こんにちは。占星術家のいけだ笑みです。
昨今の空模様から連想される徒然について、今回も発信します。

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太陽や月が欠けていく「食」が意味するもの

5月は大きなイングレスもなく穏やかですが、26日の満月は「月食」です。しかも、近地点で起こる満月の食。

月の軌道は真円ではないため、地球との距離が一定ではありません。近い位置で起こる満月と遠い位置で起こる満月があり、最近では近くで起こる満月のことを「スーパームーン」などと呼んで有難がったりするようですね。
では、その有難い満月は目視した時にどのくらいの差があるのかというと、最遠のものと比べて視覚直径が約14パーセント大きく、約30パーセント明るく見えるそうです。

日食や月食などの食は年に4回程度起こり、その占星術的解釈は諸説ありますが、基本的には以下のように、太陽や月が欠けてゆくさまをなぞる解釈になります。

 

●死と再生
●何かを失ってまた取り戻す
●危機的状況を経て甦る

26日の月食でセンチになったり認知力が歪みやすい

満月の食は、王朝や政権などを占う「マンディーン占星術」(世相を読む占星術)において大きな意味を持ち、月食を観測できる地域(月食帯)全体にその影響が及ぶと考えるのですが、それを個人的経験として解釈する場合、出生図のどの位置で食が起こっているかに注目します。

今回の月食は射手座で起こり、そのルーラーである木星は、魚座から月食に対して90度の角度をとります。
木星がクローズアップされた配置なので、普段は個人的なものであるはずの心象風景が肥大しやすく、オセンチになったり、一時的に認知の歪み(自己憐憫など主観に飲み込まれるような経験)を呼び起こしやすいかもしれません。

そのような心の肥大を経て、客観性をまた取り戻す経験を「月食が起こった場所(ハウス)でする」というイメージです。

 

太陽(日食)→その分野(ハウス)における、支柱や方針における死と再生の経験

月(月食)→その分野(ハウス)における、心のよりどころや愛着を、失ったり取り戻したりする経験

「食」とは、失いそうだった有り難みを取り戻す時

食はかならずしも「皆既食」(完全に光が影に覆われる状態)とは限らず、「部分食」や「金環食」などありますが、いずれの場合も「失いそうになって、有り難みが骨身にしみて取り戻す経験」がワンセットになっており、失いっぱなしという解釈には基本的にはなりません。

その一例として、例えば、次のようなことが起きました。

●日本で記録に残っている最古の日食は、『日本書紀』の推古36年3月(628年4月10日)の条に、「三月丁未朔、戊申日有蝕尽之」(三月の丁未の朔、戊申[1]に日、蝕え尽きたること有り)と記録されており、食が起こった5日後に推古天皇が亡くなっています。

●1183年11月17日の「金環日食」は、『平家物語』や『源平盛衰記』に記されている水島の合戦のさなかに起こった日食として『源平盛衰記』に記されているようです。

近年では、1999年8月の日食 → 日食の通り道に重なるトルコでの大震災。

●2009年7月の日食 → 日食の通り道である日本での自民党失脚からの政権交代。

 

2009年の政権交代などは、記憶に新しいですね。

日食生まれの有名人は、カールマルクス、ウィリアム王子、月食生まれの有名人はドナルド・トランプがすぐに思い浮かびます。

2回だけ目撃した「日食」の直後に迎えた人生の節目

私は1991年7月11日、ハワイに「日食ハント」に行ったことがあります。
その頃の私はまだ占星術に今ほど関わっておらず、単純に世紀の天文ショーが見てみたくて、日食ツアーに参加。

私は7月11日生まれなので、自分の23歳の誕生日に皆既日食があるということにも興奮していました。今思えばというか、占星術的にいうと「出生の太陽に日食が合!」という状態ですね。日食を見に行った直後に結婚しました。

私がもう一度日食ハントに行ったのが、2009年7月22日。
この時は国内(奄美大島)などで、最大7分間もの皆既日食を観測できるとのことで、日本もすっぽり日食帯に含まれていたのですが、奄美大島にはハンターたちを受け入れるだけのキャパは無く、中国でホテルに泊まったほうが確実に観測できると見込んでの渡中です。

上海の地下鉄や広場の巨大モニターには、“自民失脚”のニュースがずっと流れていました。帰国後、間もなく17年続いた結婚相手と別居、2年後に離婚しました。

人生で2度だけ見に行った日食の直後に、人生の節目となる出会いや別れを経験しているのは偶然なのでしょうか?
ハワイの日食は私の出生の太陽にぴったり重なる位置で起こり、中国の日食は私の出生の金星(ASNルーラー)の真上で起こっています。占星術的には、どちらも大きな影響を受けるであろう「感受点上」ですね。

ちょっと悲しくなってきたので、私のハワイでの勇姿をご覧いただいて、今回のコラムは終わりです。

 

現地到着。コナ島は世界中から集まる日食ハンターたちを大歓迎。お祭り騒ぎです。
この日のために、ミノルタの一眼レフを買って張り切る私。日食キャップをかぶってます。

 

ハワイなので、一応海で遊ぼうとするが、飛行機揺れまくりで体調悪し。

 

深夜に移動して、観測地点に到着(早朝)。日食ハンターたちの場所取り合戦。

 

夜が明けて、太陽が欠け始めるまで待機中。まだ余裕ぶっこいて、ごろごろ。
私が着ている日食Tシャツには、何時から欠け始めて何時に皆既になるなどのタイムテーブルが描かれています。

 

そろそろ欠け始める時間なのに、曇り空で三脚を立てて待機する日食ハンターたちも心配そうな顔ですが、私はまだ余裕でごろごろ。
プロのカメラマンたちと違い、「まぁ、見れたらいいやー」くらいの気持ちだった私。

 

欠け始めました!! みるみる暗くなってゆく・・・。雲越しの観測で、見やすい。

 

さらに欠けて、どんどん暗くなる・・・。寒くなってきた?!

 

寒い! 暗い・・・怖い!
実はこの直後から厚い雲に覆われてしまい、ダイアモンドリングは見ることはできませんでした。が、にわかに気温が下がり、真っ暗になる様子が圧倒的な体験となり、忘れえない経験となりました。

中国での日食も、大雨で観測できず。
とことんダイアモンドリングに縁のない私ですが、それでも人生の節目を迎えてしまったのだから、見えていたらどんなに強い影響だっただろうと思ってしまいます。

 

いけだ笑み
宇宙のからくりと人間存在の謎について、物心ついたころから考え続け、古代占星術と錬金術思想にたどりつく。1999年からプロの占星術家としての活動を開始。主にホラリー占星術の研究と実践に取り組みながら、東京、大阪、仙台、福岡などで講師活動やイベントを主催。著書は、『基本の「き」目からウロコの占星術入門①』『基本の「き」目からウロコの占星術入門②』『ホラリー占星術』(説話社)、『フレンドリータロット』(太玄社)など。

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『いますぐ深読みできるフレンドリー・タロット』
いけだ笑み著/ 太玄社

『ホラリー占星術』
いけだ笑み著/説話社

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