参考になるように感じられる。
それはあたかも、次の時代の生き方を見せてくれているようだ。

さて。
ここで、二つの名言に触れてみたい。

●一つ目は、格言「ピンチはチャンス」

●二つ目は、「What doesn’t kill you makes you stronger」
直訳すると「あなたを殺さないものはあなたを強くする」。つまり、「”死”以外の逆境はあなたを強くする」という意味のようだ。
(この名言は、2011年に全米で大ヒットした失恋ソング『Stronger』の中のフレーズで、世界的に活躍している米国のポップロック歌手Kelly Clarksonの曲である)。

コロナウイルスが原因で自身の将来について模索しているとすれば、それは実は、またとないチャンスの到来なのかも知れない。

炭素とケイ素は、元素周期表でみると、同じ第14族の隣同士(炭素の次がケイ素)で、性質はとても似ています。
炭素系からケイ素系に移るとは、電子の軌道がひとつ遷移して外側にくること、つまり離れていくことです。周期表でいえば、「次元上昇」です。

次の次元へステップアップしていくわけですが、その瞬間はとても不安定です。遷移して変化するにはどうしても不安定になりますから、次元アップの瞬間も、不安定をともなうのです。
いままさに地球自体がアセンションの真っ最中と言われます。

(中略)
音楽も同様に、倍音になるヘルツのところ、例えば369ヘルツは、ちょうどキリの良いところです。そのキリの良いところで、パッと次元上昇し、遷移する瞬間、すごく不安定になるのです。
別の言い方をすると、これまでの安定が崩れないと、次の発展はないということでしょう。(本文より)

 

秋山さんは一足早く、新たな時代を予見し、私たちよりもアセンション(次元上昇)を体現している人なのかも知れない。
今、この大変な時期だからこそ、この本を必要とする人たちはきっとたくさんいるに違いない。なぜなら、本書には新たな時代を読むためのヒントが凝縮されているからだ!

(この記事を書いた人)
丹波-浪速道/元ナチュラルスピリット社の関西支局担当者として、営業・取材・編集などに6年間従事。丹波~浪速の(京都~大阪を主軸とした)近畿圏の霊ラインを活性化させて、伊勢~白山の霊ラインにからませた霊ラインの十字架をつくることで、日本人の意識の目醒めを促進。1986年、アメリカ大陸を101日かけて自転車横断達成。生まれながらの冒険野郎。次なる夢は、地球の地底世界に移住すること。

『愛まく人 次元を超えて』
秋山佳胤著/風雲舎
本体1,800円+税