コンテンポラリー風水コンサルタントのフジワラユカです。
「汚部屋」というと言い過ぎかもしれませんが、風水のコンサルティングでは、時に足の踏み場のない状態のお宅に伺うことがあります。
そうしたお部屋に入ってまず思うのは、「一体、どんな経験がこのお部屋の状況を招いてしまったのだろうか?」ということ。同時に、「よくぞ呼んでくださった」と思うのです。
片付けられないお部屋を公開してくれるというのは勇気のいることですから、エスカレートする前に誰かの助けを呼んでくださったことは、本当に幸いなことだと思います。
片付けられない部屋の主は、きちんとした人も多い
それにしても、どこから手をつけたらいいのか? お腹がキュッと引き締まるのを感じながら、2時間のコンサルティングがスタートしました。
こうしたお部屋の主は、きっと見た目もだらしない人と思うかもしれません。
でも、私のクライアントさんたちのケースではむしろ逆。常識的で、きちんとされた方が多い印象があります。
このお部屋の主も、美しく才能あふれる若い女性でした。親しみやすく、笑顔も魅力的。幅広い年齢層に好かれそうな人です。
おそらくこの人に外で出会ったなら、こうしたお部屋で暮らしているとは想像できないことでしょう。
でも、どうして片付けられなくなってしまったのでしょう?
風水探偵は、そのお部屋の空間を占領しているものが何かを観察していきました。
散らかった中にある「整ったところ」の意味
モノであふれた空間の中で、特徴的なことが何であるかを、まずは見つけていきます。
このお部屋の場合、お掃除ができていないというより、あふれるモノをコントロールできていない、という方が適切です。
その中でも比較的整えられているのは、キッチンツールや食器類が収納された戸棚、そして仕事に関係する芸術関係の資料がおさまった壁面収納でした。床に無造作に散らばっているモノとは一線を画しているため、ここに一つのメッセージがあるように思いました。
これだけのキッチンツールや食器は自身のためのモノでないことは、すぐにわかりました。コンサルティングの前に出していただいたお茶とお茶菓子にも、彼女のおもてなし力が感じられ、自分のことより相手のことを重んじる性格であることが見てとれたのです。
キッチンにひしめく料理道具や食器類の多さからも、意味があってそうしたモノが増えていることがわかります。
加えて、足の踏み場がない居室の中で、比較的整った書棚には、彼女の仕事にもなっている芸術関係の書籍や資料などがきちんと収まっていました。そのことからも、この仕事に関して、アイデンティティを強く持っていることが見てとれます。
苦境の中にあるけれど、比較的整っているこれらの部分が「踏みとどまっている」ことを示していました。
これらの棚が雪崩を起こさぬよう、維持することは極めて重要です。
自分を破壊するように空間を破壊していた
全体的に散らかったお部屋の場合、どこか1つか2つでも整った空間を創り、整ったあとの感覚を味わってもらうことを重視します。そのほうが具体的な風水の効果を体験していただけるからです。
この日はベッド周りと、テレビ台周りの一角を整えていきました。
テレビ台を選んだのは、そこが「家族・健康」をサポートする「バグア(バグアマップ)」のエリアだったからです。というのも、彼女は1ヵ月前に交通事故に遭っていたため、「家族・健康」のエリアの空間の課題解消が大事だと目をつけたのです。
テレビ台の上には人形がいくつか飾られていたので、「これはどんなものですか?」と質問していくと、そこからご家族のお話になっていきました。
彼女は幼少の頃から英才教育を受け、お母様の思い描くレールに従順に乗ってきたと言います。現在も芸術の世界で活躍されていますが、おそらくお母様の期待はもっともっと上なのかもしれません。
「期待に添えていない」という意識が、自分を責め続け、現在もなお自身を不自由にしていることが感じられました。
「このモノであふれ返ったお部屋は、この人の自分自身の扱いそのものだ!」と感じたのです。散らかるお部屋の中で、自分を罰しているような感じすらしました。
「もうどうでもいい!」というようなメッセージを発していた、彼女のお部屋。それは、他者をきちんと尊重できるのに、自己価値がとても低い人物を表しているお部屋のありさまだったのです。
どれだけ苦しく、不自由だったことでしょう。
床を片付けることは地に足を着けて生きる第一歩!
私と彼女は、間取りの中心部分の床に置かれたものを片付け、カーペットが見えるように空間を空けていきしました。
お部屋の中心は、何もないほうが好ましいのです。なぜなら部屋の中心は、「大地」のエネルギーが流れるところであり、しっかりグラウンディングすることを助けてくれるからです。
「自分を過度に卑下せず、自分の内面を見つめ、しっかり地に足を着けて生きる第一歩なれば」と手を動かしました。
「部屋が片付けられないのはすべて自分のせい」と思ってしまいがちですが、この女性のケースのように生育環境により、自虐的になり、部屋をぞんざいに扱ってしまうこともあるのです。
こうした場合、部屋を片付け、整えることは自分を癒すことに繋がっていきます。
まさに、「部屋を見れば、起きていることがわかる」「部屋を変えれば、人生の流れも変わっていく」ということ。
空間の滞りがなくなり、その人が自由になっていきますように、と願いながら風水探偵のこの日仕事は終了しました。
コンテンポラリー風水コンサルタント。早稲田大学卒業後、大手出版社に勤務し、『こどもちゃれんじ』『かいごのみかた』等の編集長を務める。仕事を通じ「家族関係」や「愛情問題」を深く見つめる中、コンテンポラリー風水の創設者であるMark Ainley氏と出会い、風水師に転身。「人生の流れを創るお部屋の風水」の実践は高い評価を得ている。著書に『幸せな子は、幸せな部屋で育つ。親子の日常をサポートする子育て風水』(麻布書院)。
「人生の流れを変えるお部屋の風水」ブログ
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