こんにちは。占術研究家の田中要一郎です。
2月の立春を越え、旧暦から見ると、2022年がいよいよ本格的に始まろうとしています。
今回、伝統的な東洋占術と西洋占星術の2つの側面から、2022年がどのような年になるかを予測してみました。それにより、同じようなキーワードが浮かび上がってきました。
この記事が、皆さんにとって、今年1年をスムーズに乗り切る役に立つようにと思っています。
西洋占星術の超古典、研究者は必須の書!
『クリスチャン・アストロロジー第1&第2書』
ウィリアム・リリー著/田中要一郎、田中紀久子訳/太玄社
東洋占術から観た今年は「自然災害・爆発・争い」に注意
今年は、「寅年」です。中国の暦で正確に言うなら「壬寅」年。壬(みずのえ)は、水のエネルギーを意味します。
よって、今年は水の力が強く、大雨・洪水・津波といった水害に注意しなければならない1年になります。
一方で、「寅」は基本的には「木のエネルギー」を意味しますが、「火と土のエネルギー」も内包しています。
五行では、木は火を生じ、火は土を生じます。ですので、火災・爆発・地震・火山活動にも注意が必要です。
こう見ると、今年は自然災害に注意を要する年周りとなります。
一方で、九星では「五黄土星の年」で、五黄土星は破壊と腐敗を意味し、五黄の年は社会不安や自然災害が多く、紛争と争いの年でもあります。
このように、暦の干支と九星の2つの側面が意味することは、自然災害と爆発を伴う戦闘や事故が多発しそうだということです。
36年サイクルの「九星と十二支」から浮かび上がる「破壊・爆発」
干支にしろ、九星にしろ、周期という考え方が基本にあります。
「九星」は9年周期で、干支の「十二支」は12年周期になります。では、この9と12の最小公倍数は何になるでしょうか?
それは、「36」です。
毎年、36年ごとに遡っていき、その年に起きた出来事を検証すると「その年の傾向」が見えてきます。今年であれば、「寅と五黄土星を併せ持つ36年前」が、今年も繰り返されることになります。
2022年と同じ「寅と五黄土星を併せ持つ年」(36年周期)の傾向
●2022年の36年前は、1986年
この年、当時のソ連の「ウクライナで原発事故」がありました。今年、すでに同じ国のウクライナで軍事衝突の緊張が増し、核兵器の使用の恐れもあるのは周知の事実です。●その36年前は、1950年
この年、「朝鮮戦争」が勃発しました。●そのまた36年前は、1914年
この年、「第一次世界大戦」が始まりました。
どれも「五黄の破壊」と、「寅の爆発」の要素が組み合わさった形で現れているのがわかります。
60年サイクルの「干支」からも浮かび上がる「争いや爆発」
今度は、干支の視点から考えてみましょう。
人は60歳になると還暦のお祝いをします。これはなぜかというと、干支には60種類あり、60歳で干支が一周し、生まれた年の干支に戻ってくるからです。
つまり、60年の周期で同じ干支が巡ってきます。このことから、60年ずつ歴史をさかのぼっていくことで、もう一つの側面からの傾向も見ることができます。
2022年と「同じ干支の年」(60年周期)の傾向
●2022年の60年前は、1962年
「キューバ危機」があり、アメリカとソ連がチキンレースの如く戦争直前までいき、核戦争まであとわずかな状況になり、世界が恐怖に陥りました。
2022年の本年も、再びアメリカとロシアが対立し、緊迫しています。●その60年前は、1902年
「グアテマラでの大地震」「 西インド諸島のマルティニーク島プレー火山の噴火」、日本では「伊豆鳥島が大噴火」しました。
いずれも大きな被害となり、これは寅の持つ「火」と「土」の特性が強く現れています。
このように、60年周期で見ても、争いと爆発に関連する出来事がクローズアップされてきます。
西洋占星術から観た日本:月の位置が暗示するコロナ問題のおさまり
最後に、「惑星の配置」から日本の1年を見てみましょう。
私は基本的に、伝統占星術を扱います。1年間の予測を行う際は、予測のターゲットとなる国の“春分の日に太陽が牡羊座に入った瞬間の図”を使います。
西洋の伝統的な占星術の見方(*)の中でも、私が採用するものによると、次のようなことが導き出されます。
