こんにちは。占星術家のいけだ笑みです。
新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
とは言ったものの、占星術的新年は1月1日ではありません。占星術師である私の新年は、まだ始まっていないのでした。
サインの切り替わりと入宮を意味するイングレスとは
占星術で重要視する配置は、前回お伝えした「グレートコンジャンクション」のような特別な状態のものの他に、このようなものがあります。
●惑星の会合(コンジャンクション)
●イングレス(サインの切り替わりと入宮)
●逆行(地球からみて惑星が通常の運行と逆の方向へ戻っているように見えること)
●アングルに向かっている(オーバーカミング)
●セクトにおけるヘイズ(惑星が勢いを増す位置にある状態)
2番目に挙げた「イングレス」の中で最も重要なのは、春分点(牡羊座0度)への入宮で、これは大きな節目であり、節の切り替わりポイントとされます。
なので、「2021年の運勢」などの記事を書く場合、2021年の3月20日(今年の牡羊座0度への太陽入宮時間は東京では18:37)のチャートを「春分図」として、2021年のトピックを考えます。
雑誌などでよくある「2021年上半期と下半期の運気」のような場合は、春分図(牡羊座0度)と、秋分図(天秤座0度)で上下を分けます。
1年を4つにわけたいなら、春分(牡羊)― 夏至(蟹)― 秋分(天秤)― 冬至(山羊)です。これら節の入りに関与する4つのサインは「カーディナルサイン」と言って、突出した性質を有するとされます。
カーディナルサインそれぞれの元素特有の推進力
カーディナルサインは、物事を始めたり遂行するための推進力を持つので、「後さきを考えず飛び出す性質」「未開拓地に切り込んでゆく力」「迅速で激しい行動力」を有します。
牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座は共通して、突出した行動力と無鉄砲さをそれぞれの元素において発揮するので、互いのことを「自分とは真逆の、自分なら絶対にやらない理解不能なこと」を他3つのサインたちがやっているように見えるのですが、はたから見たら、カーディナルサイン全て同じようにせっかちで目立っている存在として、いっしょくたに映っているかもしれません。
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牡羊座(火のカーディナルサイン)
●火の性質である、閃き、熱意、活力、闘争心、精神性と向上心における迅速さ
→「オラオラ、どけや、やったるでぃ!」
蟹座(水のカーディナルサイン)
●心、情緒、愛着、慣れ、甘え、ゆるし、インスピレーション、反応と共感における迅速さ
→「うんうん、わかる、わかるで・・私もそうやで・・・」
天秤座(風のカーディナルサイン)
●客観性、知性、対話、対比、計測、コミュニケーションと伝達における迅速さ
→「なになに? どうして? なんで? どっちでもええけど!」
山羊座(土のカーディナルサイン)
●冷静、現実的、経験主義、分析力、豊かで官能的、政治的、実際に役に立つ行動における迅速さ
→「なるほど。・・・で、いくらや?」
*いくらや?には、“値段も含めた全般的な値打ち”の意味合いが込められている。
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例えば、山羊座は冬至の始まりに該当するサインで、12宮で一番の指導力と爆発的な統率力を有する激しい性質を持つのですが、地の星座で土星を支配するイメージから、地味な解釈をされることもあります。
ディズニーアニメの「アナと雪の女王」のエルサは冬至生まれとされていますが、山羊座のイメージにぴったりなプリンセスだと私は思っています。
冷たくて乾いた土星の性質により自分の潜在能力を制御していますが、それを解放(レリゴー)した時の爆発力にはすさまじいものがありますね。
一国を収める女王となるほどのエルサと、夏至生まれの妹アナは対象的なように見えて、2人は共通した行動力と無鉄砲さを持ちます。山羊座(冬至)と蟹座(夏至)はオポジションのサインですから、表裏一体であり、互いの存在によって互いを映し出す鏡のように機能します。
1月7日から人と社会の「牡牛座的領域」に大変革が
1月のイングレスは、火星が牡羊座から牡牛座に移動する1月7日がひとつの切り替わりポイントとなり、続いて8日に水星が水瓶座へ、9日に金星が山羊座へ、それぞれ次のサインへとイングレスします。
この影響を最も強く受けるのは、フィクスドサイン(不動宮)に重要な感受点を持つ次の星座の人たちです。
1位 牡牛座
2位 蠍座
3位 水瓶座
4位 獅子座
牡牛座は2018年から改革の星である天王星の影響下にあり、本来「動かざること山の如し」な牡牛座が、その頃から徐々に抜本的変化に見舞われているはずです。
そこに火星が加わり、先月の水瓶座グレコンに水星までもが合流することで、いよいよ本気で変わる時が来るでしょう。
牡牛座生まれだけでなく、世の中の牡牛座的領域(経済、飲食、ブランド、美意識etc)全てに大きな変革が具体化するのが、今月7日からの火星と水星のイングレスです。
いけだ笑み
宇宙のからくりと人間存在の謎について、物心ついたころから考え続け、古代占星術と錬金術思想にたどりつく。1999年からプロの占星術家としての活動を開始。主にホラリー占星術の研究と実践に取り組みながら、東京、大阪、仙台、福岡などで講師活動やイベントを主催。著書は、『基本の「き」目からウロコの占星術入門①』『基本の「き」目からウロコの占星術入門②』『ホラリー占星術』(説話社)、『フレンドリータロット』(太玄社)など。
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いけだ笑み著/ 太玄社
『ホラリー占星術』
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