いけだ笑みの「空を仰げば」〈9〉 6月の水星逆行による個人的影響を読み解くには？

2021年6月4日

こんにちは。占星術家のいけだ笑みです。
昨今の空模様から連想される徒然について、今回も発信します。

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年に3度ある水星逆行が及ぼす基本的な傾向

6月の空では、3つの主なイベントがあります。

●10日／金環日食（双子座）
●11日／火星イングレス（獅子座）
●5月30日～6月23日／水星逆行（双子座）

双子座が主役となる6月ですね。このタイミングで、双子座の支配星でもある水星の逆行について書いてみましょう。

水星の逆行は、他の惑星に比べると規則的なリズムを有し、年に3度起こります。
黄道での「３」といえば、12宮÷３（角）＝4で、4つの元素に該当します。つまり、毎年、火土風水いずれかの元素内で逆行が起こります。
逆行が起こる位置によっては、2つの元素にまたがることもありますが、メインとなる元素や位置は、△の頂点を周回するため、テーマが統一されます。

天体の逆行運動は、その惑星の種類により解釈は様々ですが、共通して「再確認」や「リバイバル」の意味を持ち、思考や情報、流通を司る水星の場合は、「再考」「熟考」「考え違い」「契約や書類の見直し」「交通の混乱」「誤情報」などの事象と関連付けられることが一般化されています。

しかし、普通に考えて上に列挙したような考え違いや交通網の混乱、データミスなどは水星逆行時以外にも多発しており、年に3回起こる水星の逆行期間をそれらの責任の所在としてやり過ごすことは、あまり有意義ではありません（笑）。

水星逆行を迎えるハウスから「見直す事柄」を読み解く

そこで、水星逆行をカレンダー的に使うだけでなく、「各々にとっての影響の読み方について、年単位で考える方法」を少しご紹介しましょう。

1　2021年の水星逆行は、すべて風のサインで起こります

●1月31日～2月21日まで「水瓶座」で逆行
●5月30日～6月23日まで「双子座」で逆行
●9月27日～10月19日まで「天秤座」で逆行

2　ホロスコープリーディングの文法

●惑星 → 主体
●ハウス → 分野
●サインの元素 → テーマ

1と2を踏まえたうえで、「ある分野において、特定のテーマの見直しがなされる」と解釈してみましょう。「ある分野」とは、ハウスのことです。

水星逆行を迎える「出生図のハウス」を特定してみましょう。2021年は、「水瓶座―双子座―天秤座」が、それぞれ出生図のどのハウスに該当するかを確かめてください。
＊出生図の割り出しは、ネット上にある無料サービスを利用すると便利です。

● 1－5－9／やる気、遊び、信念など、「本人の姿勢や元気さ」に関わる分野

● 2－6－10／収入、労働、職業など、「営みと実績」に関わる分野

● 3－7－11／兄弟、パートナー配偶者、友人など、「交友関係や交流」に関わる分野

● 4－8－12／家庭、遺産、秘密など、「身内や心の拠り所となる近しい関係」に関わる分野

その分野における、風の元素と関わるテーマの「見直し」や「再考」が促されると考えると、以下のような解釈が可能です。

● 1－5－9／「本人の姿勢に関わる分野」において、どのように情報を発信したりアンテナを巡らせるかを考え直す機会

● 2－6－10／「仕事と実績に関わる分野」において、どのように広報したり営業をかけるか、どういったマーケティングリサーチが必要かを考え直す機会

● 3－7－11／「交友関係に関わる分野」において、どんなふうにコミュニケーションをとり、どんなふうに交流したり連絡を入れたらいいかを考え直す機会

● 4－8－12／「親しい間柄の中」で、どんな話し合いを持ったり、どの程度の距離感で行き来したらいいのか、さらには遺言状を残すべきか、心のトラウマと向き合うべきか、家族と話し合いの機会を持つべきかなどを考え直す機会

逆行とはあくまで地球上での特異な見え方

ハウスのコンディションや、そこに天体があれば読み方も変わってきますし、ケースバイケースではありますが、簡単に考えを整理する助けになればと思います。

しかし、そもそも水星が逆行するというけれども、それはあくまで地球から観測してそう観えるという、“主軸が観測者にある話し”をここまでしてきたわけで、実際に水星がある時期方向転換して、進んでいた方向と逆に動くということはありません。

「観測者から見てそのように見える」という点が、占星術の大前提である天動説の視点なのです。

水星逆行のメカニズムをわかりやすく説明した動画はこちら

いけだ笑み
宇宙のからくりと人間存在の謎について、物心ついたころから考え続け、古代占星術と錬金術思想にたどりつく。1999年からプロの占星術家としての活動を開始。主にホラリー占星術の研究と実践に取り組みながら、東京、大阪、仙台、福岡などで講師活動やイベントを主催。著書は、『基本の「き」目からウロコの占星術入門①』『基本の「き」目からウロコの占星術入門②』『ホラリー占星術』（説話社）、『フレンドリータロット』（太玄社）など。