“受け取りの法則”。
スピ系本を読み漁ってきた筆者としては、タイトルから何となく内容を想像してしまう。読み進めるうちに「タイトル(から想像する)以上の内容だ!」ということもあれば、「誇大広告だなあ」ということも多々ある。
さて、本書はどちらであろうか?

自分を超えた未知なるものを受け取るために

率直に書けば、“受け取る(受け入れる)”的アプローチで、スピ系常套句の“手ばなし”の重要性を連呼するスタイルの本は多い。
しかし、読者としては“その手ばなし”をできずに困っているので「手ばなしできないことを手ばなす」みたいな、妙なダブルバインドに自分を追い込みがちになりやすい。

表面的なメソッドを突き抜けて、根こそぎ変容させてくれる内容だろうか?

“受け取り”ともうひとつ、オビ文掲載の本書のキモが、“春夏秋冬、「生命の樹」の神髄とつながる覚醒メソッド”とのこと。
なにやら一気に奥深い雰囲気が漂ってきたぞ。

読み進めてみよう。

本書のベースとなる部分を集約すると、このような感じだ。
私たちは「全体から分離した自己」として、自らを制限して生きている。それは、「自分の外側の世界と戦い、抗い、摩擦し努力して何かを獲得する」という、肉体が死ぬその日まで、心身を消耗し続けるという有限モードの囲いだ。その囲いを出るには、本当の自分は肉体や心ではなく「大いなるすべて」そのものであるという気づきにシフトしなければならない。

受け取るとは、自分が主体なのではなく、「自分を超えた大いなるもの」と主体とする姿勢です。自分が知っていると思っていること、コントロールできることを超えた「未知なるもの」を受け取り、行動することを意味します。
(本文より)

鍵は豊かさを実感している心の状態にある

常に私たちは、欠乏や不足に焦点を合わせているため、獲得・安心するために
事象をコントロールしようとあくせくし、思考は過去と未来に生きている。

受け取るとは、意識できないけれど確かにある力(フォース)を自分の中に受け入れることです。受信だと思ってください。
そして「もうすでに充分に(確かに)在る」見えない力が「自分を通して働く」ことを許可することです。「自分を超えた働きを体験しようとする姿勢」を意味しているのです。
(本文より)

受け取ることを可能にするのは「在る」ということを認める意識、つまり「豊かさを実感している心の状態」です。
無いと思っていると受け取れません。幸せになれない原因は「無い、足りない、欠けている」と感じる心の状態です。
(本文より)

「思考(今この瞬間の自分のありよう)が現実を創る」ということは、足りない状態を感じている限り、永遠に足りない状態を投影し続けてしまう。
…と、ここまでは、さんざん「現実創造」系の書でも語られてきたことだ。

どうしたって「不足感を感じないようにしなきゃ!」と新たな不安が生成され、ダブル、トリプルバインドの無限ループに陥りやすい。
どうすれば、「何かをしよう」とする自己が抜け落ち(※抜け落ちるというのがポイント!)、「ただ在る」ことに移行できるのだろうか。

「豊かな意識」を思い起こすと現実に投影されていく

物事は常に「在る=豊かな意識」で始めます。これは農業の種を蒔くことと同じです。ごく自然に意識もしないで種を蒔くと思います。種の中に実りがすでにあることを分かっているからです。
受け取りの法則は「始まり(種)と終り(実り)」がひとつに結ばれる方法です。調和の流れに運ばれながら、原因と結果までの間がクリアに整列する方法なのです。
(本文より)

この一節に、本書のキモが集約されているのではないだろうか。
豊かさを私たちは「知っている」のだ。それをただ思い起こすだけで、現実に投影されていく──。リンゴの種を見たときに、美しいリンゴがたくさんできることを知っているように。
それを現実にするために、ただ種を蒔き、水をやり、陽に当てて、育っていくのを「待つ」だけなのだ。

そこには春夏秋冬の流れがあり、荒天もあり、干ばつもあるが、土壌である私たちの「今この瞬間」の在りようを整えることで、美しい実が結実する。
整えるとは、宇宙の流れそのものに身をまかせ、信頼することなのだ。

本書は、春夏秋冬の流れに沿う指針や、読む人を応援する言葉で大きな方向性がつかめる作りになっている。まさに、「あなたの実」の育て方ガイドである。
だけど、「あなたが育てる実」も「私が育てる実」も、実は同じリンゴの種。
育て方は違えど、最終的には、どうやっても必ず美しいリンゴがなるのだ。

水瓶座、女性性の時代に突入したと言われているが、「何かをする」のではなく、ラク〜に流れに身を任せ、「ただただ育てる体験」へと意識を移行させてくれる書です。

『受け取りの法則』
おまかせの流れに乗る新しいエネルギーのとらえ方

小西温子著/徳間書店

 

 

この記事を書いた人
営業部・マーソロミュー

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