去る9月8日と9日の2日間、マインドフルネスと禅の世界をテーマにした国際フォーラム「ZEN2.0」が開催されました。場所は、北鎌倉の「建長寺」とその隣にある「鎌倉学園」。建長寺は、鎌倉五山(五つの寺)の第一位とされる、由緒正しき禅寺です。
国際フォーラムといっても、自由でひらけた雰囲気が絶妙な心地良さを感じさせてくれるのが、このイベントの魅力のひとつ。
1年前に初開催し、第2回目となる今回も、国内外からマインドフルネス界の豪華ゲスト14名を迎え、2日間で35にものぼる充実のプログラムが組まれました。

 

写真には写っていませんが、建長寺の境内はゆったりと広く、たたずんでいるだけで気持ちが安らぐような、素朴な美しさに満ちていました。

国際フォーラムといっても、まったく堅苦しさはなく、自由でひらけた雰囲気が絶妙な心地良さを感じさせてくれるのが、このイベントの魅力のひとつ。
開放感あふれる広々とした部屋がいくつも用意され、そよ風が吹き抜ける中、ゲストのお話に耳を傾けたり、それが終われば、ひと休憩して、別の部屋で開催されているプログラムに足を運んだり。講義だけではなく、ボディワーク系のプログラムもあり、あきない時間が過ごせるのです。

どれもが魅力溢れる新鮮な内容に、参加した人たちには心地よい余韻が残ったのではないでしょうか。その内容の一部を、3名の講演者をピックアップしてご紹介しましょう。

 

PICK UP REPORT 1清水ハン栄治さん

プチ超人化を可能にするWim Hof Method(ヴィム・ホフ・メソッド)入門

瞑想歴20年の清水ハン栄治さんは、マインドフルネスをはじめとして、幸せを向上させる伝統文化を世界中で探求し、映像や出版を通して展開しています。元々、大手企業で様々な優秀な成績を残し、独立後に渡米。独自のメディアプロデュース事業を立ち上げ、それが世界的にも評価されるに至りました。

訓練すれば超人になれるヴィム・ホフ・メソッド

講演テーマのWim Hof Method(ヴィム・ホフ・メソッド)とは、叡智の文化を継承する国々を探訪した清水さんが伝える、注目のメソッド。

「自分は仮面ライダーやウルトラマンに憧れていた人間で、変身するために6年かけて、世界中の〝知恵の文化圏〟(古くからの叡智を残す文化圏)を回りました」と言う清水ハンさんですが、変身するには心を整えることが重要で、それを叶えてくれたヒントはチベットの瞑想法であるツンモにあったそう。
通常は公開できないこの奥義も取り入れて、なおかつ独自の方法で身体を鍛え続けてメソッド化したのがヴィム・ホフさんというオランダ人男性で、そのメソッドを清水ハンさんは本人から直接教えてもらったのだとか。
ヴィム・ホフさんはその強靭な体質を明治のヨーグルトのCMでも披露しています。上半身裸のまま、極寒の雪山で平然とくつろいでいるシーンをご存知の方も多いのではないでしょうか? 氷水に長時間浸かっていられることから「アイスマン」の異名も持ちます。

ヴィム・ホフさんの信じ難い肉体機能の謎に迫ろうと調査がなされた結果、普通の人間より体温を高める能力が高く、病気に強いことが判明。その証拠に、
●極寒の状況でも、裸のままでいられる。
●暑さにも強く、砂漠を4日間、水も飲まずにマラソンした。
という、人間技とは思えない記録の持ち主。

その修練の賜物であるWim Hof Methodを身に着けた清水ハンさん自身も、マイナス30度の雪山を裸で5時間かけて登った記録を持ち、すでに「Wim Hof Methodマスター」だそうです。

超人化の秘密は「ブラウンファット」と特別な呼吸法にあり

このような超人的肉体を叶える鍵は、どこにあるのでしょう?
清水ハンさんいわく、ポイントとなるのは首の後ろにある「ブラウンファット」(褐色脂肪細胞) という部分。この部分が活性化すると体が温かくなり、抵抗力がつきます。それをさらに活性化させるには、シャワーの仕上げに冷たいシャワーをかける時間を増やしていくとよいそうです。

もうひとつのポイントは、ある時点で、圧倒的感覚を伴って体内から押し寄せてくる欲求を、心(意志)でコントロールして抑え込むこと。
これが一体何を意味するかはいったん脇におき、まずはこのメソッドの効果が説明されました。

Wim Hof Methodの効果

●朝食前に行うと、1日を元気に始められる。
●毛細血管の働きが良くなり、肉体がパワーアップする。
●1分間の呼吸数が減る傾向になり、燃費の良い体になる。例えば、腕立て伏せの自己記録を一気に倍増させたり、免疫を制御して花粉症の克服を促す。
●上級レベルになると、この特殊な呼吸法によって脳内の松果体が刺激され、幻覚物質であるDMT(ジメチルトリプタミン)が分泌されるようになる。

さすがはWim Hof Methodマスター。清水ハンさんは、とてもエネルギッシュな方です。

実際試してみたら、無呼吸の自己最高記録を更新!

なんともワクワクするようなこのメソッドを、参加者はいよいよ教えてもらうことに。
ポイントは、呼吸をコントロールしながら、〝軽い過呼吸状態〟を作り出すこと。これにより、肉体のパワーを限界を超えるレベルにまで高めることができ、日々継続すれば、強靭な体も体力アップも叶うのです。

清水ハンさんの指示に従い、次のような呼吸法を教わりました。

Wim Hof 流の呼吸法
1
あぐらを組むか、仰向けに寝転び、
鼻から素早く空気を100%吸い込み、
その空気を口から素早く80%ほど吐き出す。

※吸う時はお腹を膨らまし、吐くときはお腹を引っ込める。

2
この呼吸法を30回をメドに繰り返し、
30回目は、空気を思いっきり吸い込んで
吐き出した状態から、
耐えられるまで無呼吸状態をキープする。

※この時、苦しくてもリラックスすると、自分の限界値を越えられる。

3
最後に、口か鼻から思い切り吸って、15秒キープ。

●1〜3を4回行う。

ポイントは、呼吸が30回目に達したら、息を止めてリラックスしたまま、なるべく長い時間無呼吸をキープすること。

場内は一斉に、〝吸っては吐き、吸っては吐き〟の息遣いが聞こえます。その様子を確認しながら、どうすればなるべく長時間呼吸を止めたままでいられるかを、清水さんがマメに声をかけてアドバイスし続けます。
「吸って吐いて、吸って吐いて・・・吸って、そのままキープ。はい、この時、なるべくリラックスしてください。苦しいけど、リラックスすると自分の限界値みたいな山場を、2山、3山は越えられますから」。

そのことを心がけたら、確かに長い時間、息を止めることができました!
ただし、通常どのくらい息を止めていられるかを計測したことがないので、ちゃんとした比較はできませんが、「こんなに長い時間、息を止められるなんて、人生初かも!?」と思うくらいの無呼吸状態をキープできたのです。

この呼吸法を4セット行って、参加者たちは「無呼吸時間の限界」に挑戦。終了後のシェアタイムには、「通常よりも長く息を止められました」「自分的な新記録を出せました」という、喜びの感想がチラホラ行き交いました。

健康にもメンタルにも確実に良さそうな、こんなすごいメソッドがあったとは・・・。毎日続けたら、別人のような肉体を手に入れられるに違いありません。プロの指導のもと、実践できて超ラッキーでした。

 

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