新型コロナウイルス蔓延の拡大は止まりそうもない。日本の感染者数は、とうとう1万人を越え、政府も全国に緊急事態宣言の適用を拡大した。
不要不急の外出の自粛により、街からは人影が消え、多くの人々は自宅に籠もっている。
読者の皆さんは、どのようにお過ごしだろうか? ストレスはたまっていないだろうか? この状況は長く続きそうだ。
そこで今回は、日本ではほとんど報じられていない新型コロナウイルスに関する「役立つ情報」を、いくつかご紹介しよう。
疾病対策の最前線のジャーナル誌に掲載された「新型ウイルスの特性」
早くから新型コロナウイルス蔓延の抑制に成功した中国では、このウイルスの研究が急ピッチで進展し、さまざまな論文が発表されている。
そうしたもののうち、我々が知っておくべき情報がある。それは、以下のようなものだ。
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●通常の飛沫と異なり、すぐに落下せず空気中に数時間漂う
日本では、感染を防止するためには人との距離を2メートルは保つように要請されているが、最近の研究ではそれでは不十分とされ、少なくとも4メートルは空けたほうがよさそうだ。
「米疾病対策センター(CDC)」のジャーナルに、「中国軍事科学アカデミー」や「武漢火神山医院」が発表した論文によると、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は感染者から4メートル離れた空間から見つかったとのことだ。
この発見が事実だとすると、感染防止のためには、2メートルではなく4メートル以上距離を空けたほうがよいことになる。
●新型ウイルスが集中しやすい場所がある
このジャーナルに掲載された論文によると、研究者は2月19日から3月2日にかけて「武漢火神山医院」の新型コロナウイルスの病棟で、24人の患者を調査した。
すると、ウイルスは床と間仕切りに集中して見つかった。これは、患者の飛沫が飛び、落下した結果と考えられる。
それだけではなく、ウイルスはコンピューターのマウス、ごみ箱、ベッドの横板、そしてドアノブなどでも発見された。
さらに、検査で陽性となった患者を治療している集中治療室で働くスタッフの靴底からも見つかった。
これは、病院のスタッフが履いている靴が、感染を拡大させている媒介となっている可能性を示している。院内感染の原因のひとつかもしれない。
●すぐに落下する通常の飛沫と異なり、空気中に数時間漂う
論文を執筆した研究者が、空気感染の可能性を調査したところ、次のことも判明した。
くしゃみや咳のような通常の飛沫はすぐに落下するのとは異なり、新型コロナウイルスを含んだマイクロ飛沫は空気中に数時間漂う。
通常の飛沫の大きさは1ミリ程度だが、マイクロ飛沫は1ミリの1000分の1程度しかない。これが数時間も空気中に漂うのであれば、空気感染の可能性は否定できなくなるという。
しかし、“マイクロ飛沫が含有する微量のウイルスが実際に感染を引き起こすのかどうか、さらなる研究が必要だ”としている。
ところで、新型コロナウイルスを特集したNHKスペシャルの番組「新型コロナウイルス、マイクロ飛沫感染から分かる予防」では、マイクロ飛沫が空気中に漂う時間は約20分程度だとしていた。
しかし先の研究では、20分どころか、数時間も漂うとしている。だとするなら、密閉された部屋に入るときは、とにかく早急な換気が必要だ。
●気流に乗って拡散する可能性も
また、医学ジャーナルや科学論文を紹介している「タイランド・メディカルニュース」という著名な医療系サイトには、このような情報がある。
新型コロナウイルスが気流に乗って拡散する可能性を指摘する研究者いわく、「これはまだ研究中で結論は出ていないが、その可能性は否定できない」としている。
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やはり新型コロナウイルスの危険性は、思っている以上に高い。この情報を参考にして、ぜひ、人との距離を保ってほしい。