2022年の年間のロード、つまり、今年1年の日本の状況を象徴する惑星は「夜のチャート」でもあり、MC(中天)近くにあるところから、「月」となります。
*西洋伝統占星術での見方、解釈には、諸説あります。
この場合の「月」は大衆も意味しますが、これはまた死や苦しみを表す8ハウスを支配するので、コロナ禍も意味し、大衆が死の恐怖や苦しみにあることを意味します。
しかし、この月は、蠍座へと切り替わる前の天秤座の終わりの位置にあるので、この2022年で日本ではそろそろコロナ禍にひとつの節目がつくと考えられます。
これは、コロナ禍が収束するか、収束しなくても、これまでのような脅威をもたらす存在ではなくなるといった意味合いでしょう。
発展する分野、国民と国のトップの状況
そのほかには、惑星配置から、次のような傾向が読み取れます。
●今年は「雨が多かったり、水害に注意の年」になります。
●「情報や流通」を意味する土星が、本来支配する水瓶座に位置しているため、土星の力が強まっています。そのため、情報や通信、流通、学問、学習の分野が堅実に大きく発展します。
ですから通信、流通の分野を積極的に発展させる、あるいは、知的な分野について学習することが幸運の鍵になります。●「国民」を表す木星は、国土や土地を表す「4ハウス」に位置し、太陽が近くにあります。太陽との距離が近いため、その太陽から発せられる光線の熱を受けすぎることになり、木星=国民は苦しい状況になることを意味します。
これは農作物の不作や、国土問題、あるいは地震などといった土地に関することに苦しむ可能性があります。
ですが、基本的に、魚座に位置している時の木星は非常に強いので、乗り越えることができるでしょう。
それよりも、木星の近くにある水星も、太陽光線下にあることが気になります。これは外国を意味するので、日本よりも海外のほうが何かと問題が起き、苦しむ状況になります。●「国のトップ」を意味する金星は、火星と土星に囲まれていることから、非常に苦しい状況にあります。金星は、病気を意味する「6ハウス」も支配しています。
これは、政治での感染症対策の苦しみとも取れますし、また、国のトップの方々は、病気にならないよう身体のケアも必要かもしれません。
自然災害や爆発事故に注意、発展していくのは通信・流通分野
いろいろと述べてきましたが、2022年の国内外にわたる傾向は、次の通りです。
2022年の世界的な傾向
●「水害」「地震」「噴火」といった自然災害、爆発を伴う事故、闘争が起こりやすい。
●「通信」「流通」の分野は、発展。知的な分野について学習することが幸運の鍵となる。
周期は、あくまで周期。似たようなことは起こっても、まったく同じにはならないでしょう。
周期を見る限り、人類は過去と同じような自然災害や出来事に見舞われたり、過去と同じような誤ちを再び犯す可能性が高いことが見てとれます。
しかし、人類はそれらにどう対処すれば良いかを学び、螺旋階段を昇るように進歩してきているのです。
今年が皆さまにとって、穏やかな年となるようにと願っています。
田中要一郎
占術研究家。芸人。1974年和歌山県生まれ。早稲田大学卒。高校時代より占いに興味を持ち、研究を始める。西洋伝統占星術、インド占星術、七政四余など古典をベースとした東西の占星術を比較研究する。五術研究家の阿藤大昇の門下で「三式、三典」を伝授され、香港の世界五大風水師の筆頭であるレイモンド・ローからは風水を伝授される。レイモンド・ロー公認風水師。占術は日本のみならず中国、インド、欧米の諸師にも学ぶ。主な占術は、「西洋伝統占星術」「子平」「インド占星術」「風水」「易」「タロット」「人相・手相」「姓名判断」など多岐にわたる。
翻訳書籍は『子平推命基礎大全』(梁湘潤著、太玄社)、『クリスチャン・アストロロジー第1&第2書』『クリスチャン・アストロロジー第3書』(いずれもウィリアム・リリー著、太玄社)。
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徐芹庭著/山道 帰一監修/田中要一郎訳/ 太玄社
『占術談義 ー田中要一郎対談集ー』
田中要一郎著/ 太玄社