こんにちは。このたびスターピープル・オンラインにて連載することになりました、占星術家のいけだ笑みです。
昨今の空模様から連想される徒然について、そのときどきで思いついたことを書きたいと考えています。
「活動宮祭り」の中、注目すべきは火星と土星のスクエア
現在、活動宮に惑星、集まっていますね! 9月22日に天秤座の季節になって、そのせわしなさに拍車がかかっているようです・・・。
牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座のいずれかに太陽、月、ASN(上昇宮)を持つ人は特にこの影響を受けるわけですが、そうではない人であっても、活動宮が担うハウスに関連した分野におけるせわしなさ、あわただしさから逃れることはできないはずです。
さて、この「活動宮祭り」の中で、今回話題にしたいのは火星と土星のスクエアです。
火星は本来のサイン(ドミサイル)である牡羊座にあるとき、その性質を健やかに解放すると考えられるわけですが、2020年は火星が牡羊座に異例の長期滞在を続け、逆行しながら、山羊座で団子になっている木星、土星、冥王星を何度も90度角から刺激します。
火星が牡羊座に入ったのは、6月28日からなので実に4ヵ月近くこの刺激を我々は受けているわけです。
牡羊座の火星は本来、狙った獲物に向かって熱く一直線に注がれるエネルギーです。それに対して山羊座の土星は、確実に一つ一つ積み上げ、冷やして固めるエネルギー。
90度は葛藤と対立を生む角度ですから、わーーっとヤル気が盛り上がったところにブレーキを掛けられているようなイメージを持ちやすい配置ですが、実際に出生図にこの配置(火星と土星のハードアスペクト全般や合)を持っている人を観察してみると・・・。
●筋トレ好き
●重いものを持ちたがる
●ギリギリまで追い込まれたい
●完璧主義で着手するまでに、めちゃ時間かかる
●提出物を出さない
●ちょっと困ると無言
●サウナ → 水風呂 → サウナ → 水風呂 → 脱水症状 ⇒ ビール!!
筋肉と骨格のような火星と土星の関係性
火星と土星を身体部位に対応させると、火星は筋肉で、土星は骨格です。
筋肉と骨格は相互的に作用しているので、たとえば整体で骨格をポキポキと正したところで、骨を支える筋肉のほうに変な癖がついていると、骨は筋肉に引っ張られてもとの歪みに戻ってゆこうとします。
正しい姿勢を保つにはどちらにも働きかける必要があることを考えると、火星と土星が研磨の角度である90度をとるとき、それは交互にエネルギーを使うことになり、一見エネルギーが分散されたり葛藤して止まっているように見えても、そこには外からは一瞥できない“マッチョなやり取り”が繰り広げられているのかもしれないですね。
かく言う私も、オーブを広くとると、火星と土星が接近のスクエアです。筋トレはしないですが、追い込んで解放するカタルシスは理解できますし、ちょっとでも困ると無言です。
伝えることを放棄するので、家族は私がぶんむくれているように思うようですが、そうではなくて“マッチョな内部革命”がそのとき起こっているんですって。
つまり、以後このようにちっぽけな原因で「困ったり」けしてせぬよう、自分を鍛える方法を考えているのです。
困った目にあわされてふくれているのとは、真逆のベクトルです。これは積極的取り組みなのです。
10月19日の「火星木星スクエア」に心せよ
以上のようなマッチョな角度が世の中全体に影響を及ぼしていたピークは、8月25日と9月30日。
今後、牡羊座の火星は逆行を続けながら、今度は木星にヒットします。
そうなると、それまで歯を食いしばって鍛えてきたものを、一気に多方面に乱射することに。
火星が木星に対し、正確な90度(スクエア)を完成させるのは、10月19日です。
順行しながらヒットしたのは8月4日です。そのときに、“手広く乱射”していたことを思い出してください。
「あれもやりたい、これもやらねば。これ、おもしろそう、いや、まずはこれから着手しないと・・・、あ! 〆切2個忘れてた。母が呼んでいる、子が呼んでいる、犬が鳴いている、電話かかってきた!」な8月初頭でした。
今回の10月19日は、逆行しながらそのときのリバイバルが到来するわけですから、8月にやり残したことや、手を広げたが未完だった事柄が再び押し寄せてくると心しておいてください。
このとき物を言うのが、先の「火星と土星のスクエア」です。
ちゃんと筋トレしておいた人は、10月19日の「火星木星スクエア」での多忙を全部こなしても、へたばることはないでしょう。
*おまけ*
今回話題になった、「火星と土星のスクエア」自体は1〜2年の短いスパンで繰り返されますが、「活動宮でのスクエア」は土星が90度づつ移動する7〜8年ごとになります。
直近の「火星と土星のカーディナルスクエア」を、以下にリストしておきます。
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2010年12月 天秤座土星 □ 山羊座火星
2011年8月 天秤座土星 □ 蟹座火星
2019年1月 山羊座土星 □ 牡羊座火星
2020年8月25日 山羊座土星 □ 牡羊座火星
2020年9月30日 山羊座土星 □ 牡羊座火星
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このリストで気がついたのですが、私はこのサイクルで引っ越しを繰り返しているようです・・・。
そして引っ越しに伴って、働き方も大きく軌道修正していました。
いけだ笑み
宇宙のからくりと人間存在の謎について、物心ついたころから考え続け、古代占星術と錬金術思想にたどりつく。1999年からプロの占星術家としての活動を開始。主にホラリー占星術の研究と実践に取り組みながら、東京、大阪、仙台、福岡などで講師活動やイベントを主催。著書は、『基本の「き」目からウロコの占星術入門①』『基本の「き」目からウロコの占星術入門②』『ホラリー占星術』(説話社)、『フレンドリータロット』(太玄社)など。
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いけだ笑み著/ 太玄社
『ホラリー占星術』
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