前回は、意識の進化に関与する神経伝達物質「DMT」にスポットを当てた。今回は、さらに踏み込んでみたい。

太陽フレアと松果体とDMTの関係性

もし、人間の松果体が一斉に刺激され、「DMT」の分泌が多くの人間で同時に起こるようなことがあれば、人間の意識が集合的に変化してもおかしくない。
もちろんこれが、「進化」と呼べるかどうかは分からない。だが、人間の意識が一斉に変化するのだから、「意識進化」に近い状態が出現するだろう。果たしてそのようなことは可能なのだろうか?

ところで、2010年頃から「DMT」に注目した何人かの科学者が、実に興味深い仮説を提唱している。主要な人々を紹介しよう。
●物理学者で地球磁場の研究で知られるディーター・ブローワー博士
●生物学者のルパート・シェルドレイク博士
●地球磁場と脳との関係を研究している脳神経学者のマイケル・パーシンジャー博士
●素粒子物理学のマイケル・コーニッグ博士
●天体物理学のイロブランド・ヴォン・ルドウィガー博士、エリザベス・ラウチャー博士、ジュリアナ・コンフォート博士
●民族薬理学のデニス・マッケナ博士

こうした科学者によると、“松果体と太陽フレアによる地球磁場の変動は連動しているのではないか”という。
周知のように、太陽黒点からは、ときおり巨大な太陽フレアが放出される。
これが起こると、「CME(コロナ質量放出)」と呼ばれる大きなプラズマの塊が放出される。これには荷電粒子が大量に含まれている。
これが地球を直撃すると、荷電粒子の影響で人工衛星や発電所、そしてIT機器などが停止することはよく知られている。

さらに、荷電粒子は地球磁場に反応して大気の流れを変化させるので、異常気象の原因にもなると考えられている。また、何らかの因果関係で、地震が誘発されると考える研究者も多い。

また、人間にも頭部から発する小さな地場のシールドが存在することが分かっている。CMEとともにやってくる荷電粒子は、人間の地場にも影響しているとみられている。
CMEが直撃した時期には、ウツ病の患者数、自殺者、事故が激増していることから、荷電粒子は人間の精神活動にも大きな影響を与えるとされる。

そして、これらの科学者が注目するのは、荷電粒子の大きさが一定の規模を上回ると松果体に影響し、その結果、「DMT」が一斉に放出される可能性が十分にあるということだ。

もし、このようなことが本当に起こったなら、それこそ「意識進化」と呼ぶような、人間の意識が集合的に変化することになっても不自然ではない。
「DMT」の作用で人間の五感が根本的に変化し、これまで存在を確認できなかった世界が、いきなり目の前に姿を現わすのだから。

DMTによる意識変化がテーマ『ソーラー・レボリューシイョン』

このような説を提唱する科学者が数多く出演し、この説を分かりやすく解説したドキュメンタリー映画『ソーラー・レボリューション(Solar Revolution)』が公開され、数年前にブームになった。
製作したのは、地球磁場の研究で著名なディーター・ブローワー博士本人である。「DMT」の実験を行った『DMT:精神の分子』の著者、リック・ストラスマン教授も出演している。

ところで、『ソーラー・レボリューション』では、巨大な太陽フレアが地球を直撃し、これによる「DMT」の分泌で、集合的な意識の変化が起こった
そのおおよその時期を、太陽が新たに活性化する宇宙的なサイクルの解明に基づいて予告したカレンダーこそ、実は「マヤカレンダー」だったのではないかという。

このドキュメンタリーでは、プレヤーレンの教えにも、コルマンインデックスにも、まったく触れられていない。おそらく製作者は、それらの存在すら知らない可能性がある。それなのに、ほぼ共通した結論に到達したのは実に興味深い。
ただ、このようなことが将来起こるにしても、それがいつであるかは特定できないとしている。

神秘体験の日々を追う映画『覚醒する(Wake up)』

ところで、具体的な統計などがあるわけではないので、はっきりしたことは言えないが、全米で300万人の聴視者がいるラジオ番組『コースト・ツー・コーストAM』を聞くと、とても多くの聴視者から神秘体験が寄せられていて、それが毎年増えているのを感じる。

数年前から注目されているアメリカのドキュメンタリー映画『覚醒する(Wake Up)』も、そうした神秘体験の増加を示すものだ。

もし、「DMT」の存在と機能を提唱する科学者の説が事実だとするなら、こう言えるのかも知れない。
人間は電磁波や電波、紫外線などにいつも囲まれながらも、それらは目に見えないゆえ、それらの存在が分からない。
それと同じように、人間はあらゆる精神活動から発せられる微細粒子の海の中で生きているーー。

もしかしたら、その海の中には、死者の霊や我々が知らない見えざる存在の発する微細粒子も含まれているのかもしれない。人間はそれらの実在を感じ取ることができないので、存在しないものと思って生活しているだけだ。
「DMT」が大量に分泌されると、こうした世界を実際に経験できる可能性があるのかもしれない。

