こんにちは。占星術家のいけだ笑みです。
昨今の空模様から連想される徒然について、今回も発信します。
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4月6日前後は年に3回に1度の、恋にピッタリの期間に
4月6日に、「金星と火星の60度」が来るよ~。
恋が始まるよ~。
金星と火星の吉角度(0度、60度、120度)自体は、年に3~4回あり、そう珍しいことではない。
1回しかないような年もあるが、2021年は3回(1月10日/120度、4月6日/60度、7月13日/0度)ある。
金星と火星が接近し、良い角度をを取ると、なぜ恋が始まるのか?
▶︎新学期だからだ! ← 占星術とは関係ない。
▶︎金星は愛の星だから? ← まぁ、そうとも言える。
▶︎金星は美しい女性の象徴で、火星はマッチョ戦士の象徴だから? ← ちょっと近づいてきた。
金星と関連付けられる「愛」や「美」の根底には、「調和とハーモニー」があり、調和した時、そこにはささくれやざらつき、ばらつきや凹凸などは無く、スムーズな状態であると考えてみましょう。
例えば、思春期の若者や女性的なエネルギーは、違和感や浮くことを嫌い、周囲と調和していること、すなわち協調性が正義だと感じる傾向にあります。
“空気を読めない存在は死んでほしい”という感覚です。
しかし、調和した状態にはラグジュアリーな美と喜びはあるが、そこには恋という痛みは無いのです。
恋はいつだって、かわいい女の子が朝遅刻しそうになって、食パンをくわえながら家から飛び出て、曲がり角で無骨な男子と衝突するところから始まるのです。
ギリギリで教室に入ったら、さっきぶつかった嫌な奴が転校生で、何かデリカシーの無い言葉を女の子に投げかける。
女の子は、真っ赤になって「なんてヤツ! もう最悪!」と思っていると、そいつが隣の席に!?
なんなら、家に帰ったら親の再婚相手の息子がそいつで、同居することに!?
つまり、火星の強引な介入により、金星が汚され、傷つけられる要素こそが恋の始まりなのです。
金星が満たされている状態が「アフターヌーンティーで女子会」だとしたら、火星が満たされている状態は「天下一の武道界」で、この2つが曲がり角で衝突することが恋だとすれば、金星に対する火星の角度がハードであれば、セクハラやレイプのイメージに近く、それがソフトになることで恋になるのです。
このように、「ソフトアスペクト」と「ハードアスペクト」の境界線は、実に主観的であいまいです。
受け手(より速く運行する天体)の側がイージーだと感じているか、ハードと感じているかで、同じ現象に与えられるタイトルは全く違うということを、ホロスコープ解釈するうえでおぼえておいてほしい。
大事なことなのでもう少しだけ脱線して例題をあげますと、例えば月に対する土星の介入は、受け手である月がイージーだと感じれば「躾」であり、ハードだと感じれば「折檻」であり、場合によっては「虐待」かもしれないですね。
ということで、金星と火星の接近の角度は「年に数回来るチャンス」だと考えて、利用できればしたいものです。
「ホラリー占星術」から読み取る詳しい情報
ここでめでたく今回の記事を終えたいところですが、上記のようなことだけで騒ぐ私ではありません。
金星と火星の接近の角度が起こるという現象を、私の専門分野である「ホラリー占星術」の視点からみてみましょう。
ホラリー占星術では、質問をした瞬間に、チャートを立てて質問の答えを求めます。
その場合、チャートの惑星たちが誰を示しているのかを明確にするのですが、アセンダントのルーラーを「私」、ディセンダントのルーラーを「相手」として、それぞれを代弁する惑星の角度を見て、関係性を推測します。
例えば、アセンルーラーとディセルーラーについては、以下のように考えるのです。
●0度、60度、120度などの吉角度を取っていれば、2人は調和的、友好的、協調的、発展的関係にある。
●90度や180度の凶角度であれば、対立や緊張、葛藤を示す。
●また、二人を示す惑星がいずれの角度も取らなければ、すれ違いやディスコミニケーションを暗示しているとも読める。
上の図のように、金星を支配するサインは「牡牛座」と「天秤座」、火星を支配するサインは「牡羊座」と「蠍座」です。
牡羊座-天秤座、牡牛座―蠍座は反対側同士のサインですから、ASN(アセンダント)―DSN(ディセンダント)の位置を移動する時間帯は、ASN―DSNのルーラー同士が角度に準じた関係性になることを示します。
あらゆる関係性が良好になる「金星・火星期間」の活用を!
つまり、ホラリー占星術の技法でいうと、ASNのルーラーとDSNのルーラーがよい角度をとるということは、恋愛だけにとどまらず、交渉事やパートナーシップなど、あらゆる関係性が良好であることを示していると考えるのです。
アセンダントのサインが切り替わるには、おおよそ2時間かかります。
反対側のサインにアセンが来ることも考慮すると、1日のうち4時間、よい関係性を示す時間帯があるということになりますが、金星と火星の場合(水星と木星もそうなのですが、その話はまた今度)4つのサインを支配するので、1日のうち8時間もの間、恋のチャンスはOKということに!!
そうなれば、イレクショナル占星術(吉日選定)などの占星術の専門的知識がない人であっても、この時期、ほぼずっと利用できるやん?ということです。
「ホラリーうんぬん」あたりから魂が抜けて、宇宙の旅に出てしまった読者の皆様もご安心ください。
要約すると、4月6日の「金星・火星の角度」が完成するまでの数日間(3月29日あたりからオーブ圏内*)は、ずっと1日8時間よい時間帯があり、つまり、ほぼずっとチャンスですよー。
*オーブとは、星同士の角度(アスペクト)を読む時の許容範囲を指す。
ただし、6日がピークで、ほどなくして金星はサインを変えてしまうため、パワーは徐々に弱まっていくのですが・・・。
以上! 4月は金星と火星の話しでした~。
いけだ笑み
宇宙のからくりと人間存在の謎について、物心ついたころから考え続け、古代占星術と錬金術思想にたどりつく。1999年からプロの占星術家としての活動を開始。主にホラリー占星術の研究と実践に取り組みながら、東京、大阪、仙台、福岡などで講師活動やイベントを主催。著書は、『基本の「き」目からウロコの占星術入門①』『基本の「き」目からウロコの占星術入門②』『ホラリー占星術』(説話社)、『フレンドリータロット』(太玄社)など。
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『いますぐ深読みできるフレンドリー・タロット』
いけだ笑み著/ 太玄社
『ホラリー占星術』
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