こんにちは、ビジョナリー・アーティストの深瀬啓介です。
ドリーミング・セラピー・カードには、たくさんの隠されたメッセージがあります。今回はその一つ、カードの裏に書かれた「謎の言葉」が意味するものについてご紹介します。

ご神託を受け取るには「汝自身を知れ」

ドリーミング・セラピー・カードは、3つのカテゴリーに分かれています。それぞれカードの裏側は色が違いますが、絵柄は全て同じです。
そして、カードの上の方には、「謎のアルファベット」があります。“NOSCE TE IPSUM”と書いてありますが、英語ではありません。ラテン語で「ノスケ・テ・イプスム」と読みます。

左から、【40:影(Shadow)】【20:誠実(Honesty)】【4:命(Life)】。

◆NOSCE=「知れ」という命令形
◆TE=「あなたを」
◆IPSUM=“TE”を強調するため、「自身を」
まとめると、「汝自身を知れ」という意味になります。

ギリシャのパルナッソスという有名な山の中腹には、デルフォイという町があります。この小さな町は、世界のへそ(中心)と呼ばれるギリシャでは聖域にありました。
ここにはアポロン神殿があり、古代の巫女は神のお告げ(オラクル)を受け取っていたようです。この神殿の入り口は三つあって、それぞれの入り口には一言ずつ格言が刻まれていたといいます。

その格言とは「過剰の中の無(度を越すなという意味)」「誓約と破滅は紙一重(無理な誓いは立てるなという意味)」、そして「汝自身を知れ」です。

私が大好きな映画の『マトリックス』には、その名も「オラクル」という未来を見ることができるお婆さん(仮の姿らしい)が出てきますが、その存在と主人公が最初に出会った部屋の入り口にも「汝自身を知れ」という言葉が飾られていました。
この時はラテン語で“TEMENT NOSCE”というちょっと変わった表現がされていましたが、意味は同じです。

ドリーミング・セラピー・カードでのリーディングは、当たるか外れるかという占いとは違って、「罠」のカードの場合、もし今の「自分」がその罠にハマっているとしたらどうなのか・・・と、自分自身と向き合うことが大切です。

左から、【40:影(Shadow)】【20:誠実(Honesty)】【4:命(Life)】。

 

誰もが人生の中で罠にハマっている

ドリーミング・セラピー・カードでのリーディングは、当たるか外れるかという占いとは違って、「罠」のカードを引いた場合、もし今の「自分」がその罠にハマっているとしたらどうなのか・・・と、自分自身と向き合うことが大切です。
人は、まさか「自分」が罠にハマっているとは思いたくないですし、無意識に抑圧するほど否定したい思いがある場合は、そういう罠にハマっているような他者が思い浮かぶことでしょう。
「この罠にハマっている人が近くにいる!」と思ったとしても、その人を笑うのではなく、「それくらい自分自身が深く罠にハマっていて、そのことに全く気づかないとしたら・・・」と考えてみるのをお勧めします。

リーディングに出てくることは決して“誰か”のことではないのです。私たちは少なからず、どのような罠にもハマっているもので、簡単に認められるような罠もあれば、決して認めたくない罠も、思いも寄らない罠もあります。
どこまで罠を読み解けるかは、どれだけ深く「自分」自身を研究しているかで決まるのです。

罠のカテゴリーのカードを引くときも、そのカードが示す事柄について考察するとき、嫌な気持ちになるものです。
そのため、カードを引くときは「本当に自分自身を知りたい!」という気持ちで引いてください。このことを忘れないために、カードの裏に“NOSCE TE IPSUM”が刻まれているのです。

夜空に輝く一つの星が表す深遠な意味

カードの裏には、もう一つ秘密があります。それは、「夜の海」と「一つの星」の絵です。これはドリーミング・セラピー・カードの重要なコンセプトを示しています。

そもそもカードが癒し(セラピー)の対象としているのは、ドリーミングです。ドリーミングというのは“夢見”のことですが、この世界というのはあなたに夢見られたものです。
ドリーミング・セラピーというのは“夢”を癒すというよりも、夢を見ているあなたの“見方”を癒すということです。“見方”を変えるということは、その見方を作り出している“マインド”を変えるということです。

「どのような世界を体験しているのか?」ということを探れば、あなたが潜在的に決めている「世界とは何か、その世界で生きる“自分”とは何か」ということが表れます。
あなたのマインドは、人生という“物語”を通して、自分を体験しようとしているのです。

でも、体験された自分というのは、あなたによって設定され、演じられた人物像であるため、本来の自己ではありません
長所もあるけど短所もあったり、ネガティブなことを考えたりポジティブに振舞ったり、願いが叶ったり叶わなかったり、気分が良かったり体調がすぐれなかったり、頑張ったり怠けたり・・・、いつしか年老いて死んでしまうという設定です。

とてもリアルに演じているために、完全に役になりきって体験している人生では、まさかこれが夢であるなど気づきもしません。
ほっぺたをつねれば痛みを感じますし、世界には味も匂いもありますし、全く予想がつかない動きをする他者もいます。これのどこが“夢”なのか・・・。夜の“夢”の中でも同じはずですが、明晰になれなければ気づきもしません。

では「自分」という“夢”を見ているのは誰なのでしょうか?
「夜の海」は、完全に眠っている無意識の夢の世界を表します。そこに鮮やかに輝く「一つの星」、それは天の一なる霊の象徴、本来の「自己」としてのあなたの「光」です。

まずは、この“夢”の中であなたは目覚めます。それから、この“夢”から、あなたは目覚めていきます。
ドリーミング・セラピー・カードの裏に輝く一つの星は、あなたそのものを表しているのです。

2019年6月9日〜15日まで開催された、京都での個展にて。ドリーミング・カードの原画を飾っています。

 

深瀬啓介
ふかせけいすけ/ビジョナリー・アーティスト、企業研修講師、カラー心理セラピスト。1972年宮城県生まれ。人生を導く大いなる「ガイド」とのつながりを通じて、絵を描く画家として活動している。2019年、「ガイド」との交流から初の『ドリーミング・セラピー・カード』が完成。全国各地で講座やセッションを開催予定。著書に『カラーリーディング』(文芸社)がある。
http://www.pmcv.pw/

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