こんにちは、人相見のいくらです。
「仏像」とは、仏の姿を表現した像であり、日本人にとっては崇敬の対象とされてきました。
皆さんも一度はお寺や美術館などでご覧になったことがあると思いますが、どのようなお顔立ちやお姿をしていたか思い出せますか?
仏像にも様々な種類があります。前回の記事を踏まえ、今回は実際に仏像に見られる特徴が、人相的にはどのように解釈ができるかを紹介していきます(前回の記事と内容が重なる所がありますが、あらかじめご了承ください)
※イラストは私が描きました。
特徴ある仏像の人相が意味するもの
仏像にも様々な種類があり、顔や表情も特徴的です。
主に、額にホクロのようなものが存在し、耳が長い、面長の顔が多いなど。表情としては、慈愛、怒り、感情を見せない無表情さなど、さまざまです。
【 眉・まぶた・目 】
眉如初生月紺瑠璃色(びにょしょせいげつこんるりじき)
「仏の八十種好」のひとつです。新月の三日月を感じさせる、細くしなやかな眉です。人相的にも、女性の眉の理想とされています。
眼広長(がんこうちょう)
深い切れ長で横に広い目は良相とされています。人相の古典では「竜眼」と呼ばれます。
杏仁形(アーモンドアイ)
飛鳥時代の仏像の眼に見られる特徴です。眼が大きく見開かれ、形が杏の種のようです。アーモンドの形に表されこともあります。
人相的に大きい眼は感受性が強く、情報や感情など、様々なことを受信しやすいです。その一方で、移り気で飽きっぽいところがあります。
目頭の蒙古襞(もうこひだ)
白鳳時代の仏像から見られるようになった特徴です。目頭の部分で、上瞼が下瞼にかぶさっている状態です。目頭の形が、くちばしのように急なカーブを描き、先が尖ったように見えます。
目頭が尖っている人は、いざという時は情に流されず、現実的な判断ができる人です。唇が薄い人は特にこの傾向があります。
【 耳 】
福耳
どの仏像も耳がとても長く、特に耳たぶが非常に大きく長いです。
また、「七福神」の大黒様やえびす様などの神様も、耳が長く、耳たぶも大きいです。
このような耳をいつしか「福耳」と呼び、縁起のいいものとされてきました。
この長い耳については、諸説あります。仏様の起源でもあるお釈迦様が仏門に入る前は、さる国の王子様で、ピアスをつけていたため、その重みで大きくなったと言われています。
また、衆生の声を聞き漏らさないために大きいとも言われています。
人相的には、耳たぶはだらっと下がっているより、肉厚で、米粒一つ乗るくらい前にちょっと傾いているのが良いとされています。
また、「両耳を真ん中で合わせた時にできる輪郭が、本来の顔の輪郭」と言われています。
両耳を合わせた輪郭と今の顔の輪郭が違うと、何かギャップを抱えているのかな、と考えられます。耳の輪郭から見ると、本来は研究者向きなのにブルーワーカーとして働いていたり、その逆もあり得ます。
耳の輪郭に反して、顔の輪郭がまん丸だったら、ストレスによる食べ過ぎでしょうか。
【口・唇】
如頻婆果之色(にょびんばかしじき)
「唇が赤く頻婆樹(ビンバジュ)の果実の色のようである」とされる、「仏の八十種好」のひとつです。
頻婆樹(ビンバジュ)とは、仏教にゆかりのある植物のひとつで、鮮やかな赤い袋状の実をつけ、その中にブルーベリーのような色をした丸い果実が入っています。
人相的には、ホクロや傷がなく、艶やかで鮮やかな赤色の唇が良相とされています。
仰月形(ぎょうげつけい)
口角が上にピッと上がった状態が、上弦の月のようであり、これを「仰月形」と呼ぶことがあります。人相の古典にもまったく同じことが書かれています。
口角が上がった状態は、微笑んでいるように見え、相手に好印象を与えます。
【歯】
歯斉相(しせいそう)
如来の歯は雪のように白く、歯並びが整っている。如来の歯は、乳歯のように白く永遠に白い、とされる「仏の三十二相」のひとつです。
人相的には、歯は象牙のようなクリーム色が望ましいとしています。不自然に白すぎるのはかえってよくありません。赤ん坊の乳歯のような自然な白さが良いでしょう。
【皮膚】
細薄皮相(さいはくひそう)
皮膚に潤いがあり、塵や埃がつかない状態とされる「仏の三十二相」のひとつです。
人相的に良い相の条件として、「皮膚に潤いやツヤがある」ことが挙げられます。見た目にみずみずしい皮膚をしているということです。皮膚の状態が良いことは、良い運気が充満していることを表します。
【額】
額のホクロは縁起が良いのか?
よく額のホクロは「大仏様にもあるのだから縁起が良い」と重宝されがちです。確かに、仏様の力にあやかれそうな気持ちになります。
「仏の三十二相」の三十二番目に「白毫相(びゃくごうそう)」というのがあります。これは、眉間にある白い毛が右回りに渦を巻いているという意味です。
まず、額のそれはホクロではなく、毛が丸まったものではありますが、額にあるのは同じことです。
人相的には顔の正中線(顔の中央を縦にまっすぐ通る線 )に、ホクロや傷などの障りがあるのは良くないとされています。
特に、額の中央にホクロ等の障りがあるのはNG。芸能人や政治家でここにホクロがあった人は、波乱の人生を歩んでいます。盛運と衰運の差が激しいようです。
白毫があるお釈迦様もまた、悟りを開くために想像を絶する苦行を課しました。その結果、悟りを開くことができたわけですが、これも盛運と衰運の差が激しい、と解釈できます。
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いかがでしたか?
人相の古典と共通する点がいくつも見られ、やはり人相による開運は、仏道にも通じるものがあるようです。しかし「仏の三十二相」の中には思想的な願望からか、人相的な特徴から離れた特徴が見受けられたのはおもしろいところです。
仏像が醸し出す和の造形美を改めて見直すことで、日常をより良くするヒントが得られるかもしれません。
人相研究・占術家。セツモードセミナー修了。顔学会会員。観相術(人相・手相など)四柱推命を主に扱う。喫茶店やファミレスなどで対面鑑定を行う傍ら、セミナー講師、Web・雑誌の記事の執筆・監修など、多岐に渡り活動している。
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