image credit:European Southern Observatory/M. Kornmesser

日本ではいまだに超常現象だと思われがちな、UFO。ところが、その存在が実証される可能性を秘めた論文が、『Nature』『Science』と並ぶ世界的な科学雑誌『The Astrophysical Journal Letters』で、最近発表された。
この論文については、アメリカのCNNやイギリス各紙でも大々的に報じられ、世界でも信頼性が極めて高いとされる新聞『ガーディアン』も、数度にわたって記事として取り上げている。

小惑星として分類されたナゾの天体「オウムアムア」

世界中が「大スクープ」と大騒ぎした論文を発表したのが、ハーバード大学天文学部教授のエイブラハム・ローブ氏(56)だ。
彼は雑誌『FRIDAY』の取材で、自信をもって語っている。
「さっそくだが重要な事実を申し上げよう。UFOは存在する。私は、これが異星人の文明から送られてきた‘探査機’であると考えている」と。

ローブ氏のいう‘探査機’とは、2017年10月に米・ハワイのハレアカラ天文台で発見されたナゾの天体「オウムアムア」。全長400m、幅40mの葉巻型のその天体は、ハワイ語で「偵察者」「最初の使者」「斥候」を意味し、当初は彗星なのか、小惑星なのか、UFOなのかで物議をかもした。

宇宙論の権威・ホーキング博士や世界中の著名な科学者も参加を表明しているのが「ブレークスルー・リッスン」と呼ばれる、宇宙人探しの一大プロジェクトだ。
そこでは世界の巨大な電波望遠鏡同士を連携させ、宇宙に広がる無数の星々に望遠鏡を向けて、宇宙人の活動に由来する電波を探している。
彼らはオウムアムアの電波信号の有無も探っていたのだが、戻ってきたデータ解析の結果、人工的な信号は何も見つからず、期待されていた宇宙人のUFO説も立ち消えに。
近日点や軌道など観測の結果から、当初は彗星だと思われていたが、撮影された画像にはガスや塵の形跡がまったく見られず、小惑星として分類されることになる。

彗星と思われつつもその特徴をいっさい検出できず

発見から1年以上も経過したオウムアムアは、太陽の重力の影響を受けてUターンし、再び太陽系外に出て行ってしまった。現在は土星付近まで遠ざかったようで、残念ながら、地球から観測できる期間はすでに終わってしまっている。

ところが、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の研究チームがしばらくその位置測定を観測していたとき、驚く展開が待っていた。それは、オウムアムアが、太陽と惑星からの重力だけを受ける場合に辿るはずの軌道から、わずかにずれているという予想外の事実だった。

通常、太陽から遠ざかるにつれてオウムアムアの速度は落ちていくが、この減速の割合が重力の影響だけを受けている場合の値よりも、小さいのだという。
その理由について、NASAジェット推進研究所は「オウムアムアは彗星で、表面から放出されるガスが軌道のわずかなずれを引き起こしているから」との見解を示した。

しかし、ヨーロッパ宇宙機関の研究チームでは、オウムアムアの長時間露出撮影を行ってみても、典型的な彗星に見られるような塵や彗星らしい化学的特徴をいっさい検出できなかった。
これについて研究者たちは、オウムアムアが放出している塵の量が非常に少ないか、あるいはほとんど塵を含まないガスだけを放出しているために検出されなかったのではないか、という結論に達しているという。

ハーバード大学教授の見解は「異星人が飛ばした探査機」

そこで、センセーショナルな論文を発表して異論を挟んだのが、ローブ氏だった。
それによれば、オウムアムアが太陽の方向へと遠ざかる際に、ガスの放出が観測できないにもかかわらず減速しなかった理由は、太陽光のエネルギーで動く「ソーラーセイル」という装置を搭載していた可能性が考えられるという。
「ソーラーセイル」とは、いわば「ヨットの帆」の宇宙版といえる人工物。太陽の光やイオンを薄く広い膜で反射することで加速でき、日本の宇宙機関「JAXA」が2010年に打ち上げた実証機「IKAROS」で初めて実用化された。

ローブ氏は論文の中で、他にも次のよう書いている。
「人工的に作られたと考えると、『オウムアムアはソーラーセイルであり、高度なテクノロジーで作られ、星と星の間を浮遊するスペースデブリだ』というのが一つの可能性だ」。
「あるいは、もっと風変わりなシナリオとしては、オウムアムアは、異星人の文明から意図的に地球付近に送られた探査機だったかもしれない」。

余談だが、オウムアムアに関する研究が発表され始めた2017年は、SF作家で著名なアーサー・C・クラーク氏の生誕100年目にあたる。
彼のSF小説『宇宙のランデブー』では、オウムアムアによく似た細長い恒星間物体と人類との遭遇が描かれているが、それは単なる偶然だろうか。何やらクラーク氏の予言が当たっているように思えてならない。

ローブ氏が教鞭を執るハーバード大学は、世界大学ランキング第2位。ノーベル賞受賞者数も150人を越え、世界でも最高峰の頭脳集団が集まる梁山泊だ。
そこの天文学部教授が公に発言したということであれば、もう認めるしかないのではないだろうか。

(この記事を書いた人/丹波-浪速 道)

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