ヘルメス・J・シャンブの「“在る”の息吹」/vol.18 気づきの小説「天使とドラゴン」の解説編

B!

この連載がきっかけとなって生まれた気づきの短編集『プルートに抱かれて』を、昨年発売したヘルメス・J・シャンブさん。
今年2月に発売された、意識探求をテーマにした書籍も好評です
今回も、ヘルメスさんによる“この連載で発表した「気づきの小説」の解説編”をお届けしましょう。
※2冊目の著書『道化師の石(ラピス)』も小説仕立てで、独自の世界観を伝えています。

 

苦悩と恐怖を一切終焉させるのための書!
『知るべき知識の全て I 』
ヘルメス・J・シャンブ著/ナチュラルスピリット

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気づきの小説「天使とドラゴン」の解説

今回は、Vol.3『天使とドラゴン』の解説となります。

この物語では、「三つの約束」が表面的な重要点、あるいはテーマとなっているわけですが、実はこの物語、または「表現」において、最も重要な箇所は、それ(三つの約束)とは別のところにあります。
それは、「キャハッ」です。つまり、子どものような純粋さ、なのです。

物語の中の天使は、自分の羽が黒焦げになってしまっても、何も気にしません。まるで純粋無垢な子どもが、どろんこ遊びをしているようなものです。汚い、きれい、という概念や価値観がありません。なので、“美しさ=純粋さ”がそこに現れるのです。

これ以上のことを、今回は説明する必要がないようにも思われますが、もう少しだけ書くことにしましょう。

純粋さとは、自分が傷つくことを知らない、ということでもあります。もしかしたら、傷つくかもしれません。傷つかないかもしれません。
けれども、純粋さには過去や未来が存在しないので、傷つくから止める、傷つかないからやる、という打算的な価値観の前提がないのです。

過去を礎にして未来を築こうとすることは、実のところ、過去の繰り返しである未来を作り出すことに他なりません。
表面的には、「過去を繰り返さないように」と思って未来を作り出そうとするのですが、そもそも過去からの継続であるものは、必ず過去を繰り返すことになってしまうのです。

この「三つの約束」とは、ありきたりのものです。が、このありきたりのことを、主人公はどうもうまく処理することができません。欲望を持つことはダメなことだ、と分かってはいても、欲望を持ってしまうことがよくあります。
「欲望を持つのを止めよう」と思う時点で、過去の繰り返しである未来に繋がる、ということがわかっていないからです。

「キャハッ」
これが、どんな過去を持っているでしょう?
今この瞬間を楽しむ以外の、何かがあるでしょうか?

「キャハッ」は、それ自体で独立しているものです。つまり、どんな過去や未来もなく、どんな束縛にも無関係です。
だからこそ、物語において、このセリフは「突拍子もない」のような新しい知覚を与えるのです。

例えば、「君は仕事ができないね」と言われて、Aさんの選択肢はどのようなものになるでしょう? 
1. 頭にきて怒る 2. 落ち込む、等々、これらは言葉に影響された結果の思考であり、独立して起きたものではありませんね。

つまり、このAさんは、常に出来事や状況、人の言葉に影響されてばかりの人生を送ってしまう、ということになります。そして、もしもそうなら、自分の手で、平安や幸せを掴むことはできないでしょう。

なぜなら、このAさんの思考とは、いつも「もしも状況が〇〇になったら、きっと私は幸せになり、うまく行くだろう」という流れになっているからです。が、このような考え方こそ、他者や何らかの出来事に原因や責任を押し付けることになり、「自分のせいではない。自分は犠牲者だ」という信念を強化することになるのです。

「君は仕事ができないね・・・」
と誰かがAさんに言って、Aさんは答えます。

「キャハッ」
これこそ、自分の幸せは自分次第だ、ということです。

自分が平安で幸福になるためには、条件が必要である。

このような信念を持って、平安で幸福になることはできませんし、これは「自分の思い通りに支配したい」という信念でしかないのです。

主人公は、「なぜ、うまく行かないのだ?」と苦悩します。つまり、「なぜ、自分の思い通りの展開にならないのだ?」ということです。
あれこれの欲望の対象に没頭しても、結局、苦悩するという元鞘に帰ることになります。どこにも救いがないように思われます。

実のない架空の果実が、お腹を満たすことがないように、現れては消えるものは、真に自己を満たすことがありません。食べているようなつもりでも、食べることさえ、していないのです。

主人公は危機に瀕して、ようやく一つの記憶が蘇ります。

「キャハッ」

思考とは、実在しないものである。現れては消える雲のように、実体がない。
私は空(そら)である。天気がいくら変化しようとも、私が変わることはない。
雨の日には雨の滴る音を楽しんで、晴れの日には公園の芝生で寝転がる。
それでも、“私”は変わることがない。

「こら! こんなに泥だらけになって! もう! あんたったら! もっときれいに遊びなさい!」と怒られたとしても、「ああ、楽しかった!」というように。

 

ヘルメス・J・シャンブ
1975年生まれ。30代前半、挫折と苦悩を転機に、導かれるように真理探求の道に入る。さまざまな教えを学び、寺で修業し、巡礼の旅に出るが、最終的に「全ては私の中に在る」と得心、悟入する。数回に分けて体験した目覚めにより、ワンネス(一つであること)を認識し、数々の教えの統合作業に入る。「在る」という教えは、これまでの師たちの伝統的な教えであるため、師たちの名前を借りて「ヘルメス・J・シャンブ」と名乗り、初著作『“それは在る』を執筆。 その後『道化師の石(ラピス)』『ヘルメス・ギーター』、独自の世界観を小説で表現した『プルートに抱かれて』などを刊行。現在は、ナチュラルスピリットの個人セッションなどで、探求者たちに教えを伝えている。

 

https://twitter.com/hermes_j_s
https://note.com/hermesjs

 

『プルートに抱かれて』
ヘルメス・J・シャンブ著/ナチュラルスピリット

 

『へルメス・ギーター』
ヘルメス・J・シャンブ著/ナチュラルスピリット

 

『道化師の石(ラピス) BOX入り1巻2巻セット』
ヘルメス・J・シャンブ著/ナチュラルスピリット

 

『 “それは在る』
ヘルメス・J・シャンブ著/ナチュラルスピリット

 

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