弊社の「チャネリング本」と言えば、前回ご紹介した『バーソロミュー』をはじめとして、『セスは語る』『新・ハトホルの書』『アルクトゥルス人より地球人へ』あたりが、ロングセラーでご愛顧いただいている。
本書『宇宙を乗りこなす喜び II』は2016年に発売されたのだが、あまり注目されず(笑)。
個人的には、「この1冊で、みなさんがスピリチュアル本に求めているもの、宇宙の多次元的性質、輪廻や魂の仕組み、それから現実創造や人間関係といった実用的なところまで網羅されているんじゃないか?」というくらい充実していて、かつ分かりやすい。そこで、本を読んで感じた思いを以下にシェアしたい。
※1巻は品切れ中。むしろ2巻のほうが読みやすく分かりやすいし、1巻は未読でも大丈夫。

高次元意識体・フィリップが明確に指し示すスピリチュアルな生き方

高次元意識体のフィリップからの膨大なチャネリングメッセージからなるこの本は、刺激に満ちたワクワクするような内容のオンパレードだ。
例えば、現実創造の仕組みや、意識状態がいかにDNAを変容させるかなど、他の本にはない切り口が非常に新鮮で、グイグイ読み進めてしまう。

目覚める、宇宙につながる、真の自己を生きる、エゴを捨てる、etc・・・、スピリチュアルな教えでは「大切なこと」としてよく見かける言葉。
それらを実践すれば、大きな悩みがなんてことなくなったり、自由を感じたり、望む方向へ行けたりといった恩恵が〝あるように〟捉えてしまう。

そんな素晴らしいとされる生き方が、多くの本で提唱さられているため、生真面目な人であるほど「そういう自分になって、自分を変えるんだ!」と半ばすがりつき、意気込んでしまうが、向上するどころか、むしろ轍にはまるように身動きがとれなくなってしまうことが多いのではないか?
ドン底まで落ちた時、目覚める方向へと反転するとも言えるが・・・。

言葉(文字)というのはただの象徴(シンボル)である。ひとつの言葉に対して、捉え方は千差万別なのだ。果たして、自分の観念の牢獄を出て、文字の向こう側にある情報を捉えられているだろうか?
ワンネス・非二元が素晴らしいとされるスピ界だが、言葉自体が〝分別するために生まれた観念の塊〟である。そこに落とし穴があり、多くの求道者がエゴの迷路の中で道に迷ってしまう。

しかし、そうならないよう、親切にもこの本では前置きがなされている。

本書では、普通の宇宙を語るときによく出てくる言葉である、プレアデスだのオリオンだのアルクトゥルスだの……といった言葉は一切出てきません。

いいね、このノリ! すがすがしささえ、感じさせてくれるではないか。

具体的で説得力に満ちたフィリップのメッセージ

人は自分で作り上げたフィルター(観念)を通して、見たいように世界を見ている。
トラウマが〜、前世が〜、今生のテーマが〜に始まり、自分はあれをやるべきではなかった、あの人はああ言うべきではなかった、これは好き、嫌い、etc・・・。
なんと数多くの不純物を通して、世界を知覚していることだろう。これでは「本当に自分が望むもの」だって、あやしいものである。フィルターを通さず、世界を捉えるとどうなるのだろうか?

本書の読み方のひとつとして、フィリップのチャネラーは次のことを勧めている。

リアルな宇宙はとてつもなく美しく、多次元領域が複雑怪奇に、かつ奇跡的な精妙さと秩序をもって配置され続けています。それは「本」という二次元媒体では、いわば「文字面」だけではとうてい追えないものです。
(略)私たちはこの世界にいる限りは、フィリップの言う「時間のウイルス」に支配されているので、彼らのいう世界を完全に理解することには無理があります。
ではどうしたらいいのでしょう? ひとつだけ方法があります。
それは頭(脳)で考えることをやめることです。その代わり、心(ハート)で感じてみてください。ハートは時間を超越できる性質を持っています。

変容の最大のポイント〝時空を超えるとは?〟

この本にも出てくるが、多くの成功哲学やスピリチュアル本でも、思考(頭)ではなく、ハートで生きることを推奨している。そして、あまりにも私たちは、原因と結果からなる直線的時間の中で生きている。
思考(エゴ)は、過去の自分の経験(観念)をデータベースに未来を予測したがる。当然、予測可能な事柄しか自分の「未来」には起こらない。これだと、自分でプログラムしたゲームの中で遊んでいるようなものだから、退屈きわまりないし、過去の制限の中で作られたプログラムだから、例えばアクシデントのようなバグがあっても解決はできないのだ。

スピリチュアルな教えのほとんどで、このようなことが言われる。
宇宙(大元、意識、スピリット)とつながる、今この瞬間を生きる、目覚める、などなんでもよいが、つまり、思考のフィルターがなくなったとき、予測もしたことのないダイナミックな叡智をダウンロードできるとーー。

思考と身体が電磁的性質を放射し、時分の世界を形成しているのはご存じだと思うが、身体もまた、細胞のひとつひとつまで過去の思考の制限に囚われている。お決まりのタイミングでどこかが痛み、足はすくんでしまう。
「望む現実」は、過去の冴えない体験をデータベースにしている限り、直線的時間の中で展開するのも無理はないのだ。よって、時空を超えるとは、時間と空間の制限を超える=過去のとらわれや未来の予測をやめた時、よどみのないマインドによって、多次元的宇宙をスイスイ泳ぐことができることに他ならない。

理屈ありきじゃつまらなくなる曲作りと生き方は似ている

僭越ながら、筆者は作曲をするのだが、譜面は読めない。「こんな感じの曲」というのが頭の中に降りてきて、それをコードに“変換”する。もちろん一度でしっくりこないことは、多々ある。しかし、先にコードという理屈ありきで「こんな曲に仕上げたい」と作り始めると、だいたい退屈なものになる。

私たちの生き方はどうだろうか? 言葉や、「こんな人生が素晴らしい」という観念が先にあって、願ったように展開するよう、いつでもどこかに辿り着こうとしていないだろうか?
そもそも、観念のフィルターが汚れている限り、いつだって“誤変換”しては、苦しみを招き入れてはないだろうか?

私たちは、この壮大な宇宙という有機物の一部だ。本来、存在することとは「喜び」そのもので形成されている。なのに、自分のフィルターを通し、良い悪い、好き嫌いを仕分けしているに過ぎない。
フィルターを綺麗にしたとき、「喜び」だけが、そのまま目の前にダウンロードされ、展開していくのではないだろうか。
そんなことを思いっきり考えさせ、読み進めるごとにワクワクさせてくれる、フィリップからの叡智極まるメッセージを、あなたも味わってみてほしい。

 

この記事を書いた人
営業部・マーソロミュー

 

 

『宇宙を乗りこなす喜び II』
ホログラムを抜け出し、自分の真性に目覚める
シェラドン・ブライス著、鈴木ナイト美保子訳

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