宇宙観や世界観がグワンとゆさぶられる内容てんこ盛りのDVD『サイエンス・アンド・ノンデュアリティアンソロジー2』。科学と非二元の分野の大御所23名が登場し、この世界の仕組みを独自の見地でひも解きます。
本日ご紹介するのは、著作家であり、進化生物学者であるエリサベット・サトゥリス。進化生物学の視点から、真の科学の持つ可能性や、万物が宿す知性や意識、遺伝子操作の危機を察知するゲノムの働きまでも解説します。地球への愛や地球環境への思い入れの強い方には、特にお勧めの内容です。

進化生物学から見た自然界は知性と意識の生命場

彼女の持つ世界観、宇宙感は一言でいうと「美しい」です。彼女の話ぶりは知性の中に慈しみが感じられ、まるで「どんな考え方でもいいのよ、あなたが楽で自由に息ができるのであれば」とささやきながら、語っているかのようです。
内容は多岐にわたり、まるであらゆる地球生物のスペシャリストのよう。
さっそく、一部をご紹介しましょう。

私は西洋科学のダーウィンの進化論に基づく教育を受けました。西洋科学では、地球は目的も意味も持たない物質宇宙の中で形づくられます。偶然の衝突の繰り返しで、亜原子粒子がくっつき、原子となり、分子となる……。
私はあるとき、この科学の基本前提の考えを改め、宇宙は生きているというコンセプトを選びました。このコンセプトでは(ほぼすべての文化はこの見方をとっていますが)、生命のないところから生命ができる仕組みや、意識のないところから意識のできる理由や、無知性から知性が出てくる仕組みを考えなくてすみます。
基本前提には、最初は宇宙意識から始まったとあるからです。生命も知性も、すでにこの根源意識に含まれています。この中で、物質が出現します。この非二元から、二元の物質ができあがるのです。

ダーウィン式の西洋科学によると、生命は分子がぶつかり合ってできました。地球がまだ液状だった頃に、溶岩が流れ、蒸気やガスが立ちのぼり、雨が降り、地球は水に覆われ……という、みんなが知っている話です。
そして、原始の海に稲妻が走り、分子が打たれ、活発なエネルギー活動が起こり、分子が集まって古代最初のバクテリアが生まれた。それが40億年近く前の話です。
自然はすべて生きていて、知性と意識があると思います。亜原子粒子レベルでも、みな意識なのです。意識の内側にあります。これは、ベーダの科学の基本前提です。私が習った科学では、生きていない宇宙から生命が出てきました。

西洋科学が覇権を握り、西洋科学しか科学として認めないのは間違いだと思います。私が今やろうとしているのは、以下の事実に光を当てることです。
科学は未証明の前提の上に立ち、前提は、それぞれの文化の歴史上の信念に基づくものとするーー。
西洋科学はヨーロッパで啓蒙思想とともに始まり、権力や教会や国から、企業家や企業に移りました。企業は教会が拒否した科学の思想を取り入れ、科学と強固な連盟を築きました。そして教会と対立する現世ができ、教会と国は力を失いました。権力を得た企業と科学は、宗教と政治を分けました。科学は教会の代わりに、新しい創世記を拡散する役割を得ました。
これが、歴史の軌跡です。
私は世界中の科学が提携する姿を見たいのです。

すべての生態系は意識の産物で知性を持っている

彼女は、モンサントなどによる企業の遺伝子操作のゆがみを指摘します。

最終的に遺伝子をゲノムに高圧でぶつけて、無理やりくっつける方法を開発しました。ゲノムが拒否反応を起こさないようにしたのです。生きたシステムは、間違いを修正します。
進化は突然変異に依存しない、と私は考えます。進化はたんぱく質の知性により、どの遺伝子が使用されるかを選んだ結果だと考えます。西洋科学では、生物学で過去50年以上にわたり、〝危機が来るとゲノムは配列を変える〟という結果が示されています。バーバラ・マクリントック女史の主張です。彼女は最終的にノーベル賞を受賞しました。
宇宙は生きているという科学の前提が、命を機械とみなす西洋科学と同等の発言力を得られれば、ゲノムをもて遊ぶのが、なぜ間違いかを示せます。

このように縦横無尽に語る彼女の世界観には、希望と豊かさ、しなやかさがあります。
特に、以下のような弱肉強食についての説明は、ぜひ教科書に載せるべきだと思いました。

ダーウィン式の生存競争「弱肉強食」といった進化生物学が教えられていた頃の話です。私の目には、自然界には「敵対的競争」と「協力」の両方が映りました。この2つの意味を見出すのに、ずいぶん時間がかかりました。そして、成熟周期に行き着いたのです。
ダーウィンの進化論は、初期の若い段階を示しています。大きな創造性と敵対心が、同時に存在する時期です。生態系は「先駆期」と「頂点期タイプ1とタイプ3」に分かれると生物学者は知っています。「タイプ1」に属する種では、戦いと競争が活発でテリトリーや資源は取れるだけ取り、できるだけ早く増殖して敵を駆逐します。
「タイプ3」の頂点期の種は、種ががっちりと絡み合い、互いに食料を供給し、資源やテリトリーを共有します。
大変協力的です。はじめに意識があったと考えず、すべては偶然の産物とみなすなら、ここに学習曲線は見えないでしょう。自然界には知性はなく、学びもないことになるのですから。
それに対して、すべては意識の産物で知性があり、生きているという世界観なら、若い種は最終的には敵と分かち合う方が、殺しあうよりエネルギー効率がよいことを学ぶだろうことがわかります。

進化生物学の視点でしか見出せないテーマに光をあて、万物に横たわる意識の働きを詳しく説明する、エリサベット・サトゥリス。DVDの映像で観ていただくと、まさに進化生物そのものみたいな彼女のキッレキレの知性が印象的。やはり、世の中にはこんなにもすごい人がいるのですね〜!

(この記事を書いた人/東村山キヨ)

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 サイエンス・アンド・ノンデュアリティ・カンファレンス編集、本田法子&河井 麻祐子訳
ナチュラルスピリット


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