矢作直樹/日本人のもつ神性を理解する心【『StarPeople』バックナンバーより】

2016年3月に東大医学部の教授を退官し、その夏には参議院選挙に立候補された矢作直樹さん。現役東大医師の時代から、魂や他界の存在について身体で理解していた日本人を思い出してほしいとの動機から、著作活動を始めました。今や、その死生観に共感するファンも多く、数多くのベストセラーを生んでいます。
『StarPeople』バックナンバー61号「日本人のもつ神性を理解する心」でのインタビューをご紹介しましょう。
*2016年12月時点での内容となります。

 

ーー本日は、矢作先生に「スピリチュアルと医学」についてお伺いしようと思います。

スピリチュアルという言葉は外来語なので、変えちゃった方がいいですね(笑)。

ーーまあ、何ということでしょう!(笑)

スピリチュアルという舶来の言葉をわざわざ使わなくても、日本人は古来、霊や神を感じる心を育んできた、霊性の高い民族です。能でいえば夢幻能みたいに、彼岸此岸を一体のものとして当たり前に感じてきましたし、魂心体が一体であるという考えは、日本に古くからあります。
ある時期は、いい意味での〝黒船〟で進んでいくことが必要だったのかもしれませんが、これからはむしろ、われわれ本来の心を表して、あるべき方向に舵を切っていく時代なのではないかと思います。

ーーなるほど。日本人の霊性というと、神道が背骨になるでしょうか。神道はほかの宗教とは違って、教祖も教典もないのが特徴ですね。

正確には、神道は宗教ではありませんね。もともと日本にはいまのような宗教概念はなくて、西洋の宗教を入れるときの方便として広まったのだと思います。また、戦後、GHQが作った憲法によって政教分離を施行したとき、神道を宗教という形で捉えたんですね。
神道という言葉やスタイルも、後の時代になって作られたもので、日本人はその前から、「神性を理解する心」を誰もが自然に持ち合わせていた。それを「かんながらの道」といっています。何か困ったときに手を合わせたり、〝悪いことをしたときにお天道様が見てるよ〟という気持ちですね。
日本人は神性を直接感じることができたので、宗教という仕組みをあえて必要としなかったんですね。よく日本人は無宗教といわれますが、正しくは、宗教を介さずに神性を理解する文化を継承してきた民族、ということですね。

ーーかんながらの道では、“自分は何者なのか”という根源的な問いを、どのようにとらえているのでしょう?

たとえば、普段、何のために呼吸をしているんだろう、とか、何のために水を飲むんだろう、ということは考えませんよね? それと同じなんじゃないでしょうか。あえて「私は誰?」と問われれば、個人でもあり、森羅万象の一部でもある。生かされている存在で、それ以上でもそれ以下でもない。それ以上の説明は、むしろ必要ないように思います。

ーーよくこの世界では、“ソース(源)”という言い方をします。波という個でもあり、大海というソースでもある…。

そうですね。本当は、一人ひとりの内側では、すでにわかっていることなんですね。理屈だって言うと難しくなるんだけれども。誰かに教わるものではなくて、自分の心に静かに問いかけてみれば、感じとれることだと思います。

ーーそのような「神性を理解する心」に気づいていない人に、あえて伝えるとしたら、どうしたらよいのでしょう?

こういうことは勉強して学ぶものではないので、教育や頭での理解は難しい面があると思います。大切なのは、感性を澄ませることです。といっても、第六感うんぬん、ということではなくて、五感を働かせる。たとえば神社に行って、清々しい感じがするでしょう? というところから始める。
神性とは理屈で説明できないものなので、感じ取ってもらうしかないんですよね。

―その意味では、サミットで各国の首脳が伊勢神宮にお参りしたことも、よかったわけですね。

そうですね。ただやはり、物を考える変換機である脳にクセがついてしまっているので、こちらが思っている通りに感じとってもらえたかどうかは別ですね。光もプリズムを通して色が変わるように、脳みその質が違うと、同じようには感じないでしょうね。もっといえば、魂や霊格も違うわけですが。

ーーこれから日本が世界の精神的なリーダーになっていくとお考えですか?

そうですね。ただ、リーダーといっても、西洋的な〝引っ張っていく〟というあり方ではないと思いますね。気がついたら皆が真似して変わっているというような感じでしょうか。ちょうど漫画文化のように、自然に広がっていくような意味での主導者になっていくという気はします。

ーーその中にあって、天皇制というものの意義はどのようにお考えですか?

天皇制という言葉は共産主義者が作り出した言葉で、本来は「皇室制度」というんですけれども、皇室制度は、かんながらの道が継承されていく根本になりますから、存在する意義は大きいですね。
そして、世界を動かしている組織に、天皇陛下が名を連ねていることも大きいと思います。だからこそ、日本は常に最悪の事態は免れているわけですね。

ーー今後の日本はどのようになると思いますか?

これからは、いわゆる○○家という専門家でなくても、気づく人はどんどん気づいていくと思いますね。ただその気づく人の絶対数とスピードが、こちらが期待するほど早くはなく、混沌とする時期は長くなるかもしれませんが。賢人政治なら別ですが、民主主義では、目覚める人がある一定数にならないと、社会は変わっていきませんからね。
最近では、生まれながらにして目覚めている人たち、レインボーチルドレンも増えていますから、いろいろな意味で、脱皮するときであるように思います。

 

矢作直樹
やはぎなおき/1956年、神奈川県生まれ。金沢大学医学部卒業。麻酔科、救急・集中治療、内科など経験し、2001年から、東京大学医学部救急医学分野教授、同大病院救急部・集中治療部長を歴任し、2016年3月に任期満了退官。東京大学名誉教授。著書『人は死なない』(バジリコ)、『天皇』(扶桑社)、『おかげさまで生きる』(幻冬舎)、『変わる』(ダイヤモンド社)ほか多数。

 

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