中国の秘法であるクンルンネイゴンの正統な継承者であると同時に、世界各地に存在するエソテリックの奥義を体得、体現、継承しながら一修行者としての人生を送る、Kan.さん。
前回に引き続き、このままではすたれかねない日本の未来を救う方法について、メッセージをお届けしましょう。
※このインタビューは、2019年4月に行われたものです。

日本が持ち直すための力に目を向ける

これは、モラルの研究で知られる「トロッコ問題」(「トローリー問題」「トローリーのジレンマ」)という設問です。

ものすごいスピードで走るトロッコの前方に、5人がいます。
声が届かずブレーキも利かず、このままではその5人は轢かれて死んでしまいます。
唯一できるのは、目の前にある線路の切替レバーを引くことですが、そうすると、線路を切り替えた先にいる1人が死んでしまいます。
あなたはレバーを引いて5人を救いますか?
その場合には、1人を犠牲にすることになります。

それとも5人を見殺しにしますか?
あなたは、どうしますか?

地球に生まれることとは、言ってみれば、この問題を常に突きつけられているようなものです。
「5人と1人なら、1人でしょう」と即答する人もいます。「正解は何ですか?」「Kan.さんならどうしますか?」と聞く人もいます。

いずれにせよ、そうやって安易に答えを求める姿勢は、本気をやめているのと一緒です。
人生というのは、常に渦中です。渦中に入るとは、本気になるということです。
地球に生まれて、本気にならなくてどうするというんでしょう? 本気にならなければ“減っていくばかり”で、本来培われるべきものも培われません。

国民の誰もが知ることですが、日本は人口が確実に減っています。人口が減るということは、税収が減るということです。税収が減れば、国力が落ちます。それは、国の存亡に関わることです。
やがてその日が訪れることは、予言ではなくすでに確たる事実ですが、問題はそこからどのように持ち直すかです。

その日を待たずしてこの世から去る私たちには、直接関係のない話かもしれません。だからといって、確実にやってくるその日を前に、ただ手をこまねいているだけでは無責任すぎます。
今のうちから、“持ち直す力”をばらまいておく必要があるんです。

日本には、日本特有の素晴らしいものがたくさんあります。畳や紙すきや着物といった伝統文化もあれば、日本人なら誰もが心の奥底にもつ、特有の精神文化もあります。
それは、海外の人が日本に来たときにしか味わえないような新鮮さを持つものです。

軍備を拡充して世界の大国と互角になることに躍起になるのではなく、異文化の人たちに「やっぱり日本っていいよね。日本人っていいよね」というものを呼び起こすことができたなら、日本という国を持ち直す力になりうるのではないでしょうか。
つまり、精神文化というスピリチュアルなものが、国力を持ち直す力になりうるということです。

国力の復興へとつながる日本特有の文化

その日本文化も、絶滅の危機に瀕しているといっていい状況です。身体文化である日本文化は、付け焼き刃ではできません。一度絶滅すると復活するのが難しいですが、今ならまだ間に合います。

入り口はなんでもかまいません。デジタル教育を受け、簡単でわかりやすいのがいいという価値観の中で育てられた若者が、スピリチュアルなものへ関心が向いた結果、日本文化に興味をもつことでもいいし、広く海外へと目を開いた先で、一巡して自国の文化の素晴らしさに目覚めるのでもいい。

もちろん、どの国の文化に興味をもってもいいですが、日本人は日本のものを一番深く掘ることができるのも事実です。そうなれる可能性を、今からでも残しておけたら、と願わずにはいられません。
これはナショナリズムの話ではなく、グローバリズムの話です。自国の伝統に誇りをもった民族同士がひとつになることが、本当の意味でのグローバリズムです。
未来へと向かいながら、古いものを愛す。進みながら戻る。それは素晴らしいことなんです。

わかりやすいものがもてはやされたり、安易に答えを求めたりといった現代の風潮は、人をいとも簡単に、従順な方向へと向けます。そういう流れに風穴をあけるのが、本当のスピリチュアルと言えるのではないでしょうか。

日本は令和の時代に入り、平成の時代とはまた違う色合いを出していくでしょう。
AIの技術はさらに進んでいくので、便利なものは使いこなしても、それに使われないよう、一人ひとりがグラウンディングを心がけて、本当のスピリチュアリティを培うことができればと思います。

(この記事を書いた人/佐藤惠美子)


Kan.
道教(タオ)に伝わる、覚醒のための秘術「クンルンネイゴン」の正統な継承者。幼少の頃より武術に親しむ。ラグビー選手時代に脊椎損傷、車椅子の生活を余義なくされたが、ある人物がもたらしたワークにより身体の自然に目覚め、完治。その後、本格的に氣の修行に入る。長年にわたり呼吸法の実践指導にあたる傍ら、世界各地の偉大な覚者、神秘家、シャーマン、武術家らと親密に交流を重ね、数々の秘術を体得。2005年、クンルンマスターであるマックス・クリスチャンセン氏(Dao Shr)と運命的な出会いを果たす。現在では、彼の噂を聞きつけた世界中のプロモーターから依頼され、アメリカ、ヨーロッパ、イスラエルなど、世界中でワークショップを開催している。師より与えられた道教名は天仙(Heavenly Immortal)。

『時空を超えて生きる』
潜象界と現象界をつなぐ

Kan.著/ナチュラルスピリット



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