松村潔のアナザーワールド/vol.4 腰に眠る蛇の目覚めと多次元に行ける「幕」、金星とのつながり

B!

最近、予定の起床時間よりも早く目覚めた時とかには、寝床に横たわったまま、タロットカードの「20審判」のカードに描かれている手法を試みたりする。
わたしはこのカードを、自著ではクンダリニをあらわしていると説明しているのだが、通常のクンダリニの説明は、腰に三回半のとぐろを巻いて眠る蛇を起こすというものだ。
このカードの図柄では、上空から呼びかけをする天使がラッパを吹いている。上から降りてくるシヴァ神の呼びかけで、腰に眠る蛇は目覚めるのだから、この天使はシヴァを意味している。

この呼びかける意識と、下にいて眠りから目覚める側は「本質」と「質量」という均衡関係になるので、呼びかけする上空の意識が高度になるほどに、呼び起こされる質量的エネルギィも強力なものとなる。
頭頂よりもはるかに遠い星雲界とか恒星のあたりから呼びかけをすると、より深層の眠りを起こすことができるし、そこで上昇する力はそのまま身体を突き抜けて星雲界にまで行こうとする。

実際には人間の主体の意識というのは、自由にどこにでも行くことができるので、天使の位置にふんぞり返って蛇を呼び覚まそうとするよりも、天使の持つラッパの筒の中に入り込んで、絵の下のほうにある墓に向かうことも可能だ。
インド式だと腰に眠る蛇という絵は、西洋のタロットでは「墓の中に眠る死者」として描かれる。下に近づくにつれて、この墓のサイズは大きく見えてくる。わたしはひとつの世界というのは立方体で表現されると説明しているが、それはタロットでは墓として描かれており、意識が降りていくことで、この眠って安定し固定された世界というものに入り込んでいくのだ。

しかし実際に見えてくる光景としては、腰から自分の周囲に幕が上がってくるように見える。主体は自分を中心に世界を見るので、自分が墓に近づくと、墓が立ち登ってくるように見えるということで、立方体の箱の壁に包囲されたような映像が見える。

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