いけだ笑みの「空を仰げば」〈12〉 9月は中秋の名月にちなんで生まれ日の「月の満ち欠け」に注目

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こんにちは。占星術家のいけだ笑みです。
昨今の空模様から連想される徒然について、今回も発信します。

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生まれた時の月の状態でタイプがわかる

今年の中秋の名月は8年ぶりの満月だそうで、9月21日がその日になります。
旧暦は「太陰太陽暦」なので、毎月新月の日が1日(月が始まる日→月立ち)になり、秋の十五夜に該当する8月15日が中秋の名月だったのですが、実は旧暦でも新暦でも、中秋の名月の日が満月とは限りません。

その理由は複雑なので、国立天文台の「暦wiki」を読んでいただくとして、今月のスタピでは中秋の名月にちなんで、「月の満ち欠け(ルネーションサイクル)」が占星術的にどのように解釈されるかについてのお話しをしたいと思います。

ルネーションサイクルとは、Dane Rudhyar が、その著書『The Lunation Cycle - a key to the understanding of personality』(Aurora Pr; 2nd Revised:原書は1967年刊)で月の満ち欠けを8つのフェイズに分割し、生まれたときの月のフェイズによってその人の心理を分析したり、プログレスの月のフェイズで人生のステージを解釈するものです。

ルネーションサイクルを取り上げた本は、次のようなものがあります。

●『Finding Our Way Through the Dark』(Demetra George著/Acs Pubns:1994年)
●『The Book of the Moon』(Steven Forrest 著/Astrology's Lost Dimension Seven Paws Press, Inc.:2010年)
●『ルネーション占星術』(鏡リュウジ著/説話社:2016年)
など。

 

自分が生まれた時の月のフェイズを知る方法は、ホロスコープ上の太陽と月の角度を「反時計回りの方向」で出すことによってわかります。

太陽と月のバランスが個性の強さに現れる

月は新月から上弦に向けて徐々にその光を増してゆき、満月に向かって光は最高潮となり、肥え太り、丸々と輝きます。
180度以降は少しづつ光を減らし、下弦の月から次の新月に向けて、どんどん痩せ細ってゆきます。

そういった月の姿を、自我の芽生えから肥大、そして消失までの物語になぞらえることができると考えてみましょう。デメトラ・ジョージは、月の満ち欠けを植物の発芽から開花、そして種落ちまでになぞらえました。
8つのフェイズのどの時期に生まれたかによって、その人の性格的傾向も影響を受けると考えることもできます。

例えば、こういう出生図の方の場合。

太陽から月までの角度を反時計回りに測ると、80度くらいです。
1つのサインが30度として計算すると答えを出せますし、サインの概念で計算することができない人は、単純に分度器を出力したホロスコープに充てて、度数を出してください。

例えば、出生図の太陽と月が0度(コンジャンクション)の日に生まれた人は「新月生まれ」、180度(オポジション)の日に生まれた人は「満月生まれ」となります。
太陽と月が90度であれば、上限か下弦のどちらかになります。

太陽と月が80度のこの人は、上弦の月のちょっと前の生まれとなり、ルネーションサイクルでは2個目のクレッセントムーンの属性となります。
子どものように元気いっぱいで、何ごとにも新鮮な気持ちで携わることのできる愛くるしい人が多い月相ですね。

もう一人みてみましょう。

この人の場合、太陽と月の角度はほぼ360度一周してきて、新月手前の354度です。
ルネーションサイクルでは、バルサミックムーン後半の属性になります。
最初の人とは対照的に老成し、自我が希薄な状態になりやすく、大儀に対して投身するような献身的かつ自己犠牲的性質を持つ人もいます。
仕事に私情を挟まないのも、この月相を持つ人の特徴です。月(私情)が最も細くなっている相に生まれているため、万事に対して「私事など、取るに足らないものです」の精神が働くのかもしれません。

光を反射して輝く月が象徴するのは、個別性であり、私個人の感情や身体感覚、生活習慣、日常や私生活の部分です。
一方で、創造原理である太陽が象徴するのは、大儀のほうです。公の目的意識や外に向かって表現する自分の在り方ですね。
月の光が弱ければ個別性は薄れてゆき、全体の意図に個人の都合を合わせてゆく性質が強まるし、月の光が強ければ、個性が明確になり「私の感覚」を外に向かって表現してゆこうとします。

8つのルネーションサイクルのキーワード

最後に、8つのルネーションサイクルに、それぞれどんな意味があてはめられているかのキーワードをご紹介しておきましょう。

 

新月のフェイズ
New Moon Phase
0度~44度
直観的、本能的、自発性、主観的、衝動的

三日月のフェイズ
Crescent Moon Phase
45度~89度
若々しさ、独創的、断定的、自信

上弦のフェイズ
First-Quarter Phase
90度~134度
意図的な行動、環境に立ち向かう、形勢的、剪定

十三夜月のフェイズ
Gibbous Moon Phase
135度~179度
成長、理解し吸収する、探求心、自分の心に対する興味

満月のフェイズ
Full Moon Phase
180度~224度
完成形、達成力、客観性、自他ともに対する厳しさ、個別性の肥大

居待月のフェイズ
Disseminating Moon Phase
225度~269度
考えの共有、社会貢献への意欲、マニフェスト、得たものを分ける、教える

下弦のフェイズ
Last-Quarter Moon Phase
270度~314度
真実の探求者、頑固で意思強固なのに、妥協や挫折を受け入れる心の強さを持つ

暁月のフェイズ
Balsamic Moon Phase
315度~359度
形式や慣習の解体、解散、整地、献身的、投身、後続者へのバトンタッチ

 

私の著書『ホラリー占星術』(説話社)でも、月の満ち欠けと事象のエネルギーの関係について図解しているページがありますので、ぜひ読んでみてください!

『ホラリー占星術』
いけだ笑み著/説話社

プログレスの月フェイズの時期は、AstroSeekで自動計算してくれますので、占星術に詳しい方はぜひこちらも楽しんでください。
https://horoscopes.astro-seek.com/progressed-full-moon-lunation-cycle-astrology

 

いけだ笑み
宇宙のからくりと人間存在の謎について、物心ついたころから考え続け、古代占星術と錬金術思想にたどりつく。1999年からプロの占星術家としての活動を開始。主にホラリー占星術の研究と実践に取り組みながら、東京、大阪、仙台、福岡などで講師活動やイベントを主催。著書は、『基本の「き」目からウロコの占星術入門①』『基本の「き」目からウロコの占星術入門②』『ホラリー占星術』(説話社)、『フレンドリータロット』(太玄社)など。

http://astro.secret.jp/
https://twitter.com/emi0711

『いますぐ深読みできるフレンドリー・タロット』
いけだ笑み著/ 太玄社

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