書店を営業で訪ねていると、スピ系の売れ筋のひとつに「健康」をテーマにしたものがある。微生物、塩、麻、竹、自然療法、食などだ。元々、その種の本には興味があり、私生活でも様々なものを試してきたが、なかでも「これは凄い!」と体感できたのが、「1日1食」だった。

食事療法でアトピー性皮膚炎を治す

もう10年以上も昔、人生で初めてアトピー性皮膚炎が発症。ステロイドの怖さは人づてに聞かされていたので、最初から「病院や薬には頼らずに自然治癒で治そう」と決意。循環農法で有名な赤峰勝人さんの本『アトピーは自然からのメッセージ』を頼りに、食事内容を大幅に変えてみた。
自然食品店で安全とされている食材や調味料を調達し、玄米・菜食の食生活を3週間も続けたら、皮膚がきれいな状態に戻ってしまった!
しかし、そこで安心してしまい、元の食生活に戻るや再びアトピーが再発。その後、食事療法で1年以上をかけてアトピーと格闘しながら、ようやく脱出することができた。

では、なぜ食事療法で治ったのか? 当時を振り返って分析すると、たぶん、二つの理由が挙げられると思えた。
一つは、ちょうどその頃、知人の自然食品店オーナーがしてくれた〝不可思議な話〟だった。「大阪に【食べないで生きている人たち】がいるんだよ」と言う。
【食べないで生きている人たち】とは、医師の甲田光雄さんと甲田病院の患者さんたちのことだった。その患者さんの一人が、青汁1日1杯だけで20年以上も生きている森美智代さんだ。
アトピー地獄の中で必死にもがいていた自分は、甲田先生の著書を何冊も必死で読み漁った。甲田療法に倣い、玄米・豆腐・青汁・柿茶などを摂取する食生活へ。でも、こういう食生活って本当に味氣がない。食べられるおかずが限定されてしまうんだから。
治るまでの約1年間、最もつらかったことがその食生活だった。元々が外食大好き人間で、ステーキやハンバーグを1kg分食べたり、回転寿司で30皿くらいは普通に食べるような大食漢。食事制限中、何度、肉の夢でうなされたかわからない(笑)。

二つめは、『不食 人は食べなくても生きられる』(山田鷹夫著/三五館)を読んだことだ。同書はとても面白く、自分も「不食が可能になればスーパーマンのようになれるかもしれない!」そんな期待感が膨らんできた。これが大きなターニングポイントとなり、目的が当初のアトピー治療から「不食」へとシフトしてしまった。

大食漢から小食者へ

アトピーが治った1年後も「不食」への道程は厳しく、途中で何度も脱線。崖から落下しては再びよじ登ることを繰り返し、ようやく2年目頃からストレスをあまり感じなくなり始めた。
それ以来、1日1食が可能となって10年が経つ。現在は食事は夕食だけで、水分は普通に摂取しているが、それが苦になることもない。
大食漢が1日1食の小食者へと変身していく過程で発見した身心の変化を、ここでぜひ、お伝えしたいと思う。

小食にして起きた身心の変化
1/睡眠時間が短くなる
2/疲れづらくなる(短い休憩で体力が回復する)
3/意識がクリアにさえてくる(松果体の覚醒と関連があるのか?)
4/自由な時間が増える(2回の食事が不要)
5/皮膚がきれいになる(若返り効果)
6/毎月、お金が残る(2回の食費が不要)

小食に挑戦している間、これらの変化を自分の身体で体感できたことは、とても有意義だった。「本当にスーパーマンのように超能力が開花するかもしれない」という期待が膨らんだ。毎日、能力が進化していくような感覚があり、とても楽しかった記憶がある。

その後、1日1食が可能になり始めた頃の2007年、ナチュラルスピリットに入社することに。ここでジャスムヒーンさんの不食関連の著作『リヴィング・オン・ライト』『神々の食べ物』を知り、ご本人にもお会いすることに。
小食への過程で様々な体験をしていたおかげで、『StarPeople47号』の「食べない究極の世界、不食」の企画が通り、山田鷹夫さん、森美智代さん、秋山佳胤さんや安保徹先生たちにも取材のご縁をいただけた。ま〜、人生って、何が幸いするのかわからないな。

「不食」の世界は奥が深い

ところで、治ったとばかり思っていたアトピーが昨年から再発して、もう1年以上も自己流で治癒に挑戦している。様々な方法を試してきたが、原因は食事と腸内環境というのが今の結論だ。
では、なぜ、10年過ぎてから再発したのか?
推察するに、その間に摂取した食べ物が腸壁に溜まり続け、宿便となり、ついに飽和状態となって皮膚に症状が出たということではないだろうか。毎日、コップに水滴を垂らしていても溢れないが、長い日数が経てばやがてはいっぱいになって溢れ、それから溢れ続ける。アトピーはこれに似ていないだろうか。
そうであれば、対策は打てる! つまり、できるだけ食べないこと。
そう、「不食」だ!
例えば、不食弁護士として知られ、多くのベストセラーの著作がある秋山佳胤さんは、ジャスムヒーンさんの『神々の食べ物』を読み、それを参考にして約2年で「ブレサリアン(不食者)」になることに成功している。同書ではブレサリアンになるための準備をする数々のテクニック、波動上昇(シータ波、デルタ波)や瞑想なども紹介されている。

今回は自分の体験をベースに、食と健康を絡めた内容の記事になっているが、『神々の食べ物』では、プラーナ、波動、光、愛などについても深く解説されている。
肉体が自分であるという意識から、肉体は自分という存在の小さな側面にしか過ぎない、本来の自分はスピリットであるという理解へと導いてくれる。あなたが同書を読み終わったとき、きっとそれまでとは違う風景が見えるだろう。

(この記事を書いた人/丹波-浪速 道)

 

『神々の食べ物』ー聖なる栄養とは何か
ジャスムヒーン著/鈴木里美 訳/ナチュラルスピリット

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