いくら流・ワクワク人相講座〈14〉江戸時代の人相見の大家が説く「食習慣と人相と運気の関係」

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  こんにちは、占術家のいくらです。
「いつも食べているものを知れば、その人間のことがわかる」
フランスの美食家、サヴァランはこう説きます。普段の食生活から、その人の性格や生活習慣がわかることの例えです。
食欲を満たす食事は、基本的にその人の好みや幼い頃からの食習慣が身についているため、意識して変えることが難しく、その人の人となりを表していると言うのは、理にかなっています。

今回は、人相を良くするうえで、食生活からのアプローチをテーマとし、江戸時代に活躍した人相見・水野南北のアドバイスをご紹介します。
「最近、なぜか調子が悪い」「悪いことばかり起きる」という方は、もしかしたら食生活の乱れからくるのかもしれません。

「慎食」で死相が消えて運が開けた、水野南北

この連載で何度かご紹介した水野南北は「食は命なり」と説き、“人相を見る究極は食との向き合い方にある”と考えました
もともと水野南北が人相見を志したきっかけも、「食」に関係があります。

江戸時代の人相見の大家として活躍した水野南北は、若い頃から素行が悪く、食生活も乱れていて、人相もかなり悪かったそうです。
そんな時にたまたま出会った僧に「あなたには死相が出ている。このままではここ数ヵ月で死ぬ」と言われました。
「それを免れるために、半年間、麦と大豆で過ごせば死相は消える」と助言されたのです。南北はこの助言を実行したことで死を免れ、これをきっかけに人相見への道を志します。
そして、食への向き合い方として、特に「慎食」に取り組んでいました。

 

「食を慎む」という言葉は、なじみがないかもしれません。
これは大食、暴食、暴飲に走ることなく、常に腹八分目を心がけることで体の調子が整い、人相も良くなり、結果的に開運にもつながるという考え方です。
「腹八分目に医者いらず」とはよく言ったものです。

以下に、当時の南北の言葉部分)をそのまま掲載します。現代には多少そぐわない表現もありますが、ご了承ください。

食への向き合い方で人生が変わる

●食、分限より鮮(すくな)きものはたとへ、相貌悪しくとも吉なり
相應(そうおう)の福分あつて短命にあらず、老年吉なり

《解説》腹八分目よりも小食を心がけている人は、人相が良くなくても運がだんだん良くなっていき、晩年も運気は良いです。

●食、分限より多きものは相よろしくとも生涯心労絶えず、老年凶と知るべし
《解説》腹八分目より大食をする人は、相貌が良くても心労が絶えず、晩年もよくありません。大食は、もはや食事とは言えません。草木に肥料をあげすぎてダメにしてしまうことと同じです。
また、もったいないからと言って、用意された食事を無理して食べるのは、自分の体の中に食べ物を捨てることと同じなので、食材を無駄にしないためにも、適度な食事量を普段から定めておくことが大事です。

●常に分限より美食を好み喰ふものは、相貌宜しくとも大に凶なり
《解説》日頃から美味しいものばかりを求めて食べている人は、たとえ相貌が良くても、運気は良くありません。ここで言う「美食を好み喰ふ」というのは美味しいものしか認めないことや、美味しいものをむさぼり食べるというような飽食になることを戒めています。
これも、草木に肥料をあげすぎてダメにしてしまうことと同じです。
また、自分の収入を考えず、常に美食を求めるあまり、生活が苦しくなるようなら本末転倒です。

●食、厳重に定あるものは相貌悪しくも立身あつて、相應の福分なるべし
《解説》普段より食事管理を徹底している人は、人相が良くなくても相応の幸運が得られます。

●食不同ありて定まらざるものは、相大に善くとも凶なり
《解説》食生活が不規則な人は、相貌が良くても運気は良くないです。また、食事量が一定だった人がその量や食事の所要時間に乱れが生じるようになれば、よくない変化が起きる前兆です。
それまでは食事の管理ができていたのに、乱れが生じてくるということは、普段のルーティンが乱れているということです。

●人格が上品になるのも下品になるのも、全て飲食の慎みによって決まる
《解説》その人に品があるかないかは、きちんとした食生活を送っているかどうかで決まります。

●食定有るものは身治りて心動かず、心動かざれば諸事大抵調うなり
《解説》食生活が安定している人は、健康で心に動揺なく、何かあっても大抵のことはうまくいきます。

運気を落とす食べ方のケース

食べ方に悪いクセがある人は、運気がよくありません。
食事の摂り方について、人相の古典で特に言われている「食べ方の悪い相」を二例紹介します。


猴食(こうしょく)
猿のように、拾い食いすること。人のものでも食べてしまい、食べながら周りをキョロキョロして落ち着きがない人です。
目つきがあまり良くありません。「3秒ルール」も猴食に繋がるかもしれません。

鼠餐(そさん)
ネズミのように細かくボソボソ食べること。食べながら周りをキョロキョロして落ち着きがありません。
食べ物をこぼしたり残したりと、食べ方が見苦しい人です。


以上のような食べ方をする人は、総じて目つきに険しさがあり、人相もあまり良いとは言えないようです。

***
いかがでしたか?
食は「気」に準じていると言われています。食事が不規則なのは、不気則からきているようです。



いくら
人相研究・占術家。セツモードセミナー修了。顔学会会員。観相術(人相・手相など)四柱推命を主に扱う。喫茶店やファミレスなどで対面鑑定を行う傍ら、セミナー講師、Web・雑誌の記事の執筆・監修など、多岐に渡り活動している。

人相見いくらの、開運「顔」ブログ
https://ameblo.jp/nigaoe-uranai

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現在の活動内容はこちら
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