この見えざる世界が突然と見えるようになった体験を現わした映画が『覚醒する(Wake Up)』だ。
これは、ニューヨークのブルックリンに住んでいるジョナス・エルロッドの体験をそのまま取材したドキュメンタリーである。
ジョナスは37歳の映画プロデューサーで、特に変わったところのない人物だ。生活もいたってまともで、宗教やスピリチュアルなことにはほとんど興味がなかった。

ところが、ある朝起きると、今まで見たこともないさまざまな生き物が目の前に現れたのだ。先祖の霊や天使のような存在もいれば、明らかに邪悪な悪霊のような存在もいた。
そうした存在は、家の中や街頭などいたるところにいて、彼らと話そうと思えばいつでも直接会話できた。それらは、現実の人間と見まがうほどリアルで、時としてどちらが現実なのか分からなくなるほどだった。

ジョナスにとって、この体験は驚きではあったが、基本的には悩みの種であった。誰にも理解できないと勝手に決め込み、自分は頭がおかしくなったのではないかと思い、悩む日々が続いていた。
そのような中、自分の仕事の同僚であり、親友でもある映画監督のスティーブ・ハッテンスキーに悩みを打ち明け、相談することにした。すると、スティーブは関心を持ち、ドキュメンタリーの題材にしたらどうかと提案したのだ。

意識変容の末に行き着いた淡々とした日常生活

このドキュメンタリーは、見えない世界があることを主張したり、多くの人の覚醒を促す目的で撮られたわけではない。
ジョナスの悩みを赤裸々に描き、ジョナスがこれを解決し、自分が体験していることが実際には何であるのか、その意味を探る道程の記録である。

まず、ジョナスは自分が統合失調症などの妄想や幻聴を伴う精神的な病に罹っていないかどうか、複数の精神科医のもとを訪れ、診断をしてもらう。脳を精密に検査するため、何度かMRIの検査も受ける。
しかし、どの検査でも脳には全く問題はなく、精神科医の診断でも全く正常だった。

それでも納得しないジョナスは、今度は心理学者や脳科学者のもとを訪れ、説明を求めた。しかし、医師と同じく、科学者も納得できる合理的な説明はできなかった。科学者も頭を抱えるばかりであった。

一方、ジョナス自身も変化してきた。最初はそうした「神霊の世界」の存在を妄想と決めつけ、払いのけようとしていたが、次第に落ち着き、「神霊の世界」を自分の日常の一部として取り入れることにした。
ドキュメンタリーは「神霊の世界」を受け入れ、まだ戸惑いながらも、日常を淡々と生きていくジョナスと彼の恋人の姿を描いて終わっている。

多くの人が超常現象を体験し始めている

数年前、『コースト・ツー・コーストAM』で『覚醒する(Wake Up)』が紹介された。その際、ジョナスと監督のスティーブが出演し、映画について詳しく語った。

番組では、ゲストインタビューの後、ゲストが聴視者の電話に答えるコーナーが2時間ほどある。すると驚いたことに、自分も同じ体験をしているという聴視者からの電話が殺到した。
それぞれが自分の体験を語ったが、内容は共通していて、それはまさに「DMT」の分泌がもたらす世界の体験と同じであった。
これまで能力に恵まれたほんの少数の人のものでしかなかった超常体験が、突然と多くの人々に手が届く体験領域となって出現したかのような状態だったのだ。

司会者のジョージ・ノーレイも、「このような体験の報告は近年急増している」としている。
もちろん、こうした体験の頻度の統計的な調査などというものは存在しない。だから、彼らの報告が「新しい体験領域の出現」であると言えるのかは分からない。

しかし、もし、こうした体験が本当に増えているのなら、松果体の変化による「DMT」の分泌によって、「新しい体験領域の出現」が起きいるのかもしれない。

***
以上である。
読者の皆さんはどうだろうか? 超常現象や神秘体験をしていないだろうか?
※この記事は、DMTの摂取を推奨するものではありません。

 

高島康司
たかしまやすし/コンサルタント、世界情勢アナリスト。北海道札幌市生まれ。子ども時代を日米両国で過ごす。早稲田大学卒業。在学中、アメリカ・シカゴ近郊のノックス大学に公費留学。帰国後、教育産業のコンサルティング、異文化コミュニケーションの企業研修などのかたわら、語学書、ビジネス書などを多数著す。世界情勢や経済に関する情勢分析には定評があり、『未来を見る!『ヤスの備忘録』連動メルマガ』で日本では報道されない情報を発信。毎年多くのセミナーや講演に出演し、経営・情報・教育コンサルタントとしても活躍している。
主な著作は、『2020年アメリカは分裂する! 』『望みなき時代の幸福論』(以上ヴォイス)、『日本人が「英語ペラペラ」を本当に実現できる本』(講談社)、『なぜ予測をはるかに超えて進むのか』(ヒカルランド)、『論理的会話トレーニング』(アスカビジネス)、他多数。

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