こんにちは、人相見のいくらです。
日本の神社は「除災招福」「家族繁栄」「学業成就」など、様々なご利益を授けてくれます。中には「顔に関する病気を治す」「美容面で美しさが増す」など、顔に関してご利益のあるものも。
人相を長年探究する私にとって、顔は外せないテーマです。今回も「美」に関するご利益のある寺社仏閣をリポートします。
毛髪守護という珍しいご利益がある「関神社」
今回、ご紹介するのは、東京都北区にある「王子神社」の境内に鎮座する「関神社」です。「毛髪守護」にご利益があることで知られています。
毛髪に関するご利益がある神社仏閣は珍しく、過去に東京都の湯島にある「心城院」が「美髪」にご利益があるということで紹介しました。
「王子神社」のご由緒によれば、関神社(元々は関蝉丸神社)ができたのは、平安時代にさかのぼります。
第60代天皇、延喜帝の第四皇子である蝉丸公は、髪の毛が逆髪(逆立った状態の髪)で嘆いていた姉のために、侍女の「古屋美女」に命じて「かつら(ウィッグ)」や「かもじ(エクステンション)」を考案しました。
平安時代の女性の頭髪は黒髪ロングのストレートヘアが主流で、特に貴族社会では「垂髪」と言って、黒髪を長く伸ばして垂らしたままにするのがトレンドでした。
清少納言の随筆『枕草子』には、「かみいと長くうらはしく、さがりばなどめでたき人」という歌があり、髪が長く、垂れた髪の先まで美しい女性がうらやましい、と謳われています。
そのため、逆立った髪であることは、当時は肩身が狭かったのではと考えられます。
また、古来より女性の髪には霊力が宿るとされ、航行の安全のために、女性の髪をお守り代わりにするなど、女性の髪は神聖視されていました。
自分の髪型に嘆いていた姉をはじめ、のちのち髪で悩む人々の助けになったことから、蝉丸公は「髪の祖神」として、広く崇敬を集めました。
余談ですが、蝉丸は琵琶の名手であったことから、「音曲諸芸道」にもご利益があるとされ、蝉丸姉弟の物語は「能」の話の一つ「蝉丸」で語られています。
関神社の御祭神
蝉丸公/神霊
逆髪姫/神霊
古屋美女/神霊
*神霊:人の魂。または人が亡くなり、神になったもの。
関神社がある「王子神社」の境内は閑静な心地よさ
この神社は、元々、滋賀県大津の逢坂山に「関蝉丸神社」として祀られていましたが、江戸に新しく「関神社」が建立されました。
それにあたり、「関蝉丸神社」を敬迎(けいぎょう:敬い仰ぐ)する、かもじ業者をはじめとする人々により、奉斎(ほうさい:神仏を慎んで祀る)されたと言われています。
釈迦の時代の伝説と「毛塚」に託された思い
関神社の境内に祀られている「毛塚」は、髪の毛の尊さに感謝する、という気持ちが込められています。
それは、「貧女の一灯」という言い伝えから
かつて、釈尊が多くの弟子を引き連れて、祇園精舎(釈迦が説法を行った場所)にやって来ることになりました。
それを聞いた多くの者は、暗闇の中で釈尊の足もとを照らす立派な灯明を用意するために、それぞれが油を買い求めました。
そのような中、ある貧しい女性は、釈尊を深く敬愛していたものの、油を買うお金がなく、絶望感で泣き濡れるしかありませんでした。
しかし、自分の髪を切ってお金に替えることを思い立ち、少しばかりの油を買ったのです。釈尊が弟子とともに祇園精舎にやって来た時、突然、突風が吹いて、それまで数え切れないほど灯っていた立派な灯明たちが、全て消えてしまいました。
その中で、たったひとつ、消えずに灯っていたのが、貧しい女性が用意した小さな灯りでした。
その光は、煌々と輝き続けたとされます。
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いかがでしたか?
次回も、顔や美容にまつわるご利益のある神社をご紹介します。
今回、ご紹介したのは・・・
関神社(王子神社境内)
●ご利益/毛髪守護・音曲諸芸道
所在地:東京都北区王子本町1−1 王子神社境内
*JR京浜東北線「王子駅」北口より徒歩3分/東西メトロ南北線「王子駅」3出口より徒歩3分/都電荒川線「王子駅前駅」より徒歩5分/「飛鳥山駅」より徒歩7分
人相研究・占術家。セツモードセミナー修了。顔学会会員。観相術(人相・手相など)四柱推命を主に扱う。喫茶店やファミレスなどで対面鑑定を行う傍ら、セミナー講師、Web・雑誌の記事の執筆・監修など、多岐に渡り活動している。
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