世界的なスピリチュアルリーダーであり、「奇跡のコース(A Course In Miracles)」のティーチャーとしても活躍する、アラン・コーエンさん。
スピリチュアルなコーチングの実力で、長年、大勢の人の人生を導いています。今回も、珠玉のエッセイを発信していただきましょう。
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アラン・コーエン日本事務局
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自分自身について書けない悩み
ある日、起業した若い女性が私のところにやって来て、愚痴をこぼしました。自身のウェブサイトの文章を書いていて、「どうもうまくいかない」と言うのです。
「どこで行き詰っているのですか?」と私はその女性、バーバラに尋ねました。
「『私について』というプロフィールのページです」。
彼女は顔をゆがめて、そう答えました。その様子は、そのプロセスがいかに彼女にとって辛いものであるかを物語っていました。
このようなプロフィールのページは、多くの事業主が行き詰まる部分であり、私は本当に数えきれないほど彼女と同じ悩みを持つクライアントに、コーチングセッションを通じて会ってきました。
「何か自分を世間に表現していくことに疑問を持っているのですか?」。
「実はそうなんです・・・」と彼女はおずおずと答えました。「自分がその資格が本当にあるんだろうか、私に支払ってくれるほどのサービスを、人々に提供できるのだろうかと疑問に思っています」と。
私は、「わかりました・・・。では、ウェブサイトのことはちょっと脇に置いて、より深く見ていきませんか?」と提案し、私たちがこれから向かって行く場所を知りつつ、こう聞きました。
「誰があなたに、自分自身に疑問を持つことを教えたのですか?」。
「私の父は新聞社で編集の仕事をしていたせいか、特に英語のことになると、私に対してとても批判的でした。内容の良し悪しの前に、彼から見て、私はちゃんと文章を書けたことなど一度もなかったのです。
99パーセント素晴らしくできたとしても、彼は褒めることはありませんし、代わりに、残りの欠けている1%について、私を責めるような人です」。
「そして、あなたが成長して、お父さんの居る家を出た今も、彼の声が頭の中にあって、パーフェクトではないことに対して、ずっとあなたの心を打ち砕いているのですね?」。
「そうなんです」。
私が今までコーチングをしてきた人たちほぼ全てが、このことがテーマでしたが、それぞれ違った形で口にして訴えていました。
長年自分を抑え続けてきた声から自由になる
「じゃあ、今あなたが書こうとしている『私について』は、今までの人生を通して、あなたにとって問題であり続けたテーマに関する一例なのですね?」。
「そうです」。
「では、こんなふうに捉え直してみませんか? あなたは今、自分の内側で長年自分を抑圧してきた声から、遂に自由になる機会を得ているのだと。
その声はずいぶん昔に父親から植え付けられ、ウェブサイトよりもっともっと深刻な面であなたの前進を弱めてきた声であり、あなたは今、そのことから自由になるのだ」と。
「もしそれができたら、すごいことだわ!」と彼女は答え、その日初めて顔を輝かせました。
「では、ロールプレイをしてみませんか?」と私は提案しました。
「私があなたのお父さんになります。私は何も言いません。しかし、これは、あなたが小さな頃彼に批判されていた時、あるいは、大人になってからも彼がジャッジし続ける声が自分の中に聞こえる時に、彼に本当は言いたかったことを言える良い機会になるでしょう」。
バーバラはまっすぐに姿勢を正して、私の目を見て、しっかりとこう言いました。
「お父さん、あなたが私のことを愛してくれているのは分かっています。そして、あなたが私にベストを望んでいることも分かっています。
でも、私はもうあなたの批判のムチの下で生きていくことはできません。子供の時、大人になっても、私が何かするたびに、あなたは私の行動や私自身に誤ちを見つけていました。
今までの人生において、あなたのジャッジが私を小さく押し込めていました。でも、私はもう自ら進んであなたのジャッジと共に生きることはしません。私を妨害させません」。
彼女の目から涙が流れました。そして、父親に語りかけることを通して、自己を肯定し、自己実現するための前向きな言葉を言い始めたのです。
「私は善良なハートと、しっかりしたスキルをもった素晴らしい女性であり、世界にとても役立つ貢献をすることができます。
私は自分の新しいビジネスや、それに通じる方法を通して、自分の能力を行使します。私はそれができることを知っています。
私は自分が選択した人生を生き、仕事で成功していくために、あなたの許可を必要としません。ですから今ここで、私が長年背負ってきた暗く冷たい批判の全てを手放します。
そして、より豊かな人生へと自信と共に踏み出します」。
問題が起きたのは答えへと導くため
バーバラの涙は彼女の瞳を洗い、輝かせていました。彼女は、ウェブページを完成できない自分の能力のなさを不満に思っていた時とは、全く別人のように見えました。
「今はどんな気持ちですか?」と私は彼女に聞きました。
「ずっとずっと感じていたものから、ようやく自由になった気持ちです」。
「じゃあ、あなたの『私について』のページを書くことついてはどう感じますか?」。
「その準備ができました。完全に準備ができました」と彼女は笑顔で答えました。
長い沈黙の後、バーバラの目が再び輝き、静かな驚きと共にこう言いました。
「問題は、プロフィールが書ける書けないではなかったのね?」。
そうです。問題はウェブサイトではないのです。
ウェブサイトの件は、バーバラに自分の内側に目を向けさせて、答えを探させるようにと方向付けてくれたのです。
彼女は、自己イメージや尊重、自信、生き方、信念、期待感などにブロックを持っていました。このことは努力をするきっかけにもなりますが、その努力を打ち砕くものでもあります。
不要な幻想を取り除いて自由になる
人生におけるビジネスや人間関係の状況は、それ自体が生きてリアリティを持つことはありません。
それらはあなたの精神が反映されたものであり、あなたが自分について持っているイメージが、世界というスクリーンに映し出されるのです。
ジェームス・アレンは見事にこう表現しています。
「我々は秘密裏に考える。そしてそれが起こる。外側の環境は私たちの鏡なのだ」。
私たちを悩ませている状況は、呪いの仕業ではありません。それはマインドにおいて、抱えている幻想の在りかを教えてくれる矢印のようなものです。
私たちが自分に痛みを与えている幻想が、どこからやって来るのかを知った時、幻想が覆っていた真実を発見する準備ができます。そして真実を発見できれば、自由になれるのです。
問題となるのは、ウェブサイトではありません。人間関係でも、仕事でも、お金でも、この世界でもありません。
問題は、幻想から目覚めるかどうかです。幻想から真実へと目覚めれば、全ては変わります。
(翻訳/桜水現実)
アメリカ生まれ。ハワイ島在住。世界25カ国で著書が発売されているベストセラー作家であり、セミナーリーダー。全米のTVやラジオなどに多数出演する他、多くのスピリチュアルドキュメンタリーにプレゼンターとして出演。「101 Top Experts that Make our Life Better(より良い人生へと導くエキスパートトップ101人)」の中に名を連ね、その教えの深さと大きさから「Mentor’s Mentor(メンターのメンター)」と呼ばれている。毎年来日するほどの親日家であり、日本でも15冊以上の翻訳本やDVDが発売されている。代表作に『人生の答えはいつも私の中にある』『「願う力」で人生は変えられる』など。
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『頑張るのをやめると、お金とチャンスがやってくる』
アラン・コーエン著/本田健訳/PHP研究所