アセンデッド・マスターが語った『イエスとブッダが共に生きた生涯』

本書は、人の姿として現れたアセンデッド・マスター「アーテン」と「パーサ」が著者に語った、イエスとブッダが転生によって魂が段階的に成長していった様子の物語です。
著者であり、「ACIM(奇跡のコース)」のティーチャーであるゲイリー・レナード氏が、アーテンとパーサの言葉を記録し、まとめています。ただ、まれに聞き取り違いなどで記述が違ってくることがあるそうで、百を千に勘違いしてみたりというようなことらしいですが、“前著作”のことにも触れています。
※以下は、ネタバレです。

日本で出会い、何度も転生を共にした二人からの教え

さて、最初に二人が出会ったのは、紀元前700年頃の日本だといいます。自然と人間が近かった時代に友人として生まれ、半二元と言えるような自然との一体感をともに体験していたらしいです。
次は、老子の時代の中国に男女として生まれ、道教の影響を色濃く受け、道教の持つ非二元の感覚を学びました。老子と彼らとの会話も載っていますが、なかなか興味深いです。

その後、紀元前500年頃のインドとギリシャに生まれ、修行を積みながら、ブッダ時代のインドに再び生まれます。ブッダはもちろんシッダールタとして、イエスはその息子ラーフラとして生まれます。
最初、シッダールタは王宮に残した妻が妊娠していたことを知らなかったため、自分に息子がいることを知りません。しかし、息子のラーフラは父親に会いたくて旅に出るのです。

過去生で学んだ事柄は蓄積されていきます。二人が出会った時、いろいろなことが解けていきます。人生はただの物語であること、遠い昔から続いていた自分たちの関係など。
そして、二人は一緒に救済に辿り着こうとしていきます。二人は多くを学び、非二元的な存在にもなっていきましたが、それでも「何かが欠けている」と感じます。
そしてあともう一回、地上で生きることを自覚し、転生したのです。その最後の生が、ヨシュア(イエス)とその随行者のナダブ(フィリポ)でした。

この本のバックグラウンドにあるのは「ACIM(奇跡のコース)」で、これはイエスのメッセージをまとめたものと言われます。それゆえ、ここからが本番と言わんばかりに、二人の行動やその時おりの考えが、キリスト教界の土俵で語られていきます。
二人がそれまでの転生を通して学んできた集大成として、新しい景色を読者に見せてくれるのです。

ワンネスの存在になる鍵は「エゴの解体」と「赦し」

本書で一貫して述べられるのは、エゴの解体と赦しです。
この世界はすべて幻想であって、真実ではなく、人間のエゴが作り出した“まやかしの世界”。その世界の中で、赦しの実践を積み重ねることにより、形を持たない完全なワンネスの存在になれることを説いています。

さて、簡単にキリスト教界をおさらいしてみますと、キリスト教は大きく分けるとカソリックとプロテスタントの二つに分けられ、その中(時には外にも)にいろいろな宗派があります。
ルターが宗教改革でプロテスタントの新しい嵐を起こした時、カソリック側はもちろん猛反発し、弾圧していきます。それは既存の教義を大きく逸脱し、少しずつ力を得ていったからです。キリストの権威はそれまで絶対と考えられていたローマ教皇にあるのではなく、各人が聖書を学び、その信仰にあると言ったのです。

今の時代に聞けば、それに何の問題があるのかとキョトンとしてしまいますが、当時からすると、この世あの世の絶対存在ローマ教皇に、反旗を翻した大逆賊になります。
そしてルターは有名な「塔の体験」(いわゆる聖霊体験)を通して、「神の義とは人間のすることには一切関係なく、ただ信じるということのみにある」という受動的義を確信し、唱えていきます。もう少し突っ込んで言えば、「自分から発する事柄はサタンに属し、神の恩寵を受けた時だけ人間は善を選択することができる」と言ったのです。
これは言葉を変えれば、神の義とはエゴの解体を求めているとも言えます。

おもしろいもので、宗教、思想、経済理論、何でもいいですが、既存の価値観に対立する時は大きな反対や迫害を受けるわけですが、より本質的なところまで掘り下げれば、振り子の揺れ戻しや、それに時間軸を加えて立体的にした螺旋のように、似た軌道を辿っているように見えてきます。

ただ、東洋圏に生まれ生活する筆者からすると、やはりエゴの解体には少々過激さを感じ、ワンネスに辿り着くために受容でなく排除を説くところは、変わることのないキリスト教的な感じがしました。
何はともあれ、この書籍が述べようとしているところの深層を楽しめる人は、もしかしたら彼らのように、神道や仏教、キリスト教などを身につけて転生して来たツワモノかもしれません。

(この記事を書いた人/東村山キヨ)

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4月13日(土)〜14日(日) 東京
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『イエスとブッダが共に生きた生涯』
偉大な仲間の転生の歴史
ゲイリー・R・レナード著/ティケリー裕子訳

 